詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku

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第10章:それぞれの道と新たなる旅立ち

第92話:それぞれの道へ

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魔王城での死闘と、それに続く世界中を巻き込んだ熱狂的な祝賀の日々から、一月ほどの時が流れた。

季節は生命力に満ち溢れた初夏から、すべてが深く濃く成熟していく盛夏へと、その歩みをゆっくりと、しかし確実に進めていた。

あれほど俺たちを『英雄』と讃え、熱狂の渦で包み込んだ聖王国の王都も、今ではすっかり日常の落ち着きを取り戻していた。
もちろん、街の空気は以前のあの狂信的でどこか息苦しいものとは全く違う。
そこかしこに解放と平和の喜びが穏やかな残り香のように漂い、人々の表情は一様に明るく、そして穏やかだった。

俺たちは、王城での至れり尽くせりだがどこか窮屈な賓客待遇を丁重に辞退し、今は王都の少し外れにある、湖のほとりに佇む一軒の大きな宿屋を丸ごと借り切って拠点としていた。

王城が、完璧に磨き上げられた冷たい輝きを放つ『水晶の宮殿』なら、この宿屋は、長年使い込まれた温もりある『木の家』のようだった。

太く黒々とした梁が高い天井を支え、磨き込まれた木の床は歩くたびに、ぎし、ぎしと心地よい音を立てて軋む。
部屋の大きな窓からは、きらきらと夏の光を反射する湖の水面が、絵画のように一望できた。

祝宴の、あの耳をつんざくような喧騒が嘘のように静まり返った夜。

その日、俺は宿屋の一番大きな談話室の、窓辺に置かれた古びたロッキングチェアに身を預け、ただぼんやりと夜の湖を眺めていた。

空はまるで上質なベルベットの布地のように、どこまでも深く滑らかな紺色をしていた。
その紺色のキャンバスに、神が気まぐれにダイヤモンドの粉をばらまいたかのように、無数の星々が凍てつくほど鋭い光を放って瞬いている。

湖の上には満月に近い青白い月が浮かんでいた。
その静かな光が湖面に一本の銀色の道を作り出し、光の道の上を涼しい夜風がさざ波となって渡っていく。

開け放たれた窓から吹き込んでくるその風は、もう昼間のじっとりとした熱気をはらんではいない。
ひやりとした心地よい冷たさを含み、風に乗って運ばれてくるのは、湖の水の匂い、岸辺に茂る葦の青々しい匂い、そしてどこからか聞こえてくる夜の虫たちの、りんりん、という涼やかな音色だった。

平和だ。

俺は心の底からそう思った。
前世で俺が死ぬほど渇望した、穏やかで何もない、平和な夜。

談話室の中央では、パチパチと暖炉のオレンジ色の炎が静かに揺らめいていた。
その炎の光が、部屋の中に温かい影のダンスを描き出している。

仲間たちは皆、この談話室に集まっていた。
誰も、何も喋らない。
ただ、それぞれがそれぞれの場所で、この静かな夜の時間を過ごしていた。

サラは暖炉の前の熊の毛皮の絨毯の上で、愛剣『紅蓮』の手入れをしていた。
炎の光を反射してきらりと光るその真剣な横顔は、いつもの喧騒が嘘のように美しく、そして静かだった。

ハガンとドルセンは部屋の隅の大きなソファで、二人して口をあんぐりと開け、実に気持ちよさそうに寝息を立てている。
そのいびきはまるで二匹の熊のようで、この静寂の中ではやけに大きく響いていた。

アリシアとセリア、そしてエリスは窓辺のテーブルで静かにハーブティーを飲んでいた。
三人の聖女たちが集う光景は、俺の目には、それだけで一枚の宗教画のように神々しく、清らかに映った。

バルガスはカウンターの隅で一人静かに、琥珀色の蒸留酒をグラスの中で揺らしている。
いつもは下品な冗談ばかり言っているその口は固く結ばれ、その目は何か遠い過去を見つめているようだった。

フィオナとミリアは、俺のロッキングチェアのすぐ足元で小さな肩を寄せ合い、俺の相棒クロの柔らかい黒い毛を撫でながら、こくりこくりと小さな寝息を立てていた。

そして、ソフィアは。

彼女は部屋の一番暗い隅にある一人掛けの革張りのソファに女王のように深く腰かけ、その美しい顔を書物の影に隠していた。
時折、炎の光を映して妖しくきらりと光るのは、その紫色の瞳だけだった。

誰もがリラックスしている。
誰もがこの平和を噛み締めている。

だが同時に、誰もが心のどこかで感じていた。

この温かく、かけがえのない時間が永遠には続かないということを。
この静寂が、『終わり』の前触れなのだということを。

その、誰もが口に出せずにいたが、誰もが薄々気づいていた残酷な真実。
その静寂の薄い氷の膜を最初に破ったのは、やはりこのパーティで最も冷徹で、そして最も現実的な思考を持つ黒髪の皇女だった。

「さて」

ソフィアは、ぱたんと読んでいた本を閉じた。
その乾いた音が、静寂の中ではやけに大きく響き渡った。

彼女はその紫色の瞳をゆっくりと持ち上げ、部屋にいる俺たち一人一人の顔を値踏みするように見回した。
そして、いつも通りの冷たい、しかしどこか有無を言わせない響きを持った声で言ったのだ。

「この馬鹿騒ぎもそろそろ終わり。いつまでも英雄ごっこに興じているわけにもいかないでしょう」

その一言は、まるで冷たい氷の刃のように、この談話室の温かい空気を切り裂いた。
寝ていたはずのハガンとドルセンですら、ただならぬ気配にむくりと体を起こした。

誰もがソフィアの真意を問いただすこともできず、ただ黙って彼女の次の言葉を待っていた。

ソフィアは、ふう、と小さくため息をつくと続けた。

「魔王は消えた。世界は平和になった。めでたし、めでたし。おとぎ話ならここで終わり。でも、現実は違うわ。本当の戦いはここから始まるのよ」

彼女の紫色の瞳が、窓の外の闇のさらにその向こうを見据える。

「あのマッドサイエンティストが残した負の遺産。各地に未だに潜んでいるであろう魔族の残党。そして何よりも、この平和ボケした人間たちの愚かな欲望。問題は山積みだわ」

そのソフィアの冷徹な言葉に、静かに頷いたのはアリシアだった。
彼女はハーブティーのカップをそっとテーブルの上に置くと、凛とした声で言った。

「ええ。ソフィアさんの言う通りですわ。私の国も父亡き後、私が女王としてしっかりと国を治めていかねばなりません。腐敗貴族たちがいなくなった後の新しい国作り。それはきっと、魔王と戦うよりもずっと困難な道のりになるでしょう」

「帝国も、法国も、そして皆さんの故郷も、やるべきことは山積みですわ」

二人の王族の、あまりにも現実的で、そしてあまりにも重い言葉。
その言葉を皮切りに。
それまで黙っていた仲間たちが、一人、また一人と、それぞれの未来について語り始めたのだ。

最初に口を開いたのはセリアだった。
彼女は懐から一枚の羊皮紙の手紙を取り出した。
それは法国の本物の法王から送られてきた親書だった。

「法国も、まだ混乱の中にあります。偽りの教えによって人々の心は深く傷つき、何を信じればいいのか分からなくなってしまっている、と。法王様は、私とエリスに戻ってきてほしい、と」

セリアの隣で、エリスもまた静かに、しかし力強く頷いた。

「父の遺志を継ぎ、そしてあの悲劇を二度と繰り返さないためにも。私たちは帰らなければなりません。そして人々の傷ついた心を癒し、本当の神の教えを広めるのです。それこそが、私たちの使命ですから」

二人の清廉なヒーラーの顔には、もはや迷いはなかった。
そこにあるのは自分たちの果たすべき役割への、強い覚悟だけだった。

「けっ。使命、ねえ。俺にはそんな高尚なもんは似合わねえな」

次に口を開いたのはバルガスだった。
彼はグラスに残っていた琥珀色の酒をくいと一気に飲み干すと、ふう、と大きなため息をついた。

「俺はまあ、風来坊だからな。また気ままな一人旅に戻るとするさ。世界中の美酒と美女を巡る、新たな冒険の始まりってやつだ」

彼はそう言ってにやりといつもの下品な笑みを浮かべてみせた。
だが、その目の奥の奥にほんの一瞬だけ、この騒がしくてどうしようもない仲間たちとの旅の日々を惜しむかのような、寂しさの色が浮かんだのを俺は見逃さなかった。

「あたしたちも同じよ!」

その少しだけ湿っぽくなった空気を吹き飛ばすように、サラがばん!とテーブルを叩き、快活な声で言った。

「やっぱり、あたしたちはこうじゃなくっちゃね!一つの場所にじっとしているなんて柄じゃないわ!そうでしょう、あんたたち!」

彼女はハガンとドルセンの顔を見回した。

「うおおおおおおおおおっ!その通りだ、サラ!俺はまだ見ぬ新たな食材を求めて、この広大な世界を旅しなければならんのだ!世界の全ての美味いものを食い尽くす!それこそが神が俺に与えたもうた至上の試練なのだからな!」

ハガンがその岩のようなこぶしを天に突き上げる。

「ふぉっふぉっふぉ。ワシも同じじゃ。この旅でワシは、失われた古代魔法のその巨大な謎の、ほんの入り口に立ったに過ぎん。この謎を解き明かすまでは死んでも死にきれんわい」

ドルセンもまたその老いた顔に、学究の徒としての新たな情熱の炎を燃やしていた。
三人の冒険者は、それぞれの新たな冒険の始まりに胸を躍らせているようだった。

最後に、フィオナとミリアが小さな声で、しかしはっきりとその決意を口にした。

「わ、私も、リベルタスに帰る」

フィオナが俯きながら言った。

「あそこのスラムには、私と同じように力を持て余して苦しんでいる子供たちがまだたくさんいるから。私、その子たちに教えてあげたいんだ。魔法は呪いなんかじゃなくて、もっと楽しくて素敵なものなんだって」

その小さな顔には、かつての絶望の色はもうなかった。
そこにあるのは誰かを救いたいという、優しく、そして強い光だった。

「わたくしも故郷へ戻ります」

ミリアもまた続けた。

「滅ぼされてしまった里を、もう一度この手で再建するのです。そして世界中に散り散りになってしまった生き残りの同胞たちを探すのです。もう、わたくしは一人ではありませんから」

その幼い姫君の額にある第三の目には、未来を見通す強い意志の光が宿っていた。

一人、また一人と語られていく、それぞれの未来。
それぞれの、進むべき道。

俺はただ黙って、そのすべての言葉を聞いていた。

頭の中では理解していた。
そうだ、当たり前のことじゃないか。
こいつらにはそれぞれ帰る場所があり、守るべきものがあり、そして成し遂げたい夢がある。
いつまでも俺と一緒に旅を続けていられるわけがないんだ。

分かっている。
分かっている、はずなのに。

俺の胸の真ん中に、ぽっかりと大きな冷たい穴が開いていくのが分かった。
まるで冷たい冬の風が、その穴から容赦なく吹き込んでくるかのようだった。

「え?」

俺の口から、自分でも意-しない間の抜けた声が漏れた。

「……みんな、行っちまうのか?」

その声はあまりにもか細く、そして情けなく震えていた。

「これからも、ずっと一緒に旅を続けられるんじゃないのか?」

俺は俯いた。
仲間たちの顔を見ることができなかった。

前世でのあの孤独な日々がフラッシュバックする。
冷たい病室。
消毒液の匂い。
窓の外から聞こえてくる楽しそうな笑い声。
そして、ただ一人ベッドの上でゆっくりと死んでいくだけの自分。

もう、あんな思いはしたくない。
やっと手に入れたんだ。
この温かい居場所を。
このかけがえのない仲間たちを。

それを、また失ってしまうのか。
また、一人になってしまうのか。

その子供のような純粋な恐怖と寂しさが、嵐のように俺の心を支配していた。

「ずっとこのまま、みんなで馬鹿なことしながら旅を続けていけるんだって、勝手に思ってたんだ」

その俺の、あまりにも弱々しい本音。
しん、と静まり返った談話室。
暖炉の炎がぱち、と悲しい音を立てて爆ぜた。

そんな俺の情けない頭の上に、ぽん、と温かい何かが置かれた。

顔を上げると、そこにはサラが立っていた。
いつもは不敵な笑みを浮かべているその顔が、今はどこまでも優しく、そして少しだけ困ったように笑っていた。

彼女は俺の髪を、くしゃくしゃ、と少しだけ乱暴に撫で回した。

「当たり前だろ、馬鹿」

その声は力強く、そして温かかった。

「あたしたちは冒険者なんだからな!一つの場所に留まってるなんて性に合わねえんだよ!」

「でもな、ガク」

彼女は俺の肩を両手でがっしりと掴んだ。

「パーティは解散しても、仲間じゃなくなるわけじゃない。そうだろ?」

その、まっすぐな瞳。
その言葉に続くように。
仲間たちが次々と俺に声をかけてくれた。

「うむ!その通りだ!腹が減ったら、いつでも俺を頼るがいい!俺の故郷の猪の丸焼きは世界一だぞ!」

ハガンがその岩のような胸をどん!と叩いて笑った。

「ふぉっふぉっふぉ。ワシの村にもいつでも遊びに来い。とっておきの秘蔵の酒を振る舞ってやろうぞ」

ドルセンがその豊かな白髭を揺らして言った。

「わたくしたちの国も、いつでもあなたを心から歓迎いたしますわ、ガクさん。あなたは、この国の永遠の恩人なのですから」

アリシアが聖母のような微笑みを浮かべた。

「まあ、退屈したら連絡くらいはしてあげてもよくてよ。わたくしの世界征服の邪魔にならない範囲で、ね」

ソフィアがふい、と顔を背けながら、そのツンデレなりの優しさを見せた。

「おう、坊主。男は別れ際にごちゃごちゃ言うもんじゃねえ。またどこかの酒場で会うだろうさ。そん時は一杯奢ってやるよ」

バルガスがその渋い声で言った。

一人一人の言葉が。
その温かい想いが。
俺の胸に開いた冷たい穴を、ゆっくりと、ゆっくりと塞いでいくのが分かった。

寂しさが消えたわけじゃない。
だが、その寂しさの上から、もっと温かくて、もっと力強い何かが俺の心を満たしてくれた。

(ああ、そうか)

俺は顔を上げた。
そして、仲間たち一人一人の顔を、目に焼き付けるように見渡した。

(俺は、何も失うんじゃないんだ)

俺たちの道が分かれるだけ。
そして、その道はいつかまた、必ずどこかで交差する。

俺は、ようやくその当たり前の事実に気づくことができた。
俺は寂しさをぐっと堪え、そして最後に、最高の笑顔で頷いた。

「ああ、そうだな。分かった」

「みんなの進む道を、俺は応援する」

その俺の言葉に、仲間たちは皆、満足そうに頷き返してくれた。

暖炉の炎が、ぱち、と最後の音を立てて静かにその光を小さくしていった。
その揺らめく最後の光が、仲間たちのそれぞれの横顔を照らし出す。

そこには、もう言葉は必要なかった。

これまでの旅路への感謝。
これからの未来への決意。
そして、仲間への揺るぎない信頼。

そのすべての想いが、この静かな談話室に満ちていた。
それは、このどうしようもなく最高にかけがえのないパーティの、本当に、本当に最後の夜だった。
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