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第11話 男爵令嬢ミーア視点 ― 婚約破棄の夜
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ミーア視点 ― 婚約破棄の夜
煌びやかな大広間。
その中心でわたしは「選ばれた少女」として、王子殿下の隣に立っていた。
……やったわ。
ローゼ様は牢屋に落ちた。これで邪魔者はいなくなったの。
わたし、ミーア・ベネットは男爵家の娘。公爵令嬢のローゼ様と比べたら、立場なんて月とすっぽん。でも――殿下の前で涙を見せて庇護欲を煽ることくらい、わたしにだってできる。
「殿下……わたし、本当に、夢のようです……」
わざと声を震わせて言えば、アルベルト殿下は優雅に微笑み、わたしの肩を抱いてくれる。
ああ、この瞬間を、どれほど待ち望んでいたことか。
これでわたしは――次期王妃。
ぐふふ、あっはははは!
心の中で高笑いが響く。
王妃になれば、贅沢も権力も思いのまま。社交界の女たちが羨望と嫉妬の眼差しでわたしを見るの。ローゼ様のように「完璧なお姫様」でなくたって、最後に王子の隣にいるのはわたし。勝ったのは、わたしなのよ!
……でも、問題がひとつ。
人知れず、わたしは殿下に近づく前から「味見」をしてしまっていた。
青髪の麗しきアーサー様。侯爵家の御曹司で、魔法師団長の息子。冷ややかな眼差しと、聡明な頭脳。気取ったところはあるけれど、抱き寄せられた時の色気は殿下以上。
そして、真っ赤な髪のマッスル様。騎士団長の息子で、全身が鍛え抜かれた筋肉。あの腕に抱かれると、まるで守られているようで安心するの。
……正直に言えば、この二人との夜を手放すのは惜しい。
アーサー様の整った顔立ちを見ているだけで胸が高鳴るし、マッスル様の抱擁は、女として抗えないほど甘い。
どちらかなんて選べない。二人とも「お気に入り」なのだ。
でも――。
これからはアルベルト殿下の婚約者。軽率な行動をすれば、一瞬で立場を失う。
そう、わたしは今や「勝者」。負け犬のローゼ様とは違う。
……それでも。
あの二人と重ねた夜の記憶が、時折よみがえるの。
マッスル様の筋肉を撫でながら笑った夜。
アーサー様に耳元で囁かれ、震えた夜。
――ああ、どうしてこんなに未練があるのかしら。
アルベルト殿下を手に入れたのだから、本来なら他の男たちなど忘れるべきなのに。
でも……。
殿下は舞台役者のように自分を飾ることに夢中で、わたしを本当に「女」として扱ってくれるのか、不安になる瞬間がある。
対してアーサー様とマッスル様は……。
彼らは確かにわたしを「女」として見てくれていた。
――だから、怖いの。
この秘密が露見したら?
殿下に知られたら、すべてを失う。
だからこそ、わたしは手を打った。
最も告げ口しそうだったローゼ様を、牢屋に落とした。
ふふふ、これで安心。
あの女が地上に戻ってくることはない。貴族牢ですらなく、地下牢。反逆者と同じ扱い。二度と社交界に戻れるはずがない。
これでわたしは、堂々と殿下の隣に立てる。
でも……。
王子に隠れて、またアーサー様とマッスル様に会ってしまうかもしれない。
だって、あの二人を簡単に手放すなんて、もったいなさすぎるから。
殿下の華やかさ。
アーサー様の知性と冷徹な色気。
マッスル様の獣のような筋肉と情熱。
三人を比べると、どれも魅力的で、どれも捨てられない。
――これがわたしの本音。
……でも、何も問題はない。
もうローゼ様はいないのだから。
王妃になるのはわたし。
そして裏で、好みの男たちと楽しむのもわたし。
誰も、それを止められない。
わたしの高笑いが、大広間の記憶をかき消していく。
「おーっほっほっほ! これでわたしの勝ちですわ!」
……さあ、新しい人生を始めましょう。
わたしはミーア・ベネット。
王妃でありながら、決して一人の男に縛られない――自由な女王になるのよ。
煌びやかな大広間。
その中心でわたしは「選ばれた少女」として、王子殿下の隣に立っていた。
……やったわ。
ローゼ様は牢屋に落ちた。これで邪魔者はいなくなったの。
わたし、ミーア・ベネットは男爵家の娘。公爵令嬢のローゼ様と比べたら、立場なんて月とすっぽん。でも――殿下の前で涙を見せて庇護欲を煽ることくらい、わたしにだってできる。
「殿下……わたし、本当に、夢のようです……」
わざと声を震わせて言えば、アルベルト殿下は優雅に微笑み、わたしの肩を抱いてくれる。
ああ、この瞬間を、どれほど待ち望んでいたことか。
これでわたしは――次期王妃。
ぐふふ、あっはははは!
心の中で高笑いが響く。
王妃になれば、贅沢も権力も思いのまま。社交界の女たちが羨望と嫉妬の眼差しでわたしを見るの。ローゼ様のように「完璧なお姫様」でなくたって、最後に王子の隣にいるのはわたし。勝ったのは、わたしなのよ!
……でも、問題がひとつ。
人知れず、わたしは殿下に近づく前から「味見」をしてしまっていた。
青髪の麗しきアーサー様。侯爵家の御曹司で、魔法師団長の息子。冷ややかな眼差しと、聡明な頭脳。気取ったところはあるけれど、抱き寄せられた時の色気は殿下以上。
そして、真っ赤な髪のマッスル様。騎士団長の息子で、全身が鍛え抜かれた筋肉。あの腕に抱かれると、まるで守られているようで安心するの。
……正直に言えば、この二人との夜を手放すのは惜しい。
アーサー様の整った顔立ちを見ているだけで胸が高鳴るし、マッスル様の抱擁は、女として抗えないほど甘い。
どちらかなんて選べない。二人とも「お気に入り」なのだ。
でも――。
これからはアルベルト殿下の婚約者。軽率な行動をすれば、一瞬で立場を失う。
そう、わたしは今や「勝者」。負け犬のローゼ様とは違う。
……それでも。
あの二人と重ねた夜の記憶が、時折よみがえるの。
マッスル様の筋肉を撫でながら笑った夜。
アーサー様に耳元で囁かれ、震えた夜。
――ああ、どうしてこんなに未練があるのかしら。
アルベルト殿下を手に入れたのだから、本来なら他の男たちなど忘れるべきなのに。
でも……。
殿下は舞台役者のように自分を飾ることに夢中で、わたしを本当に「女」として扱ってくれるのか、不安になる瞬間がある。
対してアーサー様とマッスル様は……。
彼らは確かにわたしを「女」として見てくれていた。
――だから、怖いの。
この秘密が露見したら?
殿下に知られたら、すべてを失う。
だからこそ、わたしは手を打った。
最も告げ口しそうだったローゼ様を、牢屋に落とした。
ふふふ、これで安心。
あの女が地上に戻ってくることはない。貴族牢ですらなく、地下牢。反逆者と同じ扱い。二度と社交界に戻れるはずがない。
これでわたしは、堂々と殿下の隣に立てる。
でも……。
王子に隠れて、またアーサー様とマッスル様に会ってしまうかもしれない。
だって、あの二人を簡単に手放すなんて、もったいなさすぎるから。
殿下の華やかさ。
アーサー様の知性と冷徹な色気。
マッスル様の獣のような筋肉と情熱。
三人を比べると、どれも魅力的で、どれも捨てられない。
――これがわたしの本音。
……でも、何も問題はない。
もうローゼ様はいないのだから。
王妃になるのはわたし。
そして裏で、好みの男たちと楽しむのもわたし。
誰も、それを止められない。
わたしの高笑いが、大広間の記憶をかき消していく。
「おーっほっほっほ! これでわたしの勝ちですわ!」
……さあ、新しい人生を始めましょう。
わたしはミーア・ベネット。
王妃でありながら、決して一人の男に縛られない――自由な女王になるのよ。
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