19 / 198
ひどい男に徹する覚悟
5
しおりを挟む
まるで俺から身を守るように、羽織ったバスタオルをギュッと握りしめる音芽の姿を見て、俺はちゃんと男として見てもらえているのかな?とか思えて嬉しくなる。
その思いが音芽にバレてしまわないよう、わざと目を眇めるようにして彼女を見下ろしたら、まずいと思ったのかな。
音芽がさらに一生懸命言い募ってきて。
「だ、だって! 私、奏芽兄とだって小学中学年ぐらいから一緒にお風呂とか入ってないし! ましてや今一緒に入るかって聞かれたら断固拒否だよ!? 兄妹だからって裸見せ合っても平気とか……ないからっ!」
だから俺ともそういうことはしない、と言いたげに一気にまくしたてる音芽を見て、俺はどうしても確認したくなった。
「本当に奏芽にも見せてないんだな?」
俺が音芽と一緒に風呂とか入らなくなってからも、しばらくは奏芽とは一緒に入っていたみたいだ。
音芽の今のセリフからそれを知って、少なからずショックを受けた俺だったが、そこはそれ、音芽と奏芽は実際に血の繋がりがあるんだから仕方がないと思うことにした。
思いはしたのだけれど――。
今は本当に入ってないんだよな?と、そこだけはあえて確認せずにはいられなくて。
俺のバカな質問に、心底驚いた顔をしてきょとんとする音芽を見て、俺は内心ホッとする。
それでかな。
「あのぉ~、そろそろハル兄も服、着てもらっていいですか……? その、目のやり場に困る……ので」
そう言われた俺は、音芽の傷の手当ての続き、ちゃんとしなきゃな、と冷静に思い出せたのだ。
俺は音芽からほんの少し身を引いて、淡々と言い放った。
「また濡らされたら堪らねぇし、とりあえずこのままもう一方も、済ませる……」
言った瞬間の音芽の表情。
まだやるの!?ってありありと書かれていて、あまりの可愛さに思わず笑ってしまいそうになった。
でも、ここでそういう態度を見せたら絶対変に思われるし、何より今まで散々音芽の前で精一杯演じてきた“俺らしさ”に欠ける。
「あの……温和、こっちはそれほど砂、入ってない気がする、んだけど、な?」
俺の顔色をを窺うように音芽が甘えるように聞いてきたけれど、俺は心を鬼にしてそれを無視した。というか、下手に反応したら抱きしめてしまいそうで自粛したというべきか。
「さっさと終わらせるぞ。マジで風邪ひく」
俺は早々にこの危険な状態から脱するべく、音芽にそう告げると彼女を風呂場に引き戻した。
先にやったのと同じようにもう一方の足もしっかり洗って、結果……俺は音芽を思いきり涙目にしてしまった。
おかげで傷自体は完璧に洗浄できたと思う。
あとは消毒をして傷口を保護すれば完璧。
――のはずだったんだが……。
ひとつ誤算だったのは、音芽に思いの外ダメージを与えてしまったらしいということで――。
涙にうるんだ小動物みたいな目で
「温和ぁ、ごめん。痛くて歩けない……」
と泣き付かれた瞬間、俺は危うく理性がぶっ飛ぶかと思ったんだ。
音芽には言えないけどな。
その思いが音芽にバレてしまわないよう、わざと目を眇めるようにして彼女を見下ろしたら、まずいと思ったのかな。
音芽がさらに一生懸命言い募ってきて。
「だ、だって! 私、奏芽兄とだって小学中学年ぐらいから一緒にお風呂とか入ってないし! ましてや今一緒に入るかって聞かれたら断固拒否だよ!? 兄妹だからって裸見せ合っても平気とか……ないからっ!」
だから俺ともそういうことはしない、と言いたげに一気にまくしたてる音芽を見て、俺はどうしても確認したくなった。
「本当に奏芽にも見せてないんだな?」
俺が音芽と一緒に風呂とか入らなくなってからも、しばらくは奏芽とは一緒に入っていたみたいだ。
音芽の今のセリフからそれを知って、少なからずショックを受けた俺だったが、そこはそれ、音芽と奏芽は実際に血の繋がりがあるんだから仕方がないと思うことにした。
思いはしたのだけれど――。
今は本当に入ってないんだよな?と、そこだけはあえて確認せずにはいられなくて。
俺のバカな質問に、心底驚いた顔をしてきょとんとする音芽を見て、俺は内心ホッとする。
それでかな。
「あのぉ~、そろそろハル兄も服、着てもらっていいですか……? その、目のやり場に困る……ので」
そう言われた俺は、音芽の傷の手当ての続き、ちゃんとしなきゃな、と冷静に思い出せたのだ。
俺は音芽からほんの少し身を引いて、淡々と言い放った。
「また濡らされたら堪らねぇし、とりあえずこのままもう一方も、済ませる……」
言った瞬間の音芽の表情。
まだやるの!?ってありありと書かれていて、あまりの可愛さに思わず笑ってしまいそうになった。
でも、ここでそういう態度を見せたら絶対変に思われるし、何より今まで散々音芽の前で精一杯演じてきた“俺らしさ”に欠ける。
「あの……温和、こっちはそれほど砂、入ってない気がする、んだけど、な?」
俺の顔色をを窺うように音芽が甘えるように聞いてきたけれど、俺は心を鬼にしてそれを無視した。というか、下手に反応したら抱きしめてしまいそうで自粛したというべきか。
「さっさと終わらせるぞ。マジで風邪ひく」
俺は早々にこの危険な状態から脱するべく、音芽にそう告げると彼女を風呂場に引き戻した。
先にやったのと同じようにもう一方の足もしっかり洗って、結果……俺は音芽を思いきり涙目にしてしまった。
おかげで傷自体は完璧に洗浄できたと思う。
あとは消毒をして傷口を保護すれば完璧。
――のはずだったんだが……。
ひとつ誤算だったのは、音芽に思いの外ダメージを与えてしまったらしいということで――。
涙にうるんだ小動物みたいな目で
「温和ぁ、ごめん。痛くて歩けない……」
と泣き付かれた瞬間、俺は危うく理性がぶっ飛ぶかと思ったんだ。
音芽には言えないけどな。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる