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ひどい男に徹する覚悟
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突っ伏したところで、背中に下着のラインが透けて見えることに変わりはない。
ばかりか、水滴を滴らせる髪の毛が張り付いた首筋のラインが妙に艶めかしく強調されて、俺は慌てて音芽から視線を逸らせる。
ヤバイ。
物凄く触りたい……。
視線を外しても尚、そんな思いに突き動かされてしまいそうで、俺は「待ってろ、バカ音芽」と捨て置くと、そそくさと風呂場を後にした。
脱衣所のバスタオル。
とりあえずそれを音芽に被せないと、俺の理性が持ちそうにない。
いつも俺が使っているのを渡すことも考えたけれど、それだと俺のにおいがして……被せられるの、音芽に嫌がられるかもしれない。
そう思った俺は、洗面台上の天袋から真新しいバスタオルを取り出すことにした。
一度も洗濯をしていないタオルは吸水力がイマイチだが、まぁ、今回の目的は拭くことじゃなく、音芽の身体を覆い隠すことだ。
問題ない――。
「あーん、もうっ。痛いし寒いし恥ずかしいしっ、最悪っ!」
と、浴室内から音芽のぼやき声が聞こえてきて、俺はふと動きを止める。
俺が離れた場所に行ったと思っているらしい音芽の本音に、俺は思わず物音を立てないように息を潜ませて耳をすませた。
「温和のバカぁ。私にだって……少しはときめいてよ……」
その言葉を聞いた途端、俺は心臓がドクン、と跳ね上がるのを感じた。
今の……、本当に音芽の口から発せられたもの……なの、か――?
そのつぶやきに戸惑った俺は、つい勢い余って風呂場の扉を開けると「音芽、お前……今の……」と、聞きとがめるように声を掛けてしまった。
だってそうだろ……? あれじゃあ、まるで俺のことを――。
いや、でも、待て。そんなこと、あるのか?
悶々としながらも、真っ直ぐに音芽を捉えた俺の視線からふいっと目を逸らせると、
「あ、あの……タオル……」
音芽はまるで俺の言葉なんてなかったかのように、俺が持ってきたバスタオルを催促してきた。
そんな態度をとられたら、これ以上聞けないじゃないか。
いや実際、自分が過剰反応してしまったのかと何となく決まり悪くなって、無造作に音芽の頭上へバスタオルを降らせた。
「もぉー、もっと優しく手渡してよ」
まるで先程の独り言は俺の幻聴だと言わんばかりの態度を貫いて、音芽が憎まれ口を叩く。
と、前髪から伝い落ちてきた水滴が、鼻先を濡らした。
あ、俺、音芽のことばかりで自分を拭くもん持ってきてねぇじゃん。
未ださっきの音芽の言葉がぐるぐると頭ん中を占めた状態で、半ば反射的にそんなことを思う。
「あ、あのっ……温和は身体、拭かない……の? っていうか――」
俺の状態を見て音芽もそう思ったらしい。
ったく、何だってこんな無理矢理話題を変えようとするかね?
そう思ったら胸の奥がチクリと疼いた。
その痛みに任せて、俺は音芽をじっと見つめて思わず言わずにはいられなかったんだ。
「なあ、音芽、お前にとっての俺は……」
ばかりか、水滴を滴らせる髪の毛が張り付いた首筋のラインが妙に艶めかしく強調されて、俺は慌てて音芽から視線を逸らせる。
ヤバイ。
物凄く触りたい……。
視線を外しても尚、そんな思いに突き動かされてしまいそうで、俺は「待ってろ、バカ音芽」と捨て置くと、そそくさと風呂場を後にした。
脱衣所のバスタオル。
とりあえずそれを音芽に被せないと、俺の理性が持ちそうにない。
いつも俺が使っているのを渡すことも考えたけれど、それだと俺のにおいがして……被せられるの、音芽に嫌がられるかもしれない。
そう思った俺は、洗面台上の天袋から真新しいバスタオルを取り出すことにした。
一度も洗濯をしていないタオルは吸水力がイマイチだが、まぁ、今回の目的は拭くことじゃなく、音芽の身体を覆い隠すことだ。
問題ない――。
「あーん、もうっ。痛いし寒いし恥ずかしいしっ、最悪っ!」
と、浴室内から音芽のぼやき声が聞こえてきて、俺はふと動きを止める。
俺が離れた場所に行ったと思っているらしい音芽の本音に、俺は思わず物音を立てないように息を潜ませて耳をすませた。
「温和のバカぁ。私にだって……少しはときめいてよ……」
その言葉を聞いた途端、俺は心臓がドクン、と跳ね上がるのを感じた。
今の……、本当に音芽の口から発せられたもの……なの、か――?
そのつぶやきに戸惑った俺は、つい勢い余って風呂場の扉を開けると「音芽、お前……今の……」と、聞きとがめるように声を掛けてしまった。
だってそうだろ……? あれじゃあ、まるで俺のことを――。
いや、でも、待て。そんなこと、あるのか?
悶々としながらも、真っ直ぐに音芽を捉えた俺の視線からふいっと目を逸らせると、
「あ、あの……タオル……」
音芽はまるで俺の言葉なんてなかったかのように、俺が持ってきたバスタオルを催促してきた。
そんな態度をとられたら、これ以上聞けないじゃないか。
いや実際、自分が過剰反応してしまったのかと何となく決まり悪くなって、無造作に音芽の頭上へバスタオルを降らせた。
「もぉー、もっと優しく手渡してよ」
まるで先程の独り言は俺の幻聴だと言わんばかりの態度を貫いて、音芽が憎まれ口を叩く。
と、前髪から伝い落ちてきた水滴が、鼻先を濡らした。
あ、俺、音芽のことばかりで自分を拭くもん持ってきてねぇじゃん。
未ださっきの音芽の言葉がぐるぐると頭ん中を占めた状態で、半ば反射的にそんなことを思う。
「あ、あのっ……温和は身体、拭かない……の? っていうか――」
俺の状態を見て音芽もそう思ったらしい。
ったく、何だってこんな無理矢理話題を変えようとするかね?
そう思ったら胸の奥がチクリと疼いた。
その痛みに任せて、俺は音芽をじっと見つめて思わず言わずにはいられなかったんだ。
「なあ、音芽、お前にとっての俺は……」
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