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*お仕置き
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いくら鈍い音芽でも、だ。
男にベッドに押し倒されて、色事絡みだと思わないとかないだろう。
そう高をくくった俺は
「――この状況で、そういう発想になれるところがすげぇと思うんだけど……お前、それ、本気で言ってる?」
嫌でも俺が異性だと意識させるために、音芽の身体に覆いかぶさるようにして、そう追い討ちをかけた。
なのに何でお前、そんな恍惚とした顔で俺を見るんだよ。
おかしいだろ。
そこは「ヤダっ! 温和、恥ずかしいっ」じゃねぇのか。
もちろん、コイツからこんな風にうっとりした視線を向けられるのは俺だってやぶさかではない。
でも、だ。TPOってモンがあんだろ。
音芽のヤツ、本気で俺が自分を襲ったりすることなんてないって信じてるんだろうか。
だとしたら……そのに認識は甘いと思い知らせてやらねぇと。
そう思った俺は、冷ややかな視線で音芽を見下ろして、抑揚のない声で言い放った。
「俺、今からお前に酷いことするって宣言したよな?」
ここへきて初めて音芽が息を飲んでくれて、俺は内心安堵する。
そうだ。俺が欲しかったのは、そう言う反応なんだよ、バカ音芽。
俺が告げたお仕置きの意味を、愛らしい頭の中でいま一生懸命考えているんだろうか?と思ったら、支配欲に似た愛しさが込み上げる。
気がつくと、俺は吸い寄せられるように音芽に顔を寄せていて。
音芽が観念したようにギュッと目をつぶるのを見て、ゾクリとした快感を覚えた。
今なら音芽が抵抗出来ないよう両手を押さえつけて、思うさま目の前の愛らしい唇を貪っても許されるんじゃないだろうか。
そんな危ない考えがふと脳裏をよぎった瞬間――。
鼻先を音芽のものではない香りが掠めて、俺は一気に現実へ引き戻された。
このニオイは俺のものでもない。
となれば――。
再度確認するように音芽の首筋に顔を近づけて嗅いでみると、気のせいなんかじゃないと痛感させられた。
俺は苛立ちを隠せないままに音芽の耳元で
「今のお前、すげぇ嫌なニオイがしてるって自覚ある?」
まるで音芽が悪いのだと責めるかのようにそう吐き捨てて……彼女を萎縮させてしまった。
この不快な臭いの原因が、音芽にはないことぐらい俺だって分かってる。
でも、俺以外の男に容易く身体を許したのもまたコイツ自身なんだと思うと、感情のセーブがうまく出来なくて。
音芽が俺の目の前で悲しそうに瞳を見開いたのを見て、確かにチクリと胸が痛んだが、俺はうまくフォローしてやることができない。
音芽の大きな目がこれ以上ないぐらい見開かれて、その目にうっすらと涙の幕が張っているように感じられるのにどうしたらいいか分からないとか、俺、どんだけダメな男なんだよ。
男にベッドに押し倒されて、色事絡みだと思わないとかないだろう。
そう高をくくった俺は
「――この状況で、そういう発想になれるところがすげぇと思うんだけど……お前、それ、本気で言ってる?」
嫌でも俺が異性だと意識させるために、音芽の身体に覆いかぶさるようにして、そう追い討ちをかけた。
なのに何でお前、そんな恍惚とした顔で俺を見るんだよ。
おかしいだろ。
そこは「ヤダっ! 温和、恥ずかしいっ」じゃねぇのか。
もちろん、コイツからこんな風にうっとりした視線を向けられるのは俺だってやぶさかではない。
でも、だ。TPOってモンがあんだろ。
音芽のヤツ、本気で俺が自分を襲ったりすることなんてないって信じてるんだろうか。
だとしたら……そのに認識は甘いと思い知らせてやらねぇと。
そう思った俺は、冷ややかな視線で音芽を見下ろして、抑揚のない声で言い放った。
「俺、今からお前に酷いことするって宣言したよな?」
ここへきて初めて音芽が息を飲んでくれて、俺は内心安堵する。
そうだ。俺が欲しかったのは、そう言う反応なんだよ、バカ音芽。
俺が告げたお仕置きの意味を、愛らしい頭の中でいま一生懸命考えているんだろうか?と思ったら、支配欲に似た愛しさが込み上げる。
気がつくと、俺は吸い寄せられるように音芽に顔を寄せていて。
音芽が観念したようにギュッと目をつぶるのを見て、ゾクリとした快感を覚えた。
今なら音芽が抵抗出来ないよう両手を押さえつけて、思うさま目の前の愛らしい唇を貪っても許されるんじゃないだろうか。
そんな危ない考えがふと脳裏をよぎった瞬間――。
鼻先を音芽のものではない香りが掠めて、俺は一気に現実へ引き戻された。
このニオイは俺のものでもない。
となれば――。
再度確認するように音芽の首筋に顔を近づけて嗅いでみると、気のせいなんかじゃないと痛感させられた。
俺は苛立ちを隠せないままに音芽の耳元で
「今のお前、すげぇ嫌なニオイがしてるって自覚ある?」
まるで音芽が悪いのだと責めるかのようにそう吐き捨てて……彼女を萎縮させてしまった。
この不快な臭いの原因が、音芽にはないことぐらい俺だって分かってる。
でも、俺以外の男に容易く身体を許したのもまたコイツ自身なんだと思うと、感情のセーブがうまく出来なくて。
音芽が俺の目の前で悲しそうに瞳を見開いたのを見て、確かにチクリと胸が痛んだが、俺はうまくフォローしてやることができない。
音芽の大きな目がこれ以上ないぐらい見開かれて、その目にうっすらと涙の幕が張っているように感じられるのにどうしたらいいか分からないとか、俺、どんだけダメな男なんだよ。
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