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3人でパンケーキ
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俺の問いかけに、音芽は一瞬きょとんとしてから、「うーん」と考えた。
ややしてあることに思い至ったように眉根を寄せるのを見て、俺は思わず
「ま、お前が運転するとか考えるとゾッとするからやめといて正解だな」
と先手を打ってしまった。ああ、俺の馬鹿。また言わんでもいいことを。
思いはするもののこれにはそれなりの理由があるわけで。
そう、音芽は免許こそ持っているものの、超ド級に運転下手というか……運転のセンスがないんだ。
俺の心ない言葉にぷぅーっと頬を膨らませる音芽に、「お前の運転練習に付き合わされたことあんだから、当然の反応だろーが?」って言ったら、さすがに黙り込んだ。
音芽はどんなに教えてもミラーの使い方もうまくならねぇし、とあるスーパーのだだっ広い駐車場で駐車練習させてみても何度も何度も同じ軌跡を描くばかりで一向に白線内に車を収められなくて。
挙げ句、テンパってアクセルとブレーキ踏み間違えるし……。
たった数時間のレッスンで、俺がどんだけ寿命を縮められたか……。
正直な話、なぜこれで免許が取れた!?と思った俺だったけれど、音芽自身もそう思ったらしい。
「もういいよ、ハル兄。私、免許証は身分証明書だと思うことにする」
ってつぶやいて。
俺自身も、その時は音芽が運転を諦めたなら、“俺が”彼女をあちこち連れ回せる口実になって好都合かな?とか思ったんだ。
でも……もしも音芽自身が本気で運転をマスターしたいって思ってんなら俺はいくらでも練習に付き合ってやるんだけどな。
そんな風にも思ったんだけど、言わなきゃ伝わるはずがない――。
「……あの時はホントごめんなさい」
しゅんとして謝る音芽に、俺は人並みに乗れるようになるまで運転練習に付き合ってやっても構わないと告げることも、乗るのを諦めたなら俺がいくらでもお前の足になってやるとも言ってやることができなくて。
ホント駄目な男だと思ったら、思わず自嘲気味な笑みが浮かんでしまった。
音芽ともう少しちゃんと向き合えるようになれたなら……この気持ちを伝えられるようになるんだろうか。
***
「――で、音芽。このまま直帰でいいのか?」
くだらない会話をしている間も、車はズンズン進み続けている。
ふと、音芽はどこにも寄り道とかしたくないんだろうか?と思った俺は、何でもない風に彼女にそう問いかけた。
音芽はそれに少し考えてから、「ん、大丈夫」と答える。
その横顔が、何か言いたげに見えて、俺は「おや?」と思った。
でも音芽が言わないことを、俺が食い下がるのも変な話だと思って気付かないふりをしたんだ。
気が向いたら、音芽が自分のタイミングで何か切り出してくれる……よ、な?
そう思っていたら、音芽が恐る恐ると言った感じで
「あ、あのね……温和。アパートに着いたらほんの少しでいいから時間、もらえる、かな?」
と切り出してきて。
ややしてあることに思い至ったように眉根を寄せるのを見て、俺は思わず
「ま、お前が運転するとか考えるとゾッとするからやめといて正解だな」
と先手を打ってしまった。ああ、俺の馬鹿。また言わんでもいいことを。
思いはするもののこれにはそれなりの理由があるわけで。
そう、音芽は免許こそ持っているものの、超ド級に運転下手というか……運転のセンスがないんだ。
俺の心ない言葉にぷぅーっと頬を膨らませる音芽に、「お前の運転練習に付き合わされたことあんだから、当然の反応だろーが?」って言ったら、さすがに黙り込んだ。
音芽はどんなに教えてもミラーの使い方もうまくならねぇし、とあるスーパーのだだっ広い駐車場で駐車練習させてみても何度も何度も同じ軌跡を描くばかりで一向に白線内に車を収められなくて。
挙げ句、テンパってアクセルとブレーキ踏み間違えるし……。
たった数時間のレッスンで、俺がどんだけ寿命を縮められたか……。
正直な話、なぜこれで免許が取れた!?と思った俺だったけれど、音芽自身もそう思ったらしい。
「もういいよ、ハル兄。私、免許証は身分証明書だと思うことにする」
ってつぶやいて。
俺自身も、その時は音芽が運転を諦めたなら、“俺が”彼女をあちこち連れ回せる口実になって好都合かな?とか思ったんだ。
でも……もしも音芽自身が本気で運転をマスターしたいって思ってんなら俺はいくらでも練習に付き合ってやるんだけどな。
そんな風にも思ったんだけど、言わなきゃ伝わるはずがない――。
「……あの時はホントごめんなさい」
しゅんとして謝る音芽に、俺は人並みに乗れるようになるまで運転練習に付き合ってやっても構わないと告げることも、乗るのを諦めたなら俺がいくらでもお前の足になってやるとも言ってやることができなくて。
ホント駄目な男だと思ったら、思わず自嘲気味な笑みが浮かんでしまった。
音芽ともう少しちゃんと向き合えるようになれたなら……この気持ちを伝えられるようになるんだろうか。
***
「――で、音芽。このまま直帰でいいのか?」
くだらない会話をしている間も、車はズンズン進み続けている。
ふと、音芽はどこにも寄り道とかしたくないんだろうか?と思った俺は、何でもない風に彼女にそう問いかけた。
音芽はそれに少し考えてから、「ん、大丈夫」と答える。
その横顔が、何か言いたげに見えて、俺は「おや?」と思った。
でも音芽が言わないことを、俺が食い下がるのも変な話だと思って気付かないふりをしたんだ。
気が向いたら、音芽が自分のタイミングで何か切り出してくれる……よ、な?
そう思っていたら、音芽が恐る恐ると言った感じで
「あ、あのね……温和。アパートに着いたらほんの少しでいいから時間、もらえる、かな?」
と切り出してきて。
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