【R18】温和はオトメをもっと上手に愛したい

鷹槻れん

文字の大きさ
171 / 198
いわゆるデートとか言うやつ

そういう意味じゃなくてっ

しおりを挟む
 そんなこんなで翌朝――。

 せっかく早めに眠ったのに、俺は音芽おとめの無自覚な色気に当てられて、思いっきり寝不足。

 ゴリゴリと体力を削られて、かなり憔悴しょうすいしてしまっていた。

 全然疲れが取れてないとか……マジで社会人失格だ。



「ね、温和はるまさ。やっぱりベッドが狭くて……眠れなかったんでしょ?」

 なのにバカ音芽のやつが俺の気も知らないで頓珍漢なことを言って、一人で納得したようにうなずくんだからたまらない。

 本当、俺が告げた「余裕あるな」と言う言葉の意味も、丸っと物理的にゆとりがあると思い込んでいるんだから腹が立つ。

 俺が言いたかったのは心の問題の方なんだよ!
 少しはちったぁー察しろよ、この鈍感娘が!

 俺の心中をおもんばかる気なんて微塵もないこの天然無自覚娘は、ふと思い立ったようにパン!と両手のひらを軽く打ち合わせて俺に追い打ちを掛けてきた。

「次にうちに来るときは枕持参していいからね?」

 俺の頬にそっと触れながらそう言ってくる音芽を軽く睨んで、「鈍感って結構殺傷力高いんだな」ってしみじみつぶやいたのも致し方ないよな?

 真意はイマイチ伝わらなかったみたいだが、悪口だと言うのは通じたらしい。

 プッと頬を膨らませた音芽が、だが次の瞬間何かに思い至ったようにハッとしたのが分かった。

 やっと分かってくれましたかね、音芽さん。

 そう思ったのも束の間――。

「わ、私っ、寝相、悪かったのね!?」

 キャーッと顔を覆ってイヤイヤする音芽おとめに、俺は(は? 何言ってんだこいつ)と思わずにはいられない。

 違うわ、バカ!
 何でそうなる!

 そう突っ込みたくなったのと同時、(いや、これが音芽だったよな)と思い至って……引きつった笑い声が漏れた。

 なのに音芽は俺のその笑いを否定ではなく、肯定だと受け止めたらしい。

「ごっ、ごめんなさいっ。あのっ。次からあれ……一緒に寝る時は暴れないように手足縛ってくれていいから……」

 って、バカなのか⁉︎

 んなことしたら俺、お前のこと犯し放題になっちまうだろーが!

 もっと自分を大切にしてくれ、と思ったら、愚かなことを言う愛しい女に、俺は半ば無意識。
 ペチン!と軽いデコピンをしてしまっていた。

「痛いっ」

「バカ音芽おとめ。そんなんしたら俺の歯止めが利かなくなるだろーが」

 真正面からじっと見据えて怒ったら、うるるっとした大きな瞳と視線がかち合って、(やべぇ、可愛過ぎんだろ!)と思ってやたらと照れてしまう。

 それと同時、こんな可愛い音芽を縛って自由に出来たなら、そりゃあもう天国だろうよ、とかいう悪い考えまで浮かんでしまう自分が恥ずかしくなった。

 俺の態度にやっと……。自分が言ったセリフの危うさに気がついたんだろう。

 音芽がにわかに頬を赤く染めて――。

「ち、違っ。そういう意味じゃなくてっ」

 しどろもどろになりながらも必死に取り繕う音芽に、俺は「お前がそんなだから俺、寝不足になるんだよ」と、本音を漏らさずにはいられない。

 ここまできたらついでだ、とばかりに「いくら襲わないって言われたからって、俺にしがみついて安心し切って寝るやつがあるかよ」と付け加えるように吐き捨てたら、音芽がキョトンとして俺を見返してくるんだ。

 バカ。こんなん告白するとか……中坊のガキみたいで照れくさいだろ。――見んな!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

処理中です...