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大誤算
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俺は自分でも感心するぐらい我慢強い男だったらしい。
音芽からの凶悪な甘え攻撃にも、なんとか理性を保つことが出来たんだから。
ある意味大学生のころに色々遊んでおいて正解だったのかもしれない。
あれがなかったら……もしかしたら。
そう考えると少しゾッとした。
それじゃなくても俺は音芽を前にすると色々歯止めがきかなくなりそうで困るというのに。欲望のままに動いたら、絶対嫌われるだろ。
俺は平常心平常心と念仏のように頭の中で唱えながら、たかだか数歩の距離を無心で音芽を抱えて歩いた。下手に半裸になっていたりしたもんだから、そりゃあもう何ていうか意識するなという方が難しい話で。
腕のなかの音芽が緊張しているのが分かるぶん、その思いはなおさらだった。
音芽にバスタオルを被せておいて正解だったとつくづく思う。
脱衣所のバスマットの上に音芽を下ろした際、よろけられて抱きつかれないために
「立つのは平気か?」
恐る恐る手を離しながらそう聞いた。
もちろん、音芽自身が心配だというのもあったけれど、俺の方の理性の問題も多分にあったわけで。
音芽、純粋に心配してやれなくてホント、すまん。
なのに音芽はどこか嬉しそうに俺の方を見ると、「大丈夫」と可愛らしい声で答えるんだ。
俺は音芽のその仕草にドキッとして、思わず手元にあったタオルを引っ掴むと彼女の頭を無造作にガシガシと拭いた。
が、それがまずかった。
あまりに力任せに拭きすぎて、俺の動きに翻弄《ほんろう》された音芽がよろめいてしまったのだから。
音芽はよろけた拍子に俺の胸元に手をついてきて。
「――っ!」
その瞬間、俺は一気に身体中に血が駆け巡るのを感じた。
ヤバイ。早く音芽から離れねぇと……勃っ――。
俺は苦し紛れに音芽を一瞥して「――自分で拭きながら待ってろっ」と言い残すと、彼女を突き放すようにして大急ぎで脱衣所から逃げ出した。
脱衣所には大事をとって暖房を入れておいたから、多分音芽は濡れた状態でも寒さに震えることはないはずだ。
俺はそれを言い訳に、リビングで身体の熱が鎮まるまでしばしクールダウンをはかる。
(とりあえずアイツに何か着せねぇと身が持たん)
身が、というより理性が持たないというべきか。
俺はたんすを開けると割としっかりした厚手の生地のスウェットを引っ張り出した。
ちょっと季節感が微妙だがこの厚みは重要だ。
多分音芽がきたらダボダボだろうし、ズボンはもとより無理だよな。
そう思って上だけを出してみたけれど……ヤバイな。
アイツがこれを着たところとか想像したら、結構くる。
ふと音芽の華奢な腰のラインを思い浮かべた俺は、鎮まりかけた熱を呼び覚ましてしまって、溜め息を落とさずにいられない。
バカか俺は。何エロい想像してんだよっ!
着せても着せなくても俺の理性、結構ピンチなんじゃねぇの?
これは早々に手当てを済ませて音芽をあっちの部屋に戻さねぇと。
無理矢理押さえつけて手篭めにしてしまうとか、そういう最悪な事態にだけはならないように。
マジで俺の理性、大丈夫かな。
音芽からの凶悪な甘え攻撃にも、なんとか理性を保つことが出来たんだから。
ある意味大学生のころに色々遊んでおいて正解だったのかもしれない。
あれがなかったら……もしかしたら。
そう考えると少しゾッとした。
それじゃなくても俺は音芽を前にすると色々歯止めがきかなくなりそうで困るというのに。欲望のままに動いたら、絶対嫌われるだろ。
俺は平常心平常心と念仏のように頭の中で唱えながら、たかだか数歩の距離を無心で音芽を抱えて歩いた。下手に半裸になっていたりしたもんだから、そりゃあもう何ていうか意識するなという方が難しい話で。
腕のなかの音芽が緊張しているのが分かるぶん、その思いはなおさらだった。
音芽にバスタオルを被せておいて正解だったとつくづく思う。
脱衣所のバスマットの上に音芽を下ろした際、よろけられて抱きつかれないために
「立つのは平気か?」
恐る恐る手を離しながらそう聞いた。
もちろん、音芽自身が心配だというのもあったけれど、俺の方の理性の問題も多分にあったわけで。
音芽、純粋に心配してやれなくてホント、すまん。
なのに音芽はどこか嬉しそうに俺の方を見ると、「大丈夫」と可愛らしい声で答えるんだ。
俺は音芽のその仕草にドキッとして、思わず手元にあったタオルを引っ掴むと彼女の頭を無造作にガシガシと拭いた。
が、それがまずかった。
あまりに力任せに拭きすぎて、俺の動きに翻弄《ほんろう》された音芽がよろめいてしまったのだから。
音芽はよろけた拍子に俺の胸元に手をついてきて。
「――っ!」
その瞬間、俺は一気に身体中に血が駆け巡るのを感じた。
ヤバイ。早く音芽から離れねぇと……勃っ――。
俺は苦し紛れに音芽を一瞥して「――自分で拭きながら待ってろっ」と言い残すと、彼女を突き放すようにして大急ぎで脱衣所から逃げ出した。
脱衣所には大事をとって暖房を入れておいたから、多分音芽は濡れた状態でも寒さに震えることはないはずだ。
俺はそれを言い訳に、リビングで身体の熱が鎮まるまでしばしクールダウンをはかる。
(とりあえずアイツに何か着せねぇと身が持たん)
身が、というより理性が持たないというべきか。
俺はたんすを開けると割としっかりした厚手の生地のスウェットを引っ張り出した。
ちょっと季節感が微妙だがこの厚みは重要だ。
多分音芽がきたらダボダボだろうし、ズボンはもとより無理だよな。
そう思って上だけを出してみたけれど……ヤバイな。
アイツがこれを着たところとか想像したら、結構くる。
ふと音芽の華奢な腰のラインを思い浮かべた俺は、鎮まりかけた熱を呼び覚ましてしまって、溜め息を落とさずにいられない。
バカか俺は。何エロい想像してんだよっ!
着せても着せなくても俺の理性、結構ピンチなんじゃねぇの?
これは早々に手当てを済ませて音芽をあっちの部屋に戻さねぇと。
無理矢理押さえつけて手篭めにしてしまうとか、そういう最悪な事態にだけはならないように。
マジで俺の理性、大丈夫かな。
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