【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう

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第1話 クリス・レガード

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温かな風がカーテンを揺らし、
小鳥たちの歌が朝を告げる。
その歌声が心地よくてゆっくりと目を開けた。



「クリス様、おはようございます」



「……リーナか」



俺を呼ぶ声が聞こえる。
年上で落ち着いた優しい女性の声。
黒髪短髪のメイド、リーナだ。
歳は20代前半で物静かな雰囲気を醸し出している。


「アリス様を呼びますか?」


「いや、まだ呼ばないでくれ……
 少し頭痛がするんだ」


声を発した瞬間、前世の記憶と融合した感覚がある。
どうやら、俺は異世界に転生したようだ。
更に、徐々に頭の痛みが引くと同時に記憶が蘇る。
転生前はITプログラマーという仕事をしていた。


「大丈夫ですか?」


「あぁ、大分良くなってきたよ……」


俺はゆっくりと立ち上がり、全身鏡を見る。
するとあまりに美しい自分に驚いてしまった。


「き、綺麗だ」


自分の顔の筈が、咄嗟に綺麗と言ってしまった。
長すぎない銀髪に赤目の容姿で、
全く男とは思えない美しい顔をしている。


「ふふふ、クリス様はいつも綺麗ですよ」


リーナが俺の反応を見て揶揄いながら笑う。
俺も自分で言っていて恥ずかしくなってきた。


「クリス様、着換えをお手伝いしますね」


リーナに手伝ってもらいながら寝巻から着替える。
頭の痛みも無くなると、記憶の混乱も落ち着いた。


俺の名前はクリス・レガード。
今年で12歳になる。
レガード家は伝説の剣士が起こした貴族だ。
平民だがドラゴンを退治し剣聖の称号を授勲された。
そんなレガード家は剣が全ての男爵家で、
産まれた頃より剣に生き剣に死ぬ。
そして当主である父上のゲイルから、
俺は過酷な訓練を受けてきた。


「クリス様、今日はどちらに行かれる予定ですか?」


父上との訓練で丁度、剣が折れてしまった。
だから今日は、それを新調しに行こうと思っていた。
目指すは王都の武器屋だ。


「王都まで剣を買いに行ってくるよ」


「気を付けてくださいね」


リーナに優しく見送られ屋敷を出て、
王都の武器屋へ向かった。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





ここはルミナス王国の王都だ。
ルミナスには騎士学園と魔法学園が存在しており、
どちらかに入学できれば将来は安泰と言われている。
当然俺は騎士学園に所属している。


そしてこの道は学園への通学路だ。
お世話になっている武器屋で剣を買い終わり、
いつもの慣れ親しんだ道を通って帰宅している。
普段は街の掲示板には目もくれずに家路に就くが、
今日は自然と目に留まった。
もしかしたら、写真の女性の美しさに見惚れたのかもしれない。


『聖女マリア・ルミナス様がご活躍』


この世界はスキルが全ての世界だ。
12歳の儀式でスキルが出なければ、
無能力者として蔑まれる。
マリア・ルミナスは、王国第二王女。
そして回復魔法レベル5で国内最高の使い手だ。
掲示板にはマリア様の活躍が写真付きで紹介されている。


「まるでアイドルだな……」


ファンクラブまで創設されていると聞く。
誰もが知っているルミナスの有名人。
高レベルのスキルを持って生まれると、
それはそれで生き辛そうだなと思う。


帰り道を歩いていると、いつもなら見かけない風景が目に留まった。
ローブを着た子供が路地裏に走って行ったのだ。
フードを深く被っていて顔はよく見えない。
更にその子供を怪しい男達が追いかけている。


俺はなぜ助けようと思ったのか分からない。
気づいたらその子を追いかけていた……
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