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いわゆるデートとか言うやつ
そんなに俺が来るの、楽しみだった?
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「あとで、な? ――あ、そうだ、鍵」
俺が泊まることにまだ落ち着かずにいる音芽を見ていると、男として意識されているという事実が嬉しくて堪らなくなる。
俺は充足感に口角を引き上げると、ふと思い出して音芽に部屋の鍵を要求した。
こんな可愛いのが中にいんのに玄関の鍵を開けっ放しにさせとくとか、危険すぎる。
そう思って〝鍵を寄越せ〟と手を出した俺に、音芽がきょとんとする。
この無防備バカ娘め!
「鍵、開けたままで部屋にいるつもりか? 貸しといてくれたらお前がなんかしてて手が離せなくても、勝手に開けて入れるし、お前も楽だろ?」
そこまで説明しなきゃ分からねぇとか……ホント世話が焼けるにも程があんだろ!
そう思って手を差し出す俺に、何を思っているのやら。
音芽がそわそわしてなかなか鍵を渡してこない。
どうせ「トイレとか入ってる時に俺が来たらどうしよう」とかろくでもねぇこと思ってんだろうな、こいつ。
俺だってそこまでデリカシーないわけじゃねぇわ。
わざわざ便所の前で聞き耳立てたりしねぇから安心しろ。
(まぁ、正直見てみたくないって言ったら嘘になるけどな)
俺にとって音芽は、何をしていたって最高にいい女だ。
恥ずかしいことをしてるところも「全部俺に見せてみろよ?」とか言って、虐めてやりたい気持ちは常にある。
まぁ、とりあえず今は〝その時〟じゃねぇから安心して鍵を渡せ。
そんなことを思いつつ、俺は少しだけ声を低めて催促するんだ。
「音芽、聞こえなかった?」
ってな。
俺が引き下がるつもりはないことが分かって観念したのか、音芽が鞄の中からそろそろとペンギンマスコット付きの鍵を取り出して、俺の手のひらに載っけてくる。
渡された鍵を掲げて「飾り、デカすぎ」って笑ったら、音芽が少し拗ねたように唇を尖らせんの。
ホントこいつ、可愛すぎだろ!
***
部屋で泊まりの準備をしていたら、微かに壁の向こうから音芽の話し声が聞こえてきて。
(電話か?)
そう思った俺は、ついつい相手は誰だろう?と聞き耳を立ててしまう。
内容はよく聞き取れないが、断片的に〝佳乃花〟という名前が聞こえてきて、ああ、音芽の親友の朝日さんか、とホッとして。
彼女と話してるんならまぁ問題ないだろう。
***
支度を整えて音芽の部屋の前に立ったら、チャイムを鳴らすより先に音芽がドアを開けて。
予想外のことに、俺は物凄く驚かされた。
しかしそれと同時。
何だか子犬がご主人様の帰りが待ち切れなくて玄関先まで出迎えてくれているみたいじゃねぇか、と思って。
そんな音芽のことがめちゃくちゃ意地らしく思えて嬉しくなる。
「そんなに俺が来るの、楽しみだった?」
チャイムに伸ばした手をそのままに、ニヤリと微笑って問いかけたら、音芽が真っ赤になって。「ち、違っ……」って慌てたようにうつむくの、すっげぇくるんだけど。
俺が泊まることにまだ落ち着かずにいる音芽を見ていると、男として意識されているという事実が嬉しくて堪らなくなる。
俺は充足感に口角を引き上げると、ふと思い出して音芽に部屋の鍵を要求した。
こんな可愛いのが中にいんのに玄関の鍵を開けっ放しにさせとくとか、危険すぎる。
そう思って〝鍵を寄越せ〟と手を出した俺に、音芽がきょとんとする。
この無防備バカ娘め!
「鍵、開けたままで部屋にいるつもりか? 貸しといてくれたらお前がなんかしてて手が離せなくても、勝手に開けて入れるし、お前も楽だろ?」
そこまで説明しなきゃ分からねぇとか……ホント世話が焼けるにも程があんだろ!
そう思って手を差し出す俺に、何を思っているのやら。
音芽がそわそわしてなかなか鍵を渡してこない。
どうせ「トイレとか入ってる時に俺が来たらどうしよう」とかろくでもねぇこと思ってんだろうな、こいつ。
俺だってそこまでデリカシーないわけじゃねぇわ。
わざわざ便所の前で聞き耳立てたりしねぇから安心しろ。
(まぁ、正直見てみたくないって言ったら嘘になるけどな)
俺にとって音芽は、何をしていたって最高にいい女だ。
恥ずかしいことをしてるところも「全部俺に見せてみろよ?」とか言って、虐めてやりたい気持ちは常にある。
まぁ、とりあえず今は〝その時〟じゃねぇから安心して鍵を渡せ。
そんなことを思いつつ、俺は少しだけ声を低めて催促するんだ。
「音芽、聞こえなかった?」
ってな。
俺が引き下がるつもりはないことが分かって観念したのか、音芽が鞄の中からそろそろとペンギンマスコット付きの鍵を取り出して、俺の手のひらに載っけてくる。
渡された鍵を掲げて「飾り、デカすぎ」って笑ったら、音芽が少し拗ねたように唇を尖らせんの。
ホントこいつ、可愛すぎだろ!
***
部屋で泊まりの準備をしていたら、微かに壁の向こうから音芽の話し声が聞こえてきて。
(電話か?)
そう思った俺は、ついつい相手は誰だろう?と聞き耳を立ててしまう。
内容はよく聞き取れないが、断片的に〝佳乃花〟という名前が聞こえてきて、ああ、音芽の親友の朝日さんか、とホッとして。
彼女と話してるんならまぁ問題ないだろう。
***
支度を整えて音芽の部屋の前に立ったら、チャイムを鳴らすより先に音芽がドアを開けて。
予想外のことに、俺は物凄く驚かされた。
しかしそれと同時。
何だか子犬がご主人様の帰りが待ち切れなくて玄関先まで出迎えてくれているみたいじゃねぇか、と思って。
そんな音芽のことがめちゃくちゃ意地らしく思えて嬉しくなる。
「そんなに俺が来るの、楽しみだった?」
チャイムに伸ばした手をそのままに、ニヤリと微笑って問いかけたら、音芽が真っ赤になって。「ち、違っ……」って慌てたようにうつむくの、すっげぇくるんだけど。
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