剣術科の私と魔術科の冴えない僕

ノン・タロー

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幼馴染の二人

剣術科のレオナ・ラルクス

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 夏の夕日が差し込む校舎を半袖にジャケットのような剣術科の制服に身を包み、シルバーグレーのポニーテールを揺らしながら小走りに走っている一人の人間の少女の姿があった。

 その少女こと、私「レオナ・ラルクス」は魔術科にいる幼馴染の男子「ハルト・アーヴァル」のいる魔術科のある校舎へと向かっていた。

 ここはヴァルミールと言う街にある「私立グレイス学園」。

 この学園は冒険者を育成するという名目で冒険者ギルドの出資によって設立された学校で剣術科、魔術科、錬金術科、ハンター科、テイマー科などがあり、人間を始め獣人、エルフ、ドワーフなど様々な種族が在籍している。

 軽く自己紹介をさせて頂くと、私ことレオナはグレイス学園高等部剣術科の二年で剣術科のエースなんて言われるが、成績は良くて中の下。

 胸もAカップで低身長から中等部によく間違われるのが悩みな17歳。

 そんな私はハルトのいる教室へと向かう途中、何度か教員から「廊下を走るな!」と注意されつつも目的の場所へと到着し、少し乱れた息を整えると教室のドアの開けた。

「ハルトいるか?一緒に帰るぞ!」

「お、レオナやん。今日もハルトのお迎えに来たんか?」

 ハルトへと声を掛けると代わりに一人の水色のショートヘアの猫の半獣人の女生徒が私へと声をかけてきた。
 彼女は「エリサ・ルノワール」。

 この魔術科の生徒にして私とハルトの幼馴染の一人でもある。

「お迎えとか言うな!何度も言っているけど、これは陰キャで冴えないハルトが独りで帰るのが寂しいだろろうから、幼馴染の私が一緒に帰ってやってるんだ!どうだ、優しいだろうこのレオナさんは!」

 私はそう言いながらクラスの中を見渡して陰キャで冴えない幼馴染のハルトを探す。

「それ言うたらウチかてハルトの幼馴染やん……。なんならわざわざレオナがけえへんでもウチがハルトと帰ってもええんよ?」

「べ……別にそれはそれでも私はかまわないぞ……?」

「はいはい、やせ我慢はせんでもええよ……。それより、その優しい"レオナさん"には悪いけど、ハルトは今おらへんよ」

「は……?どこに行ったんだアイツは……?」

「そんなんウチが知るわけないやろ……?ウチはあいつの保護者とちゃうし」

「むぅ……」

 それは確かにエリサの言う通りなんだが……。
 だとしたらあいつどこに行ったんだ?

「ハルトならルミナに告白するとか言って屋上に向かってるの見たぜ」

「は……っ!?ルミナってあの"ルミナ・ヴェイル"の事……っ!?」

「ああ、そうだ」

 クラスの一人のとある男子生徒の言葉を聞き私は思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。

 ハルトが女子に告白しに……っ!?

 いや、それだけでも十分驚きなのだが、問題はその相手、ルミナ・ヴェイルだと言うこと。

 ルミナ・ヴェイル……。
 テイマー科2年の女生徒でかなり遊び回っているというギャル系の遊び人な女。

 この学園や他校の男子生徒数人と街を歩いていたり、付き合っている彼氏もちょくちょく変わっていると言う噂は耳にする。

 なんにしろ、ハルトがルミナに告白をしに行った……。

 それを知った私はショックを受けると共に、どこか胸の奥の痛みを感じ不安な気持ちになっていた。

「どないしたんや、レオナ。目が泳いどるで?ハルトが女に告白することがそんなにショックやったんか?」

「ち……違うし……!私はただあいつに告白する度胸とかあるんだなって思ってただけだし……!」

 私は自身の小さな胸を反らして精一杯の虚勢を張る。

 しかし、内心はエリサの言うようにかなりショックで、このままもし何かの間違いでハルトがルミナと付き合いだしたらと思うと、胸の奥が締め付けられるように痛む。

「ほ~ん……。ま、心配せんでもあのルミナがハルトと付き合う事はありえへんって」

「し……心配なんかしてないし……!これでハルトとの腐れ縁も切れるかもと思うと清々するし……!じ……じゃあハルトがいないのなら私は帰る……っ!」

 ケラケラと笑うエリサに半ば逆ギレしながらも私は魔術科の教室を後にしたのだった。
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