『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

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第11話:雪山の遭難と、即席温泉

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「寒い……」

誰かの呟きが、凍てついたリビングに虚しく響いた。

ここは、エルグランデ王国北限の避暑地、ヴェルデ公爵家の別荘。 本来なら、暖炉の火がパチパチと燃え、温かいスープの香りが漂う、快適な空間であるはずだった。

しかし、現在。 別荘は、数メートル積もった雪の下に完全に埋没していた。 窓の外は真っ暗闇。 雪崩の衝撃で煙突が詰まり、暖炉は使えない。 さらに悪いことに、この別荘の生命線である「魔導暖房システム」の魔石が、昨夜の寒波で急速に消耗し、ついに沈黙してしまったのだ。

室温は、氷点下へと突入しつつある。

「……くっ、まさか夏に凍死の危機とはな」

ジークフリート王子が、毛布を3枚被って震えている。 彼の唇は紫色だ。 王族としての威厳は、すでに寒さの前に崩壊している。

「非論理的だ……。この時期の降雪量は、過去100年のデータにもない……。異常気象すぎる……」

ウィリアム生徒会長が、ガチガチと歯を鳴らしながらブツブツ言っている。 彼の手にあるペンは、インクが凍って書けなくなっている。

騎士たちも、互いに体を寄せ合って暖を取っているが、限界は近い。 アリスは私の隣で、カチコチに凍ったパンを抱きしめて泣いている。 ベルタは扇子を仰ぐ気力もなく、私の背中に張り付いてカイロ代わりになろうとしている。

そして、私、リリアーナ・ヴェルデ。 この物語の主人公にして、現在、最も不機嫌な人間。

(……眠れない)

私はギリリと奥歯を噛み締めた。 寒い。 とにかく寒い。 手足の感覚がなくなりそうだ。 こんな状態で眠れるわけがない。 レム睡眠もノンレム睡眠も、低温環境下では機能しないのだ。

私の「王家秘蔵の魔導ベッド」も、ここにはない。 あれは私の部屋にあるが、部屋自体が冷え切ってしまっているため、機能不全を起こしている。

「……リリアーナ様。……どうしましょう」

カイルが天井の梁から降りてきた。 彼もまた、寒さで動きが鈍い。 元暗殺者とはいえ、自然の猛威には勝てないようだ。

「このままでは、朝までに数名は脱落します。……特に、あの温室育ちの王子あたりが」

「……」

王子が死ぬと面倒だ。 国の危機だし、私が責任を問われるかもしれない。 何より、私の別荘で死なれると、ここが事故物件になってしまう。 それは困る。 ここは私の聖域なのだから。

「……やるしかないわね」

私は、毛布を跳ね除けて立ち上がった。

「え? リリアーナ様?」

アリスが驚いて顔を上げる。

「掘るわよ」

「ほ、掘るって……何を?」

「温泉」

私は床を指差した。

「さっきも言ったでしょ。この真下に、マグマ溜まりがあるの。地脈が通ってるのよ」

3回目の人生、魔導研究員だった頃の知識だ。 この地域の地下深くには、巨大な熱源が眠っている。 それを刺激すれば、熱が地上に噴出し、天然の床暖房……いや、温泉が湧くはずだ。

「マ、マグマ……!? 正気ですか!?」

ウィリアムが叫ぶ。

「地殻変動を起こすつもりか!? 下手すれば火山噴火で全滅だぞ!」

「大丈夫。私がやるから」

私は、リビングの中央にあった重厚なテーブルを、魔法で端に寄せた。 そして、高価そうな絨毯をめくり、フローリングの床を露出させる。

「どいてて。……爆破するから」

「ば、爆破ぁぁぁ!?」

全員が悲鳴を上げて壁際に退避する。

私は、右手を床にかざした。 狙うは地下2000メートル。 細く、鋭く、そして深く。 針のように魔力を貫通させ、岩盤を穿つ。 そして、最深部で魔力を炸裂させ、マグマの圧力を利用して地下水脈を押し上げる。

高度な土魔法と火魔法、そして水魔法の複合術式。 宮廷魔導師団が1ヶ月かけて行うような大規模工事を、今から数秒で行う。

「……眠いから、一発で決める」

私は、あくび混じりに詠唱した。 いや、詠唱なんて面倒だ。 イメージだけで十分。

『穿て(ドリル)』

ズドォォォォン!!

轟音と共に、床板が吹き飛んだ。 リビングの中央に、直径2メートルほどの穴が開く。 土煙が舞う暇もなく、私の魔力は地中深くまで突き進んでいく。

ゴゴゴゴゴゴ……!

地響きがする。 別荘全体が激しく揺れる。

「うわあああ! 地震だ!」 「建物が崩れるぞ!」 「リリアーナ嬢! やめてくれ! 死ぬ! 生き埋めになる!」

男たちがパニックになる中、私は冷静に「穴」を見つめていた。

(……来た)

地下深くから、熱い何かが上昇してくる気配。 成功だ。

シュゴォォォォォ!!

猛烈な勢いで、穴から真っ白な蒸気が噴き出した。 硫黄の香り。 そして、熱気。

「あ、熱っ!?」

近くにいた騎士が飛び退く。

続いて、黄金色に輝くお湯が、間欠泉のように噴き上がった。

バッシャァァァァン!!

リビングの天井まで届くほどの水柱。 お湯は放物線を描き、床に降り注ぐ。 一瞬にして、極寒のリビングが、サウナのような熱気に包まれた。

「……ふぅ」

私は満足げに頷いた。

「出たわね」

「で、出た……って……」

ジークフリート王子が、腰を抜かして口をパクパクさせている。 ウィリアム眼鏡は、蒸気で真っ白に曇って何も見えていないようだ。

「温泉よ」

私は言った。

「これでもう寒くないでしょ。……さあ、入るわよ」

          ◇

そこからは、私の独壇場だった。

まず、床が水浸しになるのは嫌なので、土魔法でリビングの床を即席の「岩風呂」に作り変えた。 家具類は全て魔法で二階へ避難させる。 そして、溢れ出るお湯を制御し、適度な水位と温度に調整する。

数分後。 ヴェルデ公爵家の別荘のリビングは、広大な「屋内大浴場」へと変貌を遂げていた。

湯気がもうもうと立ち込め、視界は真っ白。 硫黄と檜(私が魔法で香りを追加した)の良い香りが漂う。 温度は42度。 まさに適温。

「……極楽」

私は、真っ先に服を脱ぎ捨て(もちろん、湯気で見えないように魔法で視界遮断の結界を張った上で)、お湯に浸かった。

「はぁぁぁ……」

声が出る。 冷え切った体に、熱いお湯が染み渡る。 指先の感覚が戻ってくる。 筋肉の緊張が解け、骨の髄まで温まる感覚。

これだ。 これを求めていたんだ。

「リ、リリアーナ様!? もう入ってるんですか!?」

アリスの声がする。 彼女も寒さには勝てないようで、服を脱ぐ衣擦れの音が聞こえる。

「アリス、ベルタ。早く入りなさい。温まるわよ」

「し、しかし……殿下たちもいらっしゃいますし……」

「湯気で見えないから大丈夫。それに、この状況で男女別なんて言ってたら死ぬわよ」

緊急避難だ。 混浴はやむを得ない。 それに、私は濃霧魔法を使っている。 私の周囲半径5メートルは、濃密な霧に包まれており、誰にも肌を見られることはない。 完璧なセキュリティだ。

「……し、失礼します!」

アリスとベルタが、恐る恐るお湯に入ってくる。 チャポン、という音と共に、「ふぁぁ……」という恍惚の声が漏れた。

「生き返ります……! リリアーナ様、すごいです! 魔法でお風呂を作っちゃうなんて!」

「姉御……一生ついていきます……。このお湯、肌がツルツルになりますわ!」

女性陣がくつろぎ始めたのを見て、男性陣も観念したようだ。

「……背に腹は代えられん。失礼するぞ」

ドボン。 バシャン。

王子たちが、部屋の反対側(と私が指定したエリア)に入ってくる気配がする。

「おおおお! 温かい! 助かった……!」 「なんという効能だ……。凍傷になりかけていた足が、瞬く間に治っていく!」 「すごい……。これはただのお湯じゃない。高濃度の魔力水だ……!」

男たちのむさ苦しい歓声。 まあ、命が助かったのだから良しとしよう。

こうして、奇妙な混浴空間が完成した。 広いリビング風呂。 右側には女性陣。 左側には男性陣。 中央は、私の魔法による「絶対不可視の濃霧」で仕切られている。

「……リリアーナ」

霧の向こうから、王子の声が聞こえてきた。

「……何?」

私はお湯に浮かべたアリス製枕(防水仕様)に頭を乗せ、目を閉じたまま答えた。

「ありがとう。君のおかげで助かった。……まさか、大地そのものを操って、僕たちを温めてくれるとは」

また勘違いしている。 自分のためだと言っているのに。

「君の魔力は、まるで母なる大地のようだ。力強く、そして温かい……」

「……のぼせてるんじゃない?」

「いや、本心だ。……ねえ、リリアーナ。こっちに来ないか? 背中くらい、流させてくれても……」

バシャッ!

何かが飛んできた音。 そして、「ぐわっ!」という王子の悲鳴。

「……失礼。手が滑りました」

カイルの声だ。 どうやら、王子がお湯の中を移動しようとした瞬間に、カイルが氷塊(どこから持ってきた?)を投げつけたらしい。 ナイスガード。

「殿下、境界線を越えることは許されません。ここから先は『聖域』です」

ベルタも威嚇している。

「ちぇっ。ガードが固いなぁ」

王子は諦めて、おとなしくお湯に浸かったようだ。

静寂が戻る。 お湯の流れる音だけが響く。

私は、アリスを手招きした。

「……アリス」

「はい、リリアーナ様」

「……背中」

「え?」

「流して。……痒い」

「は、はいっ! 喜んで!」

アリスが嬉々として近づいてくる。 彼女の手には、いつの間にかタオルと石鹸が握られている。

「失礼します……」

アリスの温かい手が、私の背中に触れる。 優しい手つき。 円を描くように、丁寧に洗ってくれる。

「……んぅ」

気持ちいい。 アリスは本当に器用だ。 マッサージのような心地よさがある。

「リリアーナ様のお肌、本当に綺麗です……。雪のように白くて、すべすべで……」

「……そう?」

「はい。それに、全然凝ってないですね。やっぱり、普段からリラックスされているからでしょうか」

「……才能よ」

私は、うとうとし始めた。 温かいお湯。 アリスのゴッドハンド。 そして、カイルとベルタの鉄壁の守り。

完璧だ。 これ以上の幸せがあるだろうか。

「……リリアーナ様?」

「……すぅ」

私は落ちた。 お湯の中で。 もちろん、顔はお湯につからないように、アリスが支えてくれていると信じて。

          ◇

それから、どれくらい時間が経っただろうか。 外の吹雪が止み、朝日が差し込んできた頃。

「……見てください」

アリスの囁くような声で、周囲が静まり返った。

霧が、少しだけ晴れていた。 朝日で薄まったのだ。

その光の中で、男性陣が見たものは。

お湯に浮かぶ、一人の女神の姿だった。

リリアーナは、防水枕に頭を預け、完全に脱力して眠っていた。 その銀髪がお湯に広がり、真珠のような肌が朝日に照らされて輝いている。 長い睫毛には、湯気の雫がきらめいている。

そして、その周囲には。 アリスが、まるで聖母のように彼女を支え。 ベルタが、守護騎士のように仁王立ちし(タオル一丁で)。 カイルが、天井から逆さまにぶら下がって警戒している(なぜ裸なのかは不明)。

一種の宗教画のような構図だった。

「……美しい」

ジークフリート王子は、鼻血が出そうになるのを必死で堪えた。 いや、少し出ていたかもしれない。

「無防備なのに、神々しい。……これぞ、眠れる森の美女ならぬ、眠れる湯の女神……」

「殿下、鼻血が」

レオンハルトが冷静に指摘するが、彼自身も顔を真っ赤にして目を逸らしている。 ウィリアムは、眼鏡を拭きながら「この光景の黄金比率は……」とブツブツ計算している。

「……みんな、静かに」

アリスが、人差し指を唇に当てた。

「リリアーナ様が、世界を救う夢を見ていらっしゃいます。……起こさないでください」

全員が頷いた。 誰一人として、声を出す者はいなかった。 ただ、お湯の音だけが、ぽちゃん、と響いていた。

この日、新たな伝説が生まれた。 『リリアーナ・ヴェルデは、雪山で温泉を掘り当て、遭難した王族と騎士団を救った』 『そして、その裸体を見た者は、あまりの神々しさに目が潰れる(比喩)と言われている』

          ◇

数時間後。 私は目を覚ました。 お湯が少しぬるくなっていたが、体はポカポカだ。

「……よく寝た」

起き上がると、別荘の中は片付いていた。 男性陣はすでに服を着て、外の雪かきをしていた。 アリスとベルタが、朝食(温泉卵とパン)を用意してくれていた。

「おはようございます、リリアーナ様!」 「昨夜は最高でしたわ! お肌プルプルです!」

「……うん。おはよう」

私は着替えて、外に出た。 空は快晴。 雪が太陽に反射して眩しい。

ジークフリート王子が、スコップを持って汗を流していた。 私に気づくと、爽やかな笑顔で手を振ってきた。

「おはよう、リリアーナ! よく眠れたかい?」

「……おかげさまで」

「それはよかった! ところで、あの温泉だが……」

王子が真剣な顔になった。

「国で管理させてもらえないか? あれほどの効能を持つ温泉、放置するのはもったいない。王室御用達の療養施設として開発したいんだ」

「……は?」

「もちろん、君には発見者としての権利を与える! 『リリアーナ温泉』と名付けよう! どうだい?」

リリアーナ温泉。 ネーミングセンスが最悪だ。 でも、国が管理してくれるなら、維持費もかからないし、私が好きな時に入りに来ればいいだけか。 掃除とか面倒だし。

「……いいわよ。あげる」

「本当かい!? ありがとう! 早速、父上に報告するよ!」

王子は喜んで、また雪かきに戻っていった。

私は、その背中を見ながら、ふと思った。 この人、意外と働き者だな。 王子なのに、率先して雪かきしてるし。

(……まあ、私の安眠を邪魔しないなら、いてもいいか)

少しだけ、評価を上方修正した。 「ストーカー」から「便利なスポンサー」くらいに。

          ◇

こうして、波乱の雪山合宿は幕を閉じた……かに思われた。

しかし。 温泉騒動の裏で、新たな事件が進行していた。

「……へぇ。ここが、あの公爵令嬢の別荘か」

森の影から、双眼鏡でこちらを覗く男が一人。 黒髪に、切れ長の目。 異国の服装をしている。

隣国、軍事帝国バルディアのスパイ、ジェイド。 彼は、「色男」の異名を持つハニートラップの名手であり、数々の高貴な女性を虜にして情報を盗んできた凄腕のエージェントだ。

「噂通り、王子も騎士団長も勢揃いだな。……だが、俺のターゲットはあの女だ」

ジェイドは、テラスでココアを飲んでいる私に狙いを定めた。

「リリアーナ・ヴェルデ。魔法の天才にして、王子の婚約者候補。彼女を落とせば、王国の機密情報は筒抜けだ」

彼は、自信満々に髪をかき上げた。

「俺の美貌とテクニックで、メロメロにしてやるよ。……ちょろいもんだ」

彼は知らない。 私の「睡眠欲」の前には、どんなイケメンも、どんな甘い言葉も無力であることを。 そして、彼がこれから挑む相手が、「恋愛」という感情を「安眠の妨げ」として切り捨てている鉄壁の女であることを。
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