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【番外編SS】溺愛Domは甘やかしたい
お仕置きされたい2
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……────。
「わあぁ……すごいっ。誠吾さんの会社大きいねぇ。あっ、てっきりロビーとかで待ち合わせかと思ってたんだけど。お仕事の邪魔してごめんなさい。もしかして、忙しかった?」
「忙しくなんて! 汐君ここまで迷わなかったか?」
「駅チカだったからぜーんぜんっ!」
「はは、汐君はすごいな」
隣を歩きながら、次期社長と囁かれている深見にタメ口で話す汐は、オフィスの中で注目の的だった。女性社員は綺麗めの私服で出社する人もいるが、男性は基本スーツだ。大学帰りの汐は、お気に入りのテーラードジャケットに、英字のシャツを下に着ている。
「インターンの子? 部長が指導してるの……?」
「今の時期、うちインターン来てたっけ……。というか、親しげよね」
まるで似ない、そしてまずまずな年の差の二人を、すれ違った社員が不思議そうに振り返る。
「ち、ちょ、ちょっと……っ! な、なんで、汐君連れて来てるんですか!」
悪目立ちしている組み合わせの二人を、君佳は人気のない談話室へ押し込んだ。
「別のフロアまで話が来てましたよ! ……あ、もしかして来客って……ケーキって……」
深見は悪びれるふりもせず、「ああ、ありがとう」と言う。
「君佳さんお久しぶりです。お仕事お疲れさまです」
悪気もなく汐はにこっと天使の笑みを見せた。
「ああもう! 汐君は相変わらず可愛いなあ!」
君佳は投げ捨てるように、やけになって言った。深見が骨抜きにされる気持ちが、今になって理解出来る。抱きしめようとすると、深見は手を広げて君佳の前に立ちはだかった。
「けちー。ハグくらいいいじゃないですかぁ。別に下心なんかないのに」
「ダメに決まってるだろう。僕のパートナーだぞ」
身体を引き寄せられて、汐は顔を染めて俯く。社内でのいちゃいちゃは程々にしてくださいね! ともっともな指摘を背中に受けながら、深見は普段使っていない、役職付きに宛てがわれた部屋に汐を招いた。
今日くらいは……汐きゅんにも触っていないのだから、愛しのSubを愛でてもいいだろう。たっぷりと。
深見は買ってきてもらったばかりのケーキとコーヒーを、テーブルに置いた。気の利く従兄妹は、深見の分にも同じものを買っていた。甘い、ふわふわしたクリームとスポンジを頬張りながら、汐は蕩けるような顔で「美味しい!」とにこにこ笑う。
深見は隣に座ると、汐の頭を撫でてわずかにGlareを飛ばした。
「Kiss. 出来る?」
ちゅっ、ちゅっ、と甘い唇が、深見の肌を辿る。汐は身を乗り出して、Command通り深見の腔内を甘い砂糖の味で満たした。
「当たり前。誠吾さんのSubなんだから」
彼はしたり顔でそう言った。
──汐君……好きだ。好きで好きで好き過ぎて……。
Colorを贈るだけでは暴走する愛は全部伝わらない。汐が心地よく感じるCommandも、意識を甘く蕩けさせるGlareも……この名字も。大好きなSubに、全て捧げたいのだ。
……────。
「せ……せいごさんっ……。ん、んっ、あ……!」
可愛い恋人を車に乗せて、深見は退社した。週末、汐が泊まりにくるときは、夕飯をデリバリーで頼んで済ませるか、外に食べに行くか。
今日は思いがけない訪問で、予定がひっくり返ってしまった。深見は宝物を隠すように、汐を一番奥の寝室へ連れ込んだ。
「誠吾、さん……えっと」
無我夢中で、汐の服を脱がしていく。生まれたままの姿にした後で、さっきから何か言いたげだった汐とようやく視線を合わせた。
「Strip」
「ふ、え……?」
想定外のCommandに、汐が一瞬狼狽えた。琥珀色の瞳が揺れ、頭の中で深見の放ったCommandの意味を解いているのだろう。けれど、Subの本能は正直で、すでに深見のスーツの襟に手をかけている。
顔を真っ赤にしながらネクタイ、シャツのボタン……ベルトへと上から順番に、Commandを遂行していく。
下着を脱がしかけ、拙い指先で深見の熱に触れる。落ち着かないように唇を舐める仕草をしながら、もじもじと腰を動かす……あまりの尊さに深見は召されてしまいそうになった。
「まだ全部Stripしてないだろう。もう出来ない?」
「Lickが欲しい……Commandちょうだい」
「ふっ、Commandするのは僕の役だろう。わるい子だな、汐君は」
Glareを少し強めると、汐はKneelの姿勢をとった。Glareを発するDomに対する、基本姿勢だ。目線の低くなった汐は、縋るようにして深見を見上げた。
「ご、ごめんなさい」
汐が泣きそうな顔をつくると、奥底に眠っている「いじめたい」欲求と、甘やかしたい性とがスイッチを押すみたいに切り替わる。汐の身体をベッドへと押し倒した。
「お尻またたくさん叩かれたい?」
「やっ、いや」
「汐君が泣いて謝っても、ずっとこの可愛いお尻を叩いてあげようかな。スパンキングだけで射精出来るまで」
「そんなの……無理っ」
尻をやや乱暴に手のひらで揉み込む。汐はびくん、びくん、と痛みに繋がりそうな予感に、震えている。
「わあぁ……すごいっ。誠吾さんの会社大きいねぇ。あっ、てっきりロビーとかで待ち合わせかと思ってたんだけど。お仕事の邪魔してごめんなさい。もしかして、忙しかった?」
「忙しくなんて! 汐君ここまで迷わなかったか?」
「駅チカだったからぜーんぜんっ!」
「はは、汐君はすごいな」
隣を歩きながら、次期社長と囁かれている深見にタメ口で話す汐は、オフィスの中で注目の的だった。女性社員は綺麗めの私服で出社する人もいるが、男性は基本スーツだ。大学帰りの汐は、お気に入りのテーラードジャケットに、英字のシャツを下に着ている。
「インターンの子? 部長が指導してるの……?」
「今の時期、うちインターン来てたっけ……。というか、親しげよね」
まるで似ない、そしてまずまずな年の差の二人を、すれ違った社員が不思議そうに振り返る。
「ち、ちょ、ちょっと……っ! な、なんで、汐君連れて来てるんですか!」
悪目立ちしている組み合わせの二人を、君佳は人気のない談話室へ押し込んだ。
「別のフロアまで話が来てましたよ! ……あ、もしかして来客って……ケーキって……」
深見は悪びれるふりもせず、「ああ、ありがとう」と言う。
「君佳さんお久しぶりです。お仕事お疲れさまです」
悪気もなく汐はにこっと天使の笑みを見せた。
「ああもう! 汐君は相変わらず可愛いなあ!」
君佳は投げ捨てるように、やけになって言った。深見が骨抜きにされる気持ちが、今になって理解出来る。抱きしめようとすると、深見は手を広げて君佳の前に立ちはだかった。
「けちー。ハグくらいいいじゃないですかぁ。別に下心なんかないのに」
「ダメに決まってるだろう。僕のパートナーだぞ」
身体を引き寄せられて、汐は顔を染めて俯く。社内でのいちゃいちゃは程々にしてくださいね! ともっともな指摘を背中に受けながら、深見は普段使っていない、役職付きに宛てがわれた部屋に汐を招いた。
今日くらいは……汐きゅんにも触っていないのだから、愛しのSubを愛でてもいいだろう。たっぷりと。
深見は買ってきてもらったばかりのケーキとコーヒーを、テーブルに置いた。気の利く従兄妹は、深見の分にも同じものを買っていた。甘い、ふわふわしたクリームとスポンジを頬張りながら、汐は蕩けるような顔で「美味しい!」とにこにこ笑う。
深見は隣に座ると、汐の頭を撫でてわずかにGlareを飛ばした。
「Kiss. 出来る?」
ちゅっ、ちゅっ、と甘い唇が、深見の肌を辿る。汐は身を乗り出して、Command通り深見の腔内を甘い砂糖の味で満たした。
「当たり前。誠吾さんのSubなんだから」
彼はしたり顔でそう言った。
──汐君……好きだ。好きで好きで好き過ぎて……。
Colorを贈るだけでは暴走する愛は全部伝わらない。汐が心地よく感じるCommandも、意識を甘く蕩けさせるGlareも……この名字も。大好きなSubに、全て捧げたいのだ。
……────。
「せ……せいごさんっ……。ん、んっ、あ……!」
可愛い恋人を車に乗せて、深見は退社した。週末、汐が泊まりにくるときは、夕飯をデリバリーで頼んで済ませるか、外に食べに行くか。
今日は思いがけない訪問で、予定がひっくり返ってしまった。深見は宝物を隠すように、汐を一番奥の寝室へ連れ込んだ。
「誠吾、さん……えっと」
無我夢中で、汐の服を脱がしていく。生まれたままの姿にした後で、さっきから何か言いたげだった汐とようやく視線を合わせた。
「Strip」
「ふ、え……?」
想定外のCommandに、汐が一瞬狼狽えた。琥珀色の瞳が揺れ、頭の中で深見の放ったCommandの意味を解いているのだろう。けれど、Subの本能は正直で、すでに深見のスーツの襟に手をかけている。
顔を真っ赤にしながらネクタイ、シャツのボタン……ベルトへと上から順番に、Commandを遂行していく。
下着を脱がしかけ、拙い指先で深見の熱に触れる。落ち着かないように唇を舐める仕草をしながら、もじもじと腰を動かす……あまりの尊さに深見は召されてしまいそうになった。
「まだ全部Stripしてないだろう。もう出来ない?」
「Lickが欲しい……Commandちょうだい」
「ふっ、Commandするのは僕の役だろう。わるい子だな、汐君は」
Glareを少し強めると、汐はKneelの姿勢をとった。Glareを発するDomに対する、基本姿勢だ。目線の低くなった汐は、縋るようにして深見を見上げた。
「ご、ごめんなさい」
汐が泣きそうな顔をつくると、奥底に眠っている「いじめたい」欲求と、甘やかしたい性とがスイッチを押すみたいに切り替わる。汐の身体をベッドへと押し倒した。
「お尻またたくさん叩かれたい?」
「やっ、いや」
「汐君が泣いて謝っても、ずっとこの可愛いお尻を叩いてあげようかな。スパンキングだけで射精出来るまで」
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