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目障りな男
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「鳥飼先生のサポートは学年主任の俺がしますんで、大丈夫です。鶴見先生には、俺が鳥飼先生についてる間、もしかしたらうちのクラスと彼女のクラスの児童らのことをお願いすることがあるかもしれないんで、そっち方面でのサポートをしていただけたら助かります」
殊更にっこりと――ある意味胡散臭い笑顔を浮かべながら、俺は鶴見にそう言ってやった。
音芽、悪いな。俺だってお前が自分のクラスの児童らを放ったらかしにして、鶴見に助けを求めるような無責任なヤツだなんて微塵も思ってやしねぇよ。
けどな、そう言わないと鶴見が食い下がってくんだろ?
俺の発言が気に入らないんだろう。
どこかそわそわとした様子で俺を見つめてくる音芽に、俺は彼女の不服を分かっていながらも、敢えてそれを押さえつけるように至極不機嫌そうな顔で睨んで黙らせる。
いや、実際に俺、滅茶苦茶苛立ってるからな?
お前の態度に。
何で俺より鶴見を頼ろうとすんだよ?
俺の手を借りるのはそんなに嫌かよ?
***
ある種の膠着状態の中。
「おはようございます。皆さん何話していらっしゃるんです? 私も仲間に入れてくださいな」
ほわっとした物言いをしながら、俺の正面の席――鶴見の隣――に養護教諭の逢地撫子先生が座る。
「おはようございます」
各々に挨拶を交わしながら、思わず全員が逢地先生の動きを目で追っている。
彼女の登場で、流れが変わるだろうか?
そう期待して。
逢地先生は養護教諭の先生で、確か今年で28歳。――俺より2つ上だったか。
そこまで考えて、女性の年齢をいちいち覚えているとか、俺、結構イヤなやつかも?と思う。
こういうところが、音芽が俺に鶴見に見せるような人懐っこさを見せてくれないゆえんなんじゃないだろうか。
逢地先生、基本的には保健室にいるんだが、朝礼の時や職員会議の時などだけ、ここ二年部の島の一角に設けられた彼女用の席に着席する。
彼女は毎日、朝の学活後に俺たち担任が付けた、受け持ちクラスの児童らの出席簿をもとに、職員室入り口のホワイトボードに全クラスの児童らの欠席状況や遅刻状況などを書き込んでくれる。
それを見ると他クラスの状況も把握できて、学年主任としては結構ありがたかったりするのだ。
特にインフルエンザの時期なんかはそろそろこのクラスは学級閉鎖かも、とか目に見えるので、こっちも心の準備ができる。
インフルエンザの欠席者に関してはわざわざ文字色を変えて一目で分かるように書いてくれたりして……彼女の細やかな気遣いが有り難く思えたりするんだ。
職員室には一応、普段はよその部屋に常駐していて居ない、いわゆる専科の先生方の机もちゃんと配置されている。
そういう先生方の机は、俺たち低学年の担任が集められた島にあって、養護の逢地先生の他にも、学校図書館司書の伊佐美千鶴先生、音楽担当の日昔香澄先生の席などが集められている。
因みに通路を挟んだ向こうには中学年・高学年の先生方の机が固められていて、あちらには担任以外の教職員の席はない。
殊更にっこりと――ある意味胡散臭い笑顔を浮かべながら、俺は鶴見にそう言ってやった。
音芽、悪いな。俺だってお前が自分のクラスの児童らを放ったらかしにして、鶴見に助けを求めるような無責任なヤツだなんて微塵も思ってやしねぇよ。
けどな、そう言わないと鶴見が食い下がってくんだろ?
俺の発言が気に入らないんだろう。
どこかそわそわとした様子で俺を見つめてくる音芽に、俺は彼女の不服を分かっていながらも、敢えてそれを押さえつけるように至極不機嫌そうな顔で睨んで黙らせる。
いや、実際に俺、滅茶苦茶苛立ってるからな?
お前の態度に。
何で俺より鶴見を頼ろうとすんだよ?
俺の手を借りるのはそんなに嫌かよ?
***
ある種の膠着状態の中。
「おはようございます。皆さん何話していらっしゃるんです? 私も仲間に入れてくださいな」
ほわっとした物言いをしながら、俺の正面の席――鶴見の隣――に養護教諭の逢地撫子先生が座る。
「おはようございます」
各々に挨拶を交わしながら、思わず全員が逢地先生の動きを目で追っている。
彼女の登場で、流れが変わるだろうか?
そう期待して。
逢地先生は養護教諭の先生で、確か今年で28歳。――俺より2つ上だったか。
そこまで考えて、女性の年齢をいちいち覚えているとか、俺、結構イヤなやつかも?と思う。
こういうところが、音芽が俺に鶴見に見せるような人懐っこさを見せてくれないゆえんなんじゃないだろうか。
逢地先生、基本的には保健室にいるんだが、朝礼の時や職員会議の時などだけ、ここ二年部の島の一角に設けられた彼女用の席に着席する。
彼女は毎日、朝の学活後に俺たち担任が付けた、受け持ちクラスの児童らの出席簿をもとに、職員室入り口のホワイトボードに全クラスの児童らの欠席状況や遅刻状況などを書き込んでくれる。
それを見ると他クラスの状況も把握できて、学年主任としては結構ありがたかったりするのだ。
特にインフルエンザの時期なんかはそろそろこのクラスは学級閉鎖かも、とか目に見えるので、こっちも心の準備ができる。
インフルエンザの欠席者に関してはわざわざ文字色を変えて一目で分かるように書いてくれたりして……彼女の細やかな気遣いが有り難く思えたりするんだ。
職員室には一応、普段はよその部屋に常駐していて居ない、いわゆる専科の先生方の机もちゃんと配置されている。
そういう先生方の机は、俺たち低学年の担任が集められた島にあって、養護の逢地先生の他にも、学校図書館司書の伊佐美千鶴先生、音楽担当の日昔香澄先生の席などが集められている。
因みに通路を挟んだ向こうには中学年・高学年の先生方の机が固められていて、あちらには担任以外の教職員の席はない。
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