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12 いいことついでに
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(……圭介と、俺が)
恋人。
午後にシフト入りしていたコンビニでのバイトをこなしながら、今日何度も思い返してしまう事柄で顔がニヤけそうになり、口元に手を当てて頭を軽く振る。
今は仕事中だ。仕事に集中しろ。
店に人、いないけど。
今は、平日の午後二時半を過ぎたところ。高校生以下はまだ学校だろうし、外で働いている人間の退勤時間でもない。奏夜と同じ大学生は、人によって動く時間がまちまちだと思うので、予想がしにくいが。
品出しを終え、レジに入ったものの手持ち無沙汰になった奏夜は、軽く店内を見回した。
やっぱりというか、聞き落としも見落としもなく、店内に客はいない。もう一人いる先輩店員は、確認事項があるからと店の奥に行ってしまった。
こうなると、また、圭介のことを思い出してしまう。
朝、あのあと。
圭介の家で、圭介の作った朝ご飯を食べてから家を出た。父にはその前に『圭介の家で朝ご飯食べてから帰る』と連絡を入れた。了解、と返ってきた。
アパートを出る前にさらりとキスをされ、呆気にとられている間に自然な動作で外に導かれて。
そのまま駅まで送られてしまった。
『また夜とか連絡するから』と、嬉しそうに言われて、わかったと言うだけで精一杯だった。
外なんだからと顔を赤らめないように気をつけつつ圭介と別れ、父が出勤したあとの家に帰り、掃除や洗濯などの家事を片付け、軽く昼を食べてバイトに向かう。
圭介とのこと以外はいつも通りの日常のはずなのに、心がどうにも、ふわふわして落ち着かない。
(落ち着け、俺)
初めての恋人に浮足立っているのか、その恋人が大好きな幼馴染だということに浮ついているのか、自分の中の「好き」という気持ちを持て余しているのか。その全てか。
色々と考えているところに、自動ドアの開く音と音楽が聞こえ、現実に引き戻される。
「いらっしゃいませ」
反射のように笑顔を作り、出入り口に声を掛けた。
コンビニのバイト、そもそもバイト自体、大学に入ってから始めたものだが、半年以上続けると、挨拶もそれなりに板についてくる。
(あ)
セブンスターの番号の人。
顔を向けてから、馴染みの客であることを認識した奏夜は、心の中で呟いた。
圭介よりは低いが、それでも百八十センチはある高身長。その関係か、やはりというか手足が長い。
体つきは圭介と比べると細めだが、奏夜よりは断然しっかりしている。
いつもサングラスとマスクをしているので、以前に身分証の顔写真で顔を目にした時以外、奏夜はちゃんと顔を見たことがない。夏でもサングラスとマスクだったので、顔を見られたくない人なのかもしれない。
肌の色はどこか硬質な印象を受ける白さで、百花さんならなんて分析するんだろう、と思ったりしている。
肩より長い銀髪はうなじ辺りでくくっていることが多く、今日もそのヘアスタイルの男性は、このコンビニでセブンスターのタバコを買う常連客だった。タバコ以外も買うことがあるが、セブンスターは毎回のように買う。
禁煙志向が強くなっている現代、タバコを購入する人は少なくなっていると聞く。それでなくともコンビニの売り上げにかなり食い込んでくるタバコを買う客は、店員たちに覚えられやすいというのがある。週四ほどの頻度でシフトを入れている奏夜も、週に一、二回顔を合わせるこの客のことを覚えるのは早かった。
店内の様子を伺う仕草をしたその客は、自分以外に客がいないことを認識したらしく、レジにいる奏夜へ顔を向けた。サングラス越しなので目が合ったかどうかはよくわからないが、笑顔で会釈しておく。それを見て大丈夫だと判断したのか、彼はまっすぐにレジへ向かってきた。
奏夜の前でピタリと足を止めた彼は、サングラス越しに奏夜を見やった、と思う。
「あの」
マスク越しに伝わってくる低い声。圭介の声はテノールとバリトンの間くらいだが、彼はバリトンを超えてバスと言える。奏夜は高めな声なので、アルトに近いテノール、といったところ。
「……タバコを、セブンスターの、オリジナル……番号、ここ何番でしたっけ」
遠慮がちに問われ、いつも通りだな、となんだか笑いそうになった。
他の店でもタバコを買っているのだろう、銘柄は決まっているのに、毎回番号を尋ねられるのだ。
だから、セブンスターの番号の人。
銘柄しか言わない客も多いので、丁寧な人だな、と毎度のように思う。
奏夜は棚に目をやって、このタバコのことでしょうか、とタバコに手をかけて言った。
「ああ、はい。それ、一つお願いします」
そのまま一箱取り、パッケージが相手に見えるように向きを直す。
「こちらで間違いないでしょうか?」
「はい」
タバコをレジに通し、二十歳以上の証明ボタンをタップして貰い、「レジ袋は大丈夫です」の声に「かしこまりました」と返す。
このお客様の年齢は、奏夜より二つ年上の二十一歳だ。当時、バイトを始めて日の浅かった奏夜からすると、見慣れない客だった彼は、サングラスとマスク越しにも若く見えた。だから、タバコを買いに来ていた彼の対応をした時に、「すみませんが……」と身分証を出してもらい、しっかり確認したので覚えている。
少し迷うような仕草で運転免許証を出してくれた彼の生年月日を見て、二十歳超えなのだとわかった。
名前も読もうとして断念したことも、覚えている。四十物鼎。『四十物』が名字で『鼎』が名前なのはわかったが、どう読むのかはさっぱりで、家に帰ってから興味本位で調べてみた。が、複数の読み方がある難読名字と難読名前なのだと知ったところで止まってしまった。まあ、名前が読めずとも、苦労はない。相手はコンビニのお客様だ。
切れ長の瞳が青色で、彫刻のように整った顔立ちをしている、と顔写真で把握したけど、それ故のサングラスとマスクなのかもしれない。イケメンは苦労するなぁと思ってしまう。
これらの感想は、主に圭介の苦労をもとに考えたものだけど。
(って、また圭介のこと考えてるし)
内心で苦笑しながら会計を終え、カウンターにタバコの箱を置いて、少し下がる。
そのままいつものようにタバコを手に「ありがとうございました」と帰るのかと思ったら、今日は違った。
「……あの、何かいいこと、あったりしました?」
少し緊張しているような響きを持った低い声が、斜め上から降ってくる。
「え?」
気持ち下を向いていた顔を上げると、サングラス越しの視線が奏夜に注がれているのがわかった。それも、なんだか、真剣に思えるものを。
「いえ、なんか雰囲気がいつもより明るい……いや、明るいのはいつもなんですけど、なんというか、キラキラしてる感じがするなって、思って」
淡々とした口調と恐らく真剣な面持ちの彼に、「ああ、ええ、まあ」と愛想笑いを浮かべた。
「少し、いいことがあって。顔に出ちゃってたのかな。すみません」
少し、ではないけれど。もの凄くいいことだけど。世間話程度のものだろうから、話を広げる必要はないだろう。
「いいこと……ですか……」
呟くように言った彼は、そのまま動きを止めた。
(なんだ?)
内心で首を傾げながら、客の行動を見守る。
次に待っている客もいないので、急かすようなことをするのも躊躇われた。
数秒動きを止めていた彼は、意を決したようにコートのポケットへ手を入れる。
「あの、変な意味じゃないので。いいことついでにっていうか、そんな感じなんですが」
「はあ、はい」
要領が掴めなくて気の抜けた返事をしてしまった奏夜に気づいているのかいないのか、彼はポケットから出した『それ』をカウンターに置く。
置かれたのは、二枚の紙。手のひらサイズのそれに印字されている文字を目で追うと、「ライブ」だとか「会場:◯◯」、「◯月◯日」などという情報が読み取れる。
(どっかのライブのチケット?)
だと思う、たぶん。ライブなんて行ったことがないのでわからないが。
「ご興味あれば、どうぞいらして下さい。ご友人とか、ご家族とかと」
はて、と首を傾げていた奏夜の耳に、緊張気味な声が届く。
チケットから視線を彼に戻せば、真剣な表情に見えていた彼がサングラスとマスクを外すところだった。
露わになった青い瞳と彫刻を思わせる整った顔立ちは、聞こえていた声の通りに真剣な表情をしていた。それに気圧されるように、奏夜は息を呑む。
「俺、自分、が、出るので。めいっぱい楽しませるので。来てくれると、嬉しい、です」
真剣な顔で言った彼は、「それじゃ、お仕事中に失礼しました」と、タバコを引っ掴むようにして足早にコンビニをあとにする。
ぽつん、と、取り残されたような気分で突っ立っていた奏夜は、「お客さん来てたっぽいけど、大丈夫だった?」という奥から戻ってきた先輩の声で我に返った。
「あ、はい。大丈夫です。お一人対応しただけなので」
「そう? あれ? それ、何?」
カウンターに目を移した先輩に問われ、奏夜はそこにあるものへ改めて目を向けた。
「……いや、なんか、ライブのチケットらしいです。良かったらどうぞって。さっきのお客さんが」
嘘をつく理由もないので、正直に話す。
先輩が興味深そうに「へえ?」と言ったところで、別の客がコンビニに入ってきた。
先輩が「いらっしゃいませ」と言うのを聞きながら、チケットを制服のポケットに仕舞った奏夜も「いらっしゃいませ」と続ける。
チケットについてはバイトが終わってから考えよう、と、気持ちを切り替えた奏夜だった。
恋人。
午後にシフト入りしていたコンビニでのバイトをこなしながら、今日何度も思い返してしまう事柄で顔がニヤけそうになり、口元に手を当てて頭を軽く振る。
今は仕事中だ。仕事に集中しろ。
店に人、いないけど。
今は、平日の午後二時半を過ぎたところ。高校生以下はまだ学校だろうし、外で働いている人間の退勤時間でもない。奏夜と同じ大学生は、人によって動く時間がまちまちだと思うので、予想がしにくいが。
品出しを終え、レジに入ったものの手持ち無沙汰になった奏夜は、軽く店内を見回した。
やっぱりというか、聞き落としも見落としもなく、店内に客はいない。もう一人いる先輩店員は、確認事項があるからと店の奥に行ってしまった。
こうなると、また、圭介のことを思い出してしまう。
朝、あのあと。
圭介の家で、圭介の作った朝ご飯を食べてから家を出た。父にはその前に『圭介の家で朝ご飯食べてから帰る』と連絡を入れた。了解、と返ってきた。
アパートを出る前にさらりとキスをされ、呆気にとられている間に自然な動作で外に導かれて。
そのまま駅まで送られてしまった。
『また夜とか連絡するから』と、嬉しそうに言われて、わかったと言うだけで精一杯だった。
外なんだからと顔を赤らめないように気をつけつつ圭介と別れ、父が出勤したあとの家に帰り、掃除や洗濯などの家事を片付け、軽く昼を食べてバイトに向かう。
圭介とのこと以外はいつも通りの日常のはずなのに、心がどうにも、ふわふわして落ち着かない。
(落ち着け、俺)
初めての恋人に浮足立っているのか、その恋人が大好きな幼馴染だということに浮ついているのか、自分の中の「好き」という気持ちを持て余しているのか。その全てか。
色々と考えているところに、自動ドアの開く音と音楽が聞こえ、現実に引き戻される。
「いらっしゃいませ」
反射のように笑顔を作り、出入り口に声を掛けた。
コンビニのバイト、そもそもバイト自体、大学に入ってから始めたものだが、半年以上続けると、挨拶もそれなりに板についてくる。
(あ)
セブンスターの番号の人。
顔を向けてから、馴染みの客であることを認識した奏夜は、心の中で呟いた。
圭介よりは低いが、それでも百八十センチはある高身長。その関係か、やはりというか手足が長い。
体つきは圭介と比べると細めだが、奏夜よりは断然しっかりしている。
いつもサングラスとマスクをしているので、以前に身分証の顔写真で顔を目にした時以外、奏夜はちゃんと顔を見たことがない。夏でもサングラスとマスクだったので、顔を見られたくない人なのかもしれない。
肌の色はどこか硬質な印象を受ける白さで、百花さんならなんて分析するんだろう、と思ったりしている。
肩より長い銀髪はうなじ辺りでくくっていることが多く、今日もそのヘアスタイルの男性は、このコンビニでセブンスターのタバコを買う常連客だった。タバコ以外も買うことがあるが、セブンスターは毎回のように買う。
禁煙志向が強くなっている現代、タバコを購入する人は少なくなっていると聞く。それでなくともコンビニの売り上げにかなり食い込んでくるタバコを買う客は、店員たちに覚えられやすいというのがある。週四ほどの頻度でシフトを入れている奏夜も、週に一、二回顔を合わせるこの客のことを覚えるのは早かった。
店内の様子を伺う仕草をしたその客は、自分以外に客がいないことを認識したらしく、レジにいる奏夜へ顔を向けた。サングラス越しなので目が合ったかどうかはよくわからないが、笑顔で会釈しておく。それを見て大丈夫だと判断したのか、彼はまっすぐにレジへ向かってきた。
奏夜の前でピタリと足を止めた彼は、サングラス越しに奏夜を見やった、と思う。
「あの」
マスク越しに伝わってくる低い声。圭介の声はテノールとバリトンの間くらいだが、彼はバリトンを超えてバスと言える。奏夜は高めな声なので、アルトに近いテノール、といったところ。
「……タバコを、セブンスターの、オリジナル……番号、ここ何番でしたっけ」
遠慮がちに問われ、いつも通りだな、となんだか笑いそうになった。
他の店でもタバコを買っているのだろう、銘柄は決まっているのに、毎回番号を尋ねられるのだ。
だから、セブンスターの番号の人。
銘柄しか言わない客も多いので、丁寧な人だな、と毎度のように思う。
奏夜は棚に目をやって、このタバコのことでしょうか、とタバコに手をかけて言った。
「ああ、はい。それ、一つお願いします」
そのまま一箱取り、パッケージが相手に見えるように向きを直す。
「こちらで間違いないでしょうか?」
「はい」
タバコをレジに通し、二十歳以上の証明ボタンをタップして貰い、「レジ袋は大丈夫です」の声に「かしこまりました」と返す。
このお客様の年齢は、奏夜より二つ年上の二十一歳だ。当時、バイトを始めて日の浅かった奏夜からすると、見慣れない客だった彼は、サングラスとマスク越しにも若く見えた。だから、タバコを買いに来ていた彼の対応をした時に、「すみませんが……」と身分証を出してもらい、しっかり確認したので覚えている。
少し迷うような仕草で運転免許証を出してくれた彼の生年月日を見て、二十歳超えなのだとわかった。
名前も読もうとして断念したことも、覚えている。四十物鼎。『四十物』が名字で『鼎』が名前なのはわかったが、どう読むのかはさっぱりで、家に帰ってから興味本位で調べてみた。が、複数の読み方がある難読名字と難読名前なのだと知ったところで止まってしまった。まあ、名前が読めずとも、苦労はない。相手はコンビニのお客様だ。
切れ長の瞳が青色で、彫刻のように整った顔立ちをしている、と顔写真で把握したけど、それ故のサングラスとマスクなのかもしれない。イケメンは苦労するなぁと思ってしまう。
これらの感想は、主に圭介の苦労をもとに考えたものだけど。
(って、また圭介のこと考えてるし)
内心で苦笑しながら会計を終え、カウンターにタバコの箱を置いて、少し下がる。
そのままいつものようにタバコを手に「ありがとうございました」と帰るのかと思ったら、今日は違った。
「……あの、何かいいこと、あったりしました?」
少し緊張しているような響きを持った低い声が、斜め上から降ってくる。
「え?」
気持ち下を向いていた顔を上げると、サングラス越しの視線が奏夜に注がれているのがわかった。それも、なんだか、真剣に思えるものを。
「いえ、なんか雰囲気がいつもより明るい……いや、明るいのはいつもなんですけど、なんというか、キラキラしてる感じがするなって、思って」
淡々とした口調と恐らく真剣な面持ちの彼に、「ああ、ええ、まあ」と愛想笑いを浮かべた。
「少し、いいことがあって。顔に出ちゃってたのかな。すみません」
少し、ではないけれど。もの凄くいいことだけど。世間話程度のものだろうから、話を広げる必要はないだろう。
「いいこと……ですか……」
呟くように言った彼は、そのまま動きを止めた。
(なんだ?)
内心で首を傾げながら、客の行動を見守る。
次に待っている客もいないので、急かすようなことをするのも躊躇われた。
数秒動きを止めていた彼は、意を決したようにコートのポケットへ手を入れる。
「あの、変な意味じゃないので。いいことついでにっていうか、そんな感じなんですが」
「はあ、はい」
要領が掴めなくて気の抜けた返事をしてしまった奏夜に気づいているのかいないのか、彼はポケットから出した『それ』をカウンターに置く。
置かれたのは、二枚の紙。手のひらサイズのそれに印字されている文字を目で追うと、「ライブ」だとか「会場:◯◯」、「◯月◯日」などという情報が読み取れる。
(どっかのライブのチケット?)
だと思う、たぶん。ライブなんて行ったことがないのでわからないが。
「ご興味あれば、どうぞいらして下さい。ご友人とか、ご家族とかと」
はて、と首を傾げていた奏夜の耳に、緊張気味な声が届く。
チケットから視線を彼に戻せば、真剣な表情に見えていた彼がサングラスとマスクを外すところだった。
露わになった青い瞳と彫刻を思わせる整った顔立ちは、聞こえていた声の通りに真剣な表情をしていた。それに気圧されるように、奏夜は息を呑む。
「俺、自分、が、出るので。めいっぱい楽しませるので。来てくれると、嬉しい、です」
真剣な顔で言った彼は、「それじゃ、お仕事中に失礼しました」と、タバコを引っ掴むようにして足早にコンビニをあとにする。
ぽつん、と、取り残されたような気分で突っ立っていた奏夜は、「お客さん来てたっぽいけど、大丈夫だった?」という奥から戻ってきた先輩の声で我に返った。
「あ、はい。大丈夫です。お一人対応しただけなので」
「そう? あれ? それ、何?」
カウンターに目を移した先輩に問われ、奏夜はそこにあるものへ改めて目を向けた。
「……いや、なんか、ライブのチケットらしいです。良かったらどうぞって。さっきのお客さんが」
嘘をつく理由もないので、正直に話す。
先輩が興味深そうに「へえ?」と言ったところで、別の客がコンビニに入ってきた。
先輩が「いらっしゃいませ」と言うのを聞きながら、チケットを制服のポケットに仕舞った奏夜も「いらっしゃいませ」と続ける。
チケットについてはバイトが終わってから考えよう、と、気持ちを切り替えた奏夜だった。
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