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やましいことなんてない、はずなんだ
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「さっ、先に行きますっ」
恥ずかしさにとうとう我慢出来なくなったのか、音芽が真っ赤な顔をしたままバッグをつかむなり、俺を置いて職員室を後にする。
オイ、待てよ、音芽!
お前だけ先に行っても車の鍵、俺が持ってんだぞ!?
とか思ったけれど後の祭り。
小動物みたいな俺の音芽は、まさしく脱兎さながらのスピードで諸先生方に「お先に失礼します」と口早に言って、職員室を出て行ってしまった。
顔をうつむけたまま、今にも駆け出さんばかりのスピードでセカセカと歩き去る音芽の後ろ姿を呆然と見送りながら、俺は小さく吐息を落とす。
――バカ音芽! いちいち行動が可愛すぎんだろ!
本当は俺も今すぐにでも走って行って、そんな音芽を追いかけたいところだが、さすがにそれは不自然極まりない。
俺は焦る気持ちをグッと抑えつけて机の整理をするふりをしながら、心の中でゆっくり30秒を数える。
心の中で数える速度と、職員室の壁掛け時計の秒針が刻む速度のギャップに我ながら苦笑しそうになる。
人生でこれほど長い30秒はなかったんじゃねぇかと思うくらい時間が経たなくて。
――早く行ってやらねぇと音芽が待ちぼうけになるだろ!
とか誰にともなく悪態をつきつつ。
「……お先に失礼します」
やっと時計の秒針が、数え始めて30秒を過ぎたことを確認した俺は、おもむろに荷物を手に職員室を後にした。
はやる気持ちを抑えながらいつも通りのペースを保ちながら歩くのはことのほかしんどくて。
マジで勘弁して欲しい。
外に出て、人目がほとんどなくなる場所に差し掛かったのを見計らって早歩きに切り替えたけれど、案の定俺の車のそばでオロオロと待ちぼうけをしている音芽が見えた時には自然と溜め息がこぼれた。
恥ずかしさにとうとう我慢出来なくなったのか、音芽が真っ赤な顔をしたままバッグをつかむなり、俺を置いて職員室を後にする。
オイ、待てよ、音芽!
お前だけ先に行っても車の鍵、俺が持ってんだぞ!?
とか思ったけれど後の祭り。
小動物みたいな俺の音芽は、まさしく脱兎さながらのスピードで諸先生方に「お先に失礼します」と口早に言って、職員室を出て行ってしまった。
顔をうつむけたまま、今にも駆け出さんばかりのスピードでセカセカと歩き去る音芽の後ろ姿を呆然と見送りながら、俺は小さく吐息を落とす。
――バカ音芽! いちいち行動が可愛すぎんだろ!
本当は俺も今すぐにでも走って行って、そんな音芽を追いかけたいところだが、さすがにそれは不自然極まりない。
俺は焦る気持ちをグッと抑えつけて机の整理をするふりをしながら、心の中でゆっくり30秒を数える。
心の中で数える速度と、職員室の壁掛け時計の秒針が刻む速度のギャップに我ながら苦笑しそうになる。
人生でこれほど長い30秒はなかったんじゃねぇかと思うくらい時間が経たなくて。
――早く行ってやらねぇと音芽が待ちぼうけになるだろ!
とか誰にともなく悪態をつきつつ。
「……お先に失礼します」
やっと時計の秒針が、数え始めて30秒を過ぎたことを確認した俺は、おもむろに荷物を手に職員室を後にした。
はやる気持ちを抑えながらいつも通りのペースを保ちながら歩くのはことのほかしんどくて。
マジで勘弁して欲しい。
外に出て、人目がほとんどなくなる場所に差し掛かったのを見計らって早歩きに切り替えたけれど、案の定俺の車のそばでオロオロと待ちぼうけをしている音芽が見えた時には自然と溜め息がこぼれた。
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