最弱種族に異世界転生!?小さなモッモの大冒険♪ 〜可愛さしか取り柄が無いけれど、故郷の村を救う為、世界を巡る旅に出ます!〜

玉美-tamami-

文字の大きさ
244 / 804
★ピタラス諸島第一、イゲンザ島編★

234:モゴ族の使命

しおりを挟む
「真の調停者様とはつゆ知らず、失礼つかまつりましたですノコ」

   ペコペコと頭を下げる長老とキノタン。

「いやいや構わんよ、苦しゅうない」

   両手を腰に当てて、偉そうな態度で彼らを見下す俺。

   先程までは、こいつ絶対に偽物だノコ、なんて思っていたはずの二人が、今は俺の前で頭を垂れているのだ。
   これを快感と言わずになんと呼ぶ?
   ふははははっ!!

「さ、用事は済んだポね。さっさとここを出て東へ行くポ~」

   そそくさと立ち上がって、家から出ようとするノリリア。

   え~、もうちょっと良い気分を味わわせてくれよぉ~。

「んだな!  モッモ、それちゃんと鞄に入れておけよ~」

   カービィも立ち上がって、ヘラヘラと俺に指示した。

   え~、カービィもそんな感じなのぉ~?
   もうちょっとこう、調停者様を敬う感じで接してくれないと……、あ!  ほら見てよっ!?
   長老とキノタンが訝しげな顔をしてるよっ!??

「ちょちょっ!  ちょっとお待ちくださいノコ!!  もうここを発つおつもりですノコ!??」

   慌ててノリリアとカービィを引き止める長老。

「ポポ、あたちたちは先を急ぐポね。調停者がそれを持ってここを出ればいいのなら、モッモちゃんがそうしてくれるポよ。それとも他にも何かあるポか?」

   決して怒っているわけではなさそだが、早く事を済ませたいらしいノリリアは、セカセカとした口調でそう言った。

「ノココッ!?  まだお話しなければならない事がありますノコ!!  キノタン!!!  急いであれを二階から持って来るノコ!!!!」

「わかりましたノコ!」

   長老の言葉に、二階へと階段を駆け上がって行くキノタン。

「時に長老さんよ、ここから東へ向かう洞窟は通っていけるのか?  そっちにも、モゴ族の戦士たちが待ち構えてたりしないよな??」

「ノコッ!?  ここから東へ!??  となると……、地下道は使えませんノコ」

「ポポ!?  なんでポ!??」

「それが……、ここ最近、森の木の根が洞窟内にも生え始め、特に東は我らとて通るのもやっとの狭さになっておりますノコ。あなた様方三人のみならなんとか進めましょうが……、面のお仲間様は体も大きい故、難しいかと……」

   おぉ、まじか……
   じゃあつまり、地上を行くしかないわけだな?
   え、でも……、地上って、マンチニールの森の中でしょ??
   有毒植物生物がわんさか溢れているって噂の、恐ろしい森なんでしょ???  
   ……不安だわ~。

「なんで、東だけそんななってんだ?」

「理由は我らにも分かりませんノコ。ただ、西側は以前より生き物の往来が多く、戦士を遣わせて、この里へ向かぬようにとしておりますノコ。最近は特に、手足を縛られて自由を無くし、果てには自我をも失った輩が洞窟内を徘徊しております故……。戦士たちには、そのような者を発見したら、速やかに体の自由を解き、西の出口へと導くようにと伝えておりますノコ。ですが、西側はそうでも、東側は全くと言っていいほど、長年、洞窟内には獣一匹見当たりませんノコ。生き物が通らぬということは、樹木の根は踏まれずに生え放題。それらはやがて成長し、絡み合い、洞窟内を埋め尽くす。それ即ち、道が狭まるという事かと……」

   なるほど、つまり、こういう事かな……?
   有尾人達のデスゲームによって、西側の洞窟には定期的に人やその他の種族が放り込まれているけれど、東側はそういった事がないので、マンチニールの森の木の根が蔓延っている、という事か。
   洞窟内で目を覚ました時に、解いてないカービィの縄が解けていたのは、きっとモゴ族の戦士のうち誰かがやってくれた事なのだろう。
   チカチカと体を点灯させて、西の出口へと俺たちを導こうとしたのも、彼らにとっては外界の者である俺たちを、この里へ近付かせないようにと取った行動だったんだ。

「ポポゥ……。でも、ギンロちゃんなら、根なんて全部斬り払ってくれるポね」

「ノッ!?  根を斬るなんぞとんでもないっ!!  我らならばまだ森に住んで長い故、毒に対する耐性もそれなりにあります。しかし、あなた様方は昨日今日ここへ来られたばかり。もし万が一にも、根の切り口より零れ落ちた樹液などに触れれば、たちまち全身が毒に侵されてしまいますノコ!??  ……悪い事は言いませぬ、森の中を歩いていかれる方が得策ですノコ」

   げっ、毒はヤバイな……
   カービィが有尾人達に盛られた毒が何なのかは知らないけれど、万が一にでも俺が毒にやられて、あんな風な奇行に走るなんざ絶対の絶対に嫌だっ!!

「けど、地上にも有毒植物生物は多数存在するだろ?  そっちの方が危なくねぇのか??」

「確かに、森の中は毒を持つ草木で溢れかえっておりますノコ。しかし、あなた様方が通れる道はあります。地下道を行き、不用意に根を傷つける事に比べれば、森の中を静かに進まれる方がよっぽど安全ですノコ。それに……、そこのキノタンは、森には詳しいですノコ。道案内として連れて行ってくださいノコ」

   え?  お??  キノタンを???

   長老は、その手に自分と同じ大きさの羊皮紙を持って、よたよたと階段を下りてくるキノタンを指差した。

「道案内は必要ないポ。方角くらいわかるポね」

「いえいえ、そうはいきませぬノコ。キノタン、それをテーブルへ」

「はいノコ」

   キノタンは、部屋の中央にあるテーブルの上に羊皮紙を広げて見せた。

「これは……、神殿の、図面ポ?」

   興味深そうに、テーブルへと近寄るノリリア。

「左様でございますノコ。これは、勇者様が我らに授けし三つの宝の内の一つ、神殿の見取り図でございますノコ」

「ほうほう……。で、これがいったい何だってんだ?」

   カービィも、その見取り図を覗き込む。

「神殿は、外観こそ小さく造られておりますが、中は何かしらの魔法の為にとても広いのですノコ。そして、予期せぬ侵入者を防ぐ為に、あらゆる仕掛けがされていると言われておりますノコ」

   ほう?  つまり、罠が仕掛けられてるって事か。

「ポポ、それは予想外ポね……」

「その……、でも、なんでおいら達にこれを見せるんだ?」

「我らモゴ族に託されし使命は二つ。一つ目が、先程調停者様にお渡しした金のオーブを守る事。二つ目が、金のオーブを手にした調停者様を、神殿の祭壇まで案内する事なのですノコ」

   ほほう?  つまり、金のオーブを手にできてしまった俺は、その神殿の祭壇って場所まで行かねばならんのだな。

「ふ~む……、なるほどその為の見取り図か……」

「けど、どうして調停者がその祭壇に行かなきゃならないポ?  それも、その金のオーブを持って??  なんだか、怪しい臭いがプンプンするポね……」

   顎に手を当てた全く同じポーズで考え込む、ノリリアとカービィ。

「その祭壇に何があるのかは知りませぬが、言い伝えでは、調停者様に何らかの恩恵をもたらしてくれる物だという事ですノコ。そして、その祭壇の扉を開く鍵となるのが、キノタンが携えている、勇者様より授かりし三つ目の宝、黄金の剣なのですノコ。よって、キノタンをあなた様方に同行させる事、調停者様であるモッモ様を神殿の祭壇まで送り届ける事、それら全てが、我らモゴ族の使命を果たす為に必要な事なのですノコ」

   ほほほう?  つまり……、えっとぉ……
   だぁ~!  話が長くてまとめられねぇ~!!

「なぁノリリア。その、神殿の祭壇にあるのって、まさか……」

「ポポ、あたちも今それを考えていたところポね。金のオーブに鍵となる黄金の剣、そして見取り図……。そんな物をモゴ族に託してまで、時の神の使者であるモッモちゃんを神殿の祭壇に導こうとするその理由……。おそらくその祭壇には、あたち達が求めるものが眠っているはずポ」

   おっ!?  それってつまり!??

「アーレイク・ピタラスの、墓塔の鍵って事?」

「そういう事になるポね。やっぱり……、あたち達とモッモちゃんが出会ったのは、ただの偶然では無かったのかも知れないポ……」

   おおうっ!?  なんだか話が大きくなってきましたなっ!??

   しかし、ここは一旦落ち着いて……
   これからどうするのかを再確認しよう!

「じゃあえっと……、確認なんだけど……。今から僕たちは、キノタンと一緒に地上に出て、マンチニールの森の中を東へ向かって進んで行く……、って事でオッケー?」

「そうなるなっ!  こりゃ~冒険の匂いがプンプンするぜぇっ!!」

「地下洞窟が無理ならそうするしかないポね。あまり気乗りはしないポが……。キノタンちゃん、勿論森には詳しいのポね?」

「勿論。森の中は我らモゴ族の庭とも呼べるほど、隅々まで熟知しておりますノコ」

「オッケーポ。それじゃあ長老様、キノタンちゃんをお借りして行くポね」

「はい、よろしくお願い申し上げますノコ。キノタンよ、我らモゴ族に課せられし使命、しかとやり遂げてくるが良いノコ」

「はいっ!  分かりましたノコ!!」

   ……こうして、俺とカービィとノリリアとギンロの四人パーティーに、モゴ族のキノタンが加わって、東に存在するイゲンザの神殿を目指す事となったのであった。
    
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

処理中です...