166 / 198
いわゆるデートとか言うやつ
朝日さんのほかは誰だよ
しおりを挟む
「ごめんなさい。温和と付き合う前から佳乃花たちと飲みたいねって話してて……それで」
音芽のセリフに思わず「たち?」と反応したら、まるでその質問は想定外だったみたいに驚いた顔をして、音芽が俺の方を見た。
「〝たち〟って……朝日さんのほかは誰だよ」
溜め息混じり。畳み掛けるように付け加えたら、明らかに音芽が動揺して。
「……い、一路」
うつむいてそう返してくるから、「一路って……三岳一路か?」と、自然声が低くなってしまう。
だってそうだろ?
三岳一路は女じゃねぇ。
同性の朝日さんと……ってだけならまだしも、三岳も一緒だって聞いて、穏やかでいろっちゅー方が無理あんだろ!
俺のその言葉に、音芽が明らかに『他に一路なんて変わった名前の知り合いはいないよ? その一路だよ?』と言いたそうな顔をするのが、俺には余計腹立たしく感じられてしまった。
悪いな、音芽。
例え口には出していなくても、お前の考えることなんざ、俺には丸っとお見通しなんだよ!
明らかに不機嫌さマックスの俺に、音芽がすごく言い辛そうに「うん……」と頷いて、俺の反応をチラチラと気にしてくるから。
俺は、そんな音芽を思いっきり睨み付けてやった。
仕方ねぇだろ?
いくら顔色を窺われても嫌なモンは嫌なんだよ。
「温和……」
そこで音芽が、所在なく握らせたままだった俺の手をそっと引っ張っるから、俺は少しだけ譲歩して「どこで……」と問いかける。
雰囲気に飲まれて俺の言葉の意味が分からなかったんだろうか?
フリーズしたように言葉に詰まっちまった音芽に、俺は再度、「どこで飲むのか?って聞いてるんだけど」と言い募ったんだけど。
怒りでついつい声に剣がこもってしまう。
「ま、まだ……決めてない……」
そんな俺に、音芽がソワソワしながら小声でそう返すから。
俺は思わず舌打ちをした。
「お前は……俺が同級生と飲むって言って……メンバーに女が混ざってても気にしないんだな?」
音芽が握った手を逆に掴み返して間近でそう聞いてやる。
途端音芽がソワソワと視線を彷徨わせてから、ハッと何かに気付いたように大きな目で俺を見上げてくるんだ。
「あっ、あのねっ温和っ。けど……一路は佳乃花一筋だから……だから私のことなんて眼中にないと思うし……。――私も……っ」
そこで俺の様子を窺うように一旦言葉を区切ると、「それに私も! 温和以外には……。その……絶対にときめかないって断言できる、から……だから……大丈夫だよ?」とか言い切りやがんの。
俺は不覚にもそんな音芽の詭弁にグッと心を鷲掴みにされて。そのことがにわかに恥ずかしくなって、心の中でチッ!と舌打ちをする。
この無自覚小悪魔め!
「今の言葉、嘘じゃねぇな?」
それを誤魔化すように声を低めて問うたら、音芽が胸を張って「当たり前だよ!」と答える。
それだけならまだしも、「温和は……違うの?」ってとどめのように聞いてきやがんの、本当なんなの?
俺は音芽の不意打ちに一瞬だけ大きく瞳を見開いてから、「……そんなん言わなくても分かれよ、バカ音芽」と吐き捨てるしか出来なかった。
音芽のセリフに思わず「たち?」と反応したら、まるでその質問は想定外だったみたいに驚いた顔をして、音芽が俺の方を見た。
「〝たち〟って……朝日さんのほかは誰だよ」
溜め息混じり。畳み掛けるように付け加えたら、明らかに音芽が動揺して。
「……い、一路」
うつむいてそう返してくるから、「一路って……三岳一路か?」と、自然声が低くなってしまう。
だってそうだろ?
三岳一路は女じゃねぇ。
同性の朝日さんと……ってだけならまだしも、三岳も一緒だって聞いて、穏やかでいろっちゅー方が無理あんだろ!
俺のその言葉に、音芽が明らかに『他に一路なんて変わった名前の知り合いはいないよ? その一路だよ?』と言いたそうな顔をするのが、俺には余計腹立たしく感じられてしまった。
悪いな、音芽。
例え口には出していなくても、お前の考えることなんざ、俺には丸っとお見通しなんだよ!
明らかに不機嫌さマックスの俺に、音芽がすごく言い辛そうに「うん……」と頷いて、俺の反応をチラチラと気にしてくるから。
俺は、そんな音芽を思いっきり睨み付けてやった。
仕方ねぇだろ?
いくら顔色を窺われても嫌なモンは嫌なんだよ。
「温和……」
そこで音芽が、所在なく握らせたままだった俺の手をそっと引っ張っるから、俺は少しだけ譲歩して「どこで……」と問いかける。
雰囲気に飲まれて俺の言葉の意味が分からなかったんだろうか?
フリーズしたように言葉に詰まっちまった音芽に、俺は再度、「どこで飲むのか?って聞いてるんだけど」と言い募ったんだけど。
怒りでついつい声に剣がこもってしまう。
「ま、まだ……決めてない……」
そんな俺に、音芽がソワソワしながら小声でそう返すから。
俺は思わず舌打ちをした。
「お前は……俺が同級生と飲むって言って……メンバーに女が混ざってても気にしないんだな?」
音芽が握った手を逆に掴み返して間近でそう聞いてやる。
途端音芽がソワソワと視線を彷徨わせてから、ハッと何かに気付いたように大きな目で俺を見上げてくるんだ。
「あっ、あのねっ温和っ。けど……一路は佳乃花一筋だから……だから私のことなんて眼中にないと思うし……。――私も……っ」
そこで俺の様子を窺うように一旦言葉を区切ると、「それに私も! 温和以外には……。その……絶対にときめかないって断言できる、から……だから……大丈夫だよ?」とか言い切りやがんの。
俺は不覚にもそんな音芽の詭弁にグッと心を鷲掴みにされて。そのことがにわかに恥ずかしくなって、心の中でチッ!と舌打ちをする。
この無自覚小悪魔め!
「今の言葉、嘘じゃねぇな?」
それを誤魔化すように声を低めて問うたら、音芽が胸を張って「当たり前だよ!」と答える。
それだけならまだしも、「温和は……違うの?」ってとどめのように聞いてきやがんの、本当なんなの?
俺は音芽の不意打ちに一瞬だけ大きく瞳を見開いてから、「……そんなん言わなくても分かれよ、バカ音芽」と吐き捨てるしか出来なかった。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる