【R18】温和はオトメをもっと上手に愛したい

鷹槻れん

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俺の立ち位置

3

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 思わず指が白くなるくらい力を込めてハンドルを握りながら、横目でチラリと助手席の音芽おとめを盗み見る。

 ん? 何かさっき見た時より若干寂しそうな横顔かおになってね?

 なぁ音芽。お前、本当はどっちなんだよ?

 小さなこぶしを、太腿ふとももの上でギュッと握りしめてうつむく音芽に、
「ひょっとして……お前、ずっとそのつもりで俺に縛られてたってこと?」
 どこか馬鹿にしたように問い掛けながら、内心ではそうであってくれればいいと痛切に願ってしまう。

 そんな俺の言葉に、音芽が顔を上げないまま微かに肩をビクッと揺らしたのを俺は見逃さない。

 なぁ、音芽。それはどう言う感情の揺れなんだよ?

 やけに長い沈黙のあと、ややして音芽が
「ばっ、バカなこと言わないでよっ。そんなこと、思ってたわけないじゃないっ」
 窓外に視線をやって、全力でそう言ってきて。

 俺はそんな音芽の態度に、思わず小さく舌打ちをする。

 あの約束を守りたいと思ってたの、俺だけかよ?
 覚えてねぇとか心にもないこと言っといて勝手だけど……なんかすげぇ腹立つんだけど?

「――今は……どうなんだよ?」

 ややしてボソリとつぶやくように俺がこぼした言葉に、音芽おとめがキョトンとした顔をする。

「今?」

 何のことだか理解できないと言う風に俺のセリフを復唱されて。
 何で分かんねぇんだよ?と思ったらイライラがピークに達してつい投げかけた視線がキツくなる。

 そんな俺に、音芽がますます混乱したようにこちらを見つめてきて。それがさらに俺の感情を逆撫でするんだ。

「お前にとって俺はなのか?って聞いてんだよ」

 とうとう我慢しきれなくなって、前方を見据えたままそう吐き捨てて、感情を押し殺すためハンドルを強く握ったら、エンジン音の合間を縫うようにギュッという音がやけに大きく聞こえた。
 けど、こうでもしないとどうにもこの感情を抑えきれそうにねぇんだよ。

 音芽に過去のことなんて覚えていないと嘘を言ったのは他ならぬ俺自身だ。

 けど、あんな風に全否定しなくても良いだろ?

 音芽にはそんなつもりはないと分かっていても、今現在の俺自身との関係をも否定されたようで、ものすごく居た堪れねぇんだよ。
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