霊和怪異譚 野花と野薔薇

野花マリオ

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野花怪異談集全100話

06話「死名ケン!(オリジナル)」

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 「1」

 昔、恐ろしい犬がいたの。
 なんでもその犬は人の名前を呼んで命令を繰り返す充実な殺人犬だったわ。
 その犬を扱う飼い主はそれをたくみに操り自由勝手に暴れ回っていたわ。
 そんなときに彼の前にお坊さんが現れたの。
 そのお坊さんは彼に行動をさとしたの。
 するとその飼い主はこう叫んだわ。
「なにおー?たしかナカムラだったな。ナカムラー。俺の前にすぐ土下座して謝罪しろ!!逆らえばこいつで咬み殺すからな」
 するとお坊さんはにこりと笑ってすぐ土下座して謝罪した。
 その時、犬が飼い主を喉に噛み付いてそのままぽっくりとあの世へ行ってしまったわ。
 お坊さんの彼はその犬を引き取り人の世のためにその犬を扱うことにしたわ。

「私の怪異談はおしまいね」
 と、真っ暗な夜道に私の怪異談を聞いてみんなは肩を震え上がる。
「へー。かーちゃんとしてやるじゃんか。思わずちびりそうになったし」
「その、かーちゃんとかまるでお母さんみたいね」
 私たちは何気ない会話にも談笑する。
「おい。着いたぞ。あれだな噂の洋館」
 草つよしが指す方向には古びた洋館である。
 敷地内は結構広くて野球ドームの広さと同等である。
 そこで私たちは夜な夜な怪しげな実験を繰り返す洋館に調査するのだ。
 一応洋館の主人には許可済みであるがこれはきちんと調査と言えるのか疑問である。
 そして保護責任者である梅田草虫男は後で来るらしいが、不安のタネしかないわね。
「じゃあ入ろう……」
    私たちは洋館に入った。

「2」

「ようこそ!お待ちしておりました。私は館の主、羽根川修二と申します」
「八木家の次期当主の娘八木楓です。今回お忙しい中わざわざ時間を作ってありがとうございます」
「いえいえ!八木家の方々にお手数をかけるなんて持ってのほかですから」
    今回は八木家の名前を利用して無理矢理時間を作ってもらった。
「では、早速洋館内を案内させてもらってもいいですか?」
「はい。ではみなさま方離れないように」
    私たちは早速洋館内を探索した。

「3」

    私たちはいろいろ見てまわったが特に変わったモノがなかった。しかし目についたのは、館内には犬らしきが多く出回っていた。
「羽根川さん。先程から飼い犬が多いようですが、これは?」
「ああ。彼ら番犬なのですよ。怪しい侵入者を見つけるとそれらを察知して撃退しますよ。何度か泥棒とか狙われてますからね」
    その時、草つよしがビクビクしてるのはキノセイだった。
「へー。心強いですね」
「はい。しかしながら一度だけ泥棒に呆気なく侵入して盗られたことあるんですよ」
「……その話詳しく聞かせてもよろしいですか?」
「そうですね。話をする前にアレをお見せしましょう」
     と、羽根川さんは私たちをある場所へ連れてもらった。

「4」

ーー「監視モニタールーム」ーー

「これです」
     羽根川さんは手慣れた手つきで機械を操作していく。
     と、どうやら深夜の時間帯の監視カメラの映像だった。
     と、そこの映像に怪しげな人影がいる。
     いや、まんまの黒い人影だった。
番犬達はその怪しい人影には視えないのかムシしてるようだった。
    そして怪しい人影は何やら高そうな皿を奪って逃走した。
    番犬が何故侵入した泥棒を撃退しなかったのか不思議だったが、この後、警察に被害届けだしたが犯人は見つかったが捕まらなかった。
    なぜなら、犯人はすでに死んでいたから。
    そして後日わかったことだが、あの皿は犯人の前の私物だった。
    生前から大事にしていたらしく、遺族が遺品整理したとき、あの皿も競売にかけられてこの洋館に置かれたらしい。
    幽霊犯罪は礼察に対応するが、羽根川さんは何か感じとったのか、被害届けは出さずに今現在の皿は犯人の自宅で保管されてるらしいことだった。
    そしてこの後、いろいろめぼしいモノがなかった私たちはそのまま帰宅するようになった。
     虫男は結局トイレにこもってたらしいこと。

「5」

「俺、カイダンセイバーズ辞めるわ」
    私たちは洋館の帰り道、草つよしの発言で空気が読めない形だったがそれをなんなく感じとった私たちだった。
現実では、そう、かっこよくヒーローみたいな活動にはならないことを私たちは自覚したのだった。
    草つよしと同じほとんどのメンバーも手を挙げて、4名ほどがカイダンセイバーズを抜けて辞めていった。
    私たち現メンバーは彼らを引き止める術はなかったから。

 「6」

 私たちはあれから1年経過して六年生になった。
 あと1年経てば卒業式を迎える。
 そう、カイダンセイバーズの解散を迎えるのだ。
 私たちの活動人数は相変わらず4人であり、何も活動らしきことはやってなかった。
 現メンバーもやる気を見せなかったし、しばらく放置していたからね。
 だから私もそろそろ……と。
 なんて思ってるうちに彼女がやってきたから。
 運命的な彼女との出会い。
 私と彼女はどこか似ていてまるで双子姉妹のようで初めて出会うにしては懐かしい存在。
「よろしくね♪楓さん」
 これが私の人生分岐点がもう一つそこだったから。

 死名ケン!  完
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