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逢地先生と2人きり
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***
逢地先生から請われるままに、棚の上の大きな段ボール箱を下ろした俺は、「これだけですか?」と他を確認する。
その途端、逢地先生がとても言いにくそうに、「それとは別件でひとつ御相談事があるのですが……」と言ってきて。
マジか。
鶴見と残してきた音芽が気になるし、手短に済ませてもらえると助かるんだけど。
そもそも保健室に2人きりってシチュエーションが、音芽にあらぬ誤解を与えそうでいただけない。
そう思った俺は、
「保健室でないと無理な相談事ですか?」
言って、
「さすがに独身男女が放課後に2人きりで密室ってのはまずいと思います」
と付け加える。
すると逢地先生が酷く慌てたように「そっ、それもそうですねっ」とおっしゃった。
彼女の反応を見て、俺に気がある話ではなさそうだと内心胸を撫で下ろしてから、「人目が気になるなら……校舎裏とかどうですか?」と提案してみた。
あそこならオープンスペースな上に職員室にも近い。何より人通りが少なめだから逢地先生も相談とやらがしやすいだろうし。
それに――。これが1番重要なんだが、あそこからなら教職員用の下駄箱が見渡せる。
万が一混み入った話だったとして、その間に音芽が帰りそうになっても、彼女を呼び止めることが出来る。
***
「霧島先生、鳥飼先生とは家族ぐるみのお付き合いでした、よね?」
校舎裏の備品が色々入ったプレハブ倉庫前。
そこに移動するなり、逢地先生がそう言って俺をじっと見つめてきた。
な、なんだよ、いきなり。
そう思ったけれど顔には出さない。
ニコッと柔らかく微笑んで「はい、その通りです。鳥飼先生とは……彼女が生まれた時からの付き合いですね」と答える。
そうだ。
俺はアイツがおしめをしてる時から知ってるんだ。
さすがに俺も小さ過ぎてあんまり記憶には残ってねぇけど……それでも可愛い妹が出来た、という気持ちは薄らと思い出せる。
けどそんなん聞いてどうする気だ?
さっぱり意図が分からねぇ。
投げかけられた質問にキッチリ答えた俺の前で、逢地先生がモジモジとしながら言いづらそうにうつむく。
ん? 何だよ、これ。俺まで緊張しそうなんだけど。
思いながら次の言葉を発してくれるのを待つ俺に、逢地先生が意を決したように顔を上げた。
逢地先生から請われるままに、棚の上の大きな段ボール箱を下ろした俺は、「これだけですか?」と他を確認する。
その途端、逢地先生がとても言いにくそうに、「それとは別件でひとつ御相談事があるのですが……」と言ってきて。
マジか。
鶴見と残してきた音芽が気になるし、手短に済ませてもらえると助かるんだけど。
そもそも保健室に2人きりってシチュエーションが、音芽にあらぬ誤解を与えそうでいただけない。
そう思った俺は、
「保健室でないと無理な相談事ですか?」
言って、
「さすがに独身男女が放課後に2人きりで密室ってのはまずいと思います」
と付け加える。
すると逢地先生が酷く慌てたように「そっ、それもそうですねっ」とおっしゃった。
彼女の反応を見て、俺に気がある話ではなさそうだと内心胸を撫で下ろしてから、「人目が気になるなら……校舎裏とかどうですか?」と提案してみた。
あそこならオープンスペースな上に職員室にも近い。何より人通りが少なめだから逢地先生も相談とやらがしやすいだろうし。
それに――。これが1番重要なんだが、あそこからなら教職員用の下駄箱が見渡せる。
万が一混み入った話だったとして、その間に音芽が帰りそうになっても、彼女を呼び止めることが出来る。
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「霧島先生、鳥飼先生とは家族ぐるみのお付き合いでした、よね?」
校舎裏の備品が色々入ったプレハブ倉庫前。
そこに移動するなり、逢地先生がそう言って俺をじっと見つめてきた。
な、なんだよ、いきなり。
そう思ったけれど顔には出さない。
ニコッと柔らかく微笑んで「はい、その通りです。鳥飼先生とは……彼女が生まれた時からの付き合いですね」と答える。
そうだ。
俺はアイツがおしめをしてる時から知ってるんだ。
さすがに俺も小さ過ぎてあんまり記憶には残ってねぇけど……それでも可愛い妹が出来た、という気持ちは薄らと思い出せる。
けどそんなん聞いてどうする気だ?
さっぱり意図が分からねぇ。
投げかけられた質問にキッチリ答えた俺の前で、逢地先生がモジモジとしながら言いづらそうにうつむく。
ん? 何だよ、これ。俺まで緊張しそうなんだけど。
思いながら次の言葉を発してくれるのを待つ俺に、逢地先生が意を決したように顔を上げた。
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