剣術科の私と魔術科の冴えない僕

ノン・タロー

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幼馴染の二人

敗因は何……?

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 寮の大浴場に入った私は体を洗いながら周囲を見渡す……。

 今日は課外授業があったからか、早く汗を流したいという女の子達で一杯だった。

 まあ、それはいいのだけど他の女の子達が歩く度に胸が揺れている。

 それに対して私の胸はささやかな程度……。

 私とて17歳の女の子……なのになぜこうも身体的な格差があるのだろうか……?

 まさかハルトがルミナの方に行ったのは胸の大きさのせいではないのかとさえ思えてくる。

「はぁ……」

 私は自分の胸を触りながら盛大なため息をついた。

「なんやレオナ、えらい大きなため息やなぁ」

「ひゃあ……っ!?」

 いつの間にいたのか、左隣に座っているエリサに声をかけられた私は思わず椅子から飛び上がりそうになるほどびっくりしてしまった。

 し……心臓が飛び出るかと思った……!

「一々反応がおもろいなレオナは。で、何をそんなため息をついてるんや?」

「べ……別に……」

「ふん、おおかたレオナの事だからハルトのことでも考えていたのだろう」

「な……っ!ノクス先輩いつの間に……っ!?というかどうしてそれを……っ!?」

 そして気がつけば右にはノクス先輩が……!

 まさか近くにシェイラもいるのではと思い辺りを見渡すと、離れたところでシェイラは仲のいい友達と出会ったのか楽しそうに話をしているようだ。

「ふん、そんな事お前の顔を見ればすぐに分かるわ」

「せやな、『なんでハルトは私やのうてルミナに行ってもうたんやろ……』そんなとこか?」

 ば……バレてる……っ!?
 私ってそんなに分かりやすいのかな……。

「た……確かにその通りだ……。でも、私はハルトの幼馴染だし、ずっとハルトの事を想ってきたんだ、それなのにあっさりと他の女の所に行ってしまうなんて……。やはり私はただの友達としか思われていないのだろうか……?」

「ふむ……、確かに恋愛において幼馴染と言うのは付き合いが長いだけあって他の者に比べて一歩も二歩も優位には立てる。しかし、その反面付き合いが長いため異性としてではなく、ただの友達としてしか見られなくなるというデメリットもまた存在する。そう、今のレオナのようにな」

「うぐ……」

 ノクス先輩の的を得た説明に私は思わず言葉が詰まってしまう。

「ノクス先輩、私はどうすればいい?やはり胸を大きくしないとダメなのか……?」

「ふむ……確かに胸の大きさは男を引きつけると言う意味ではそうかもしれん。だが、ワシはそれ以外にもあるのではないかとおもうがな」

「せやな……レオナの場合、基本的に男言葉やろ?それやからハルトもレオナの事を女と思わんと仲のええ友人としか思っとらんのとちゃうやろか?少しは女らしい言葉遣いをしてみたらどうや?」

「こ……言葉遣いと言われても……」

「試しに女言葉を話す自分を想像してみるといい。イメージをして見ることは大事だ」

 今更言葉遣いを変えろと言われても……。
 ノクス先輩の言うように私は頭の中で女の子っぽい言葉を話す自分を想像してみる……。

(ハルト~、一緒に帰ろ~!)
(わ……私以外の女の子を見ちゃダメなんだからね……!)
(ハルト、これ一緒に食べない?美味しいわよ)

「……無理だーーっ!!」

 女言葉を話す自分を想像し思わず目眩を覚えた私は、頭を抱えて思わず叫び声を上げるとこの声が大浴場に響き渡り周囲の視線が私へと集まる。

「なんやうるさい奴やなあ……」

「しかし、男はギャップに弱いと聞く。普段のレオナから一点、女らしい言葉を使えばハルトもそのギャップに惹かれるかもしれんぞ。もっとも、今更手遅れだかな」

「せやな、ハルトはルミナに取られた後やもんな」

 二人は笑いをこらえながら私の肩へとポンと手を置く。

「エリサとノクス先輩は私を励ましたいのか笑いものにしたいのかどっちなんだ……」

 私はため息をつきながらガックリと肩を落としたのだった。

 しかし、その頃私たちのMPに学園からの追加クエストが来ていたのだが、この時の私達はそれを知る由はなかった……。
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