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俺の立ち位置
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特に児童や保護者の感情を荒立てねぇように慎重にことを運ばねぇと、変に反感なんてかっちまったら、後々色々と面倒だ。
自分だけのことなら、そうなってもやましい事をしてるわけじゃなし、別に構やしねぇかとも思えたりするんだけど……。
最愛の音芽を巻き込んでしまうのは頂けない。
分かっていてもこの柔らかくてちっこい手を離さなきゃなんねぇと思ったら、ほんの一瞬、すげぇ残念な気持ちがダダ漏れちまって、今の表情、絶対音芽に見られたな、と気恥ずかしく思う。
思った途端、照れ隠しでムスッとした顔になるとか、俺も大概ガキかよ!って内心苦笑しながら、ぶっきら棒に「……だな」ってつぶやいて断腸の思いで手を離す。
自分から俺に手を離すことを促したくせに、実際そうした瞬間、音芽が悲しそうに瞳を揺らしたのが見えて、すっげぇ嬉しくて顔がニヤけそうになる。
けど、そこであからさまに喜ぶのは恥ずかしいので、不機嫌な顔は崩さずにおいたんだ。
――ああ、もちろん、結構必死に、だよ!
***
結局あの後、音芽は「気持ちを落ち着かせたいから、下駄箱のところで少し時間をつぶして行くね」と言って。
俺はそんな音芽を置いて、先に職員室へ入らせてもらうことにしたんだ。
ややして、
「おはようございます、鳥飼先生」
逢地先生の挨拶に、見ていた書類から視線を外してふと顔を上げたら、音芽のやつがやけにどぎまぎしているのが分かって。
内心で、「しっかりしろよ、バカ音芽」と悪態をつく。
こう言う時に馬鹿正直な音芽は、色々と誤魔化すのが下手くそで、何だか危なっかしさに目が離せなくなる。
俺と音芽が付き合っていることは、順序立てて最良の順番でカミングアウトしていこうと話したのに、こんなんじゃ、勘のいい人間には絶対勘繰られちまうぞ?
どうしてもそんな音芽が気になって、チラチラと目で追ってしまっていた俺に気付いた音芽が、ハッとしたように「おはようございます」と小声で挨拶してきて。
その態度に、俺は危うく溜め息を落としそうになる。
――頼むからもっと自然に出来ませんかね、音芽さん。
逢地先生から記入を頼まれた、出席簿のクリップボードと自分自身の手荷物を、音芽が机上に置くさまをじっと見つめていたら、どうしても意地悪したくなってきて。
バカ音芽め。俺の視線にソワソワする様が可愛すぎるのが悪いんだぞ?
そんなに小動物みたいにプルプルされたら、いじめたい衝動にかられんの、仕方ないだろ?
なぁ、音芽。どう考えてもこれはお前が悪い。少しぐらい俺にいじられても文句は言えねえよな?
自分だけのことなら、そうなってもやましい事をしてるわけじゃなし、別に構やしねぇかとも思えたりするんだけど……。
最愛の音芽を巻き込んでしまうのは頂けない。
分かっていてもこの柔らかくてちっこい手を離さなきゃなんねぇと思ったら、ほんの一瞬、すげぇ残念な気持ちがダダ漏れちまって、今の表情、絶対音芽に見られたな、と気恥ずかしく思う。
思った途端、照れ隠しでムスッとした顔になるとか、俺も大概ガキかよ!って内心苦笑しながら、ぶっきら棒に「……だな」ってつぶやいて断腸の思いで手を離す。
自分から俺に手を離すことを促したくせに、実際そうした瞬間、音芽が悲しそうに瞳を揺らしたのが見えて、すっげぇ嬉しくて顔がニヤけそうになる。
けど、そこであからさまに喜ぶのは恥ずかしいので、不機嫌な顔は崩さずにおいたんだ。
――ああ、もちろん、結構必死に、だよ!
***
結局あの後、音芽は「気持ちを落ち着かせたいから、下駄箱のところで少し時間をつぶして行くね」と言って。
俺はそんな音芽を置いて、先に職員室へ入らせてもらうことにしたんだ。
ややして、
「おはようございます、鳥飼先生」
逢地先生の挨拶に、見ていた書類から視線を外してふと顔を上げたら、音芽のやつがやけにどぎまぎしているのが分かって。
内心で、「しっかりしろよ、バカ音芽」と悪態をつく。
こう言う時に馬鹿正直な音芽は、色々と誤魔化すのが下手くそで、何だか危なっかしさに目が離せなくなる。
俺と音芽が付き合っていることは、順序立てて最良の順番でカミングアウトしていこうと話したのに、こんなんじゃ、勘のいい人間には絶対勘繰られちまうぞ?
どうしてもそんな音芽が気になって、チラチラと目で追ってしまっていた俺に気付いた音芽が、ハッとしたように「おはようございます」と小声で挨拶してきて。
その態度に、俺は危うく溜め息を落としそうになる。
――頼むからもっと自然に出来ませんかね、音芽さん。
逢地先生から記入を頼まれた、出席簿のクリップボードと自分自身の手荷物を、音芽が机上に置くさまをじっと見つめていたら、どうしても意地悪したくなってきて。
バカ音芽め。俺の視線にソワソワする様が可愛すぎるのが悪いんだぞ?
そんなに小動物みたいにプルプルされたら、いじめたい衝動にかられんの、仕方ないだろ?
なぁ、音芽。どう考えてもこれはお前が悪い。少しぐらい俺にいじられても文句は言えねえよな?
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