婚約者を姉に奪われ、婚約破棄されたエリーゼは、王子殿下に国外追放されて捨てられた先は、なんと魔獣がいる森。そこから大逆転するしかない?怒りの

山田 バルス

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第142話 悪魔との激闘 来い、“完成”まであと一歩だ!

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決戦・レヴァンシュの夜明け

魔方陣が爆ぜ、空間を裂くようにして姿を現した“悪魔”は、まさに地獄の具現だった。翼は空間を腐らせ、眼球が埋め込まれた胴体は呻くように呻き続けていた。

「来い、“完成”まであと一歩だ!」
グレゴールが腕を広げ、悪魔と自らの魔力を同調させる。

「そんなもん、完成させてたまるかよ!」
マスキュラーが大剣を引き抜き、地面を蹴って突撃した。鉄と炎の衝突のような音とともに、悪魔の腕に一撃を叩きつける。
「ぬぅ……っ、硬ぇ!」
大剣が叩きつけられた箇所はわずかにひび割れたが、それだけだった。

「マスキュラー、下がって!」
エリーゼが風のように駆け、金龍の宿る右腕を握り拳に変えて突き込む。
「金龍《イグドラ》よ、破魔の力をッ!」

拳がぶつかった瞬間、閃光が弾けた。悪魔の肩が砕け、呻き声が響く。だが――

「まだ、これっぽっち……っ!」
エリーゼが床に跳ね返されるように吹き飛んだ。

「エリーゼっ!」
アリスターが彼女を空中で受け止め、魔力で軟着陸させた。彼の瞳が怒りで燃える。

「まったく……このボクをここまで本気にさせるなんて」
アリスターが詠唱を開始する。金髪が風に踊り、指先から複数の魔法陣が重なるように浮かび上がる。

「神々の理を喰らう災いよ、汝の名において世界を封じる。――《封呪結界・セレスの十指》!」

十本の光の杭が空間から出現し、悪魔の四肢と胴、翼を地に縫い留める。
「……動きを止めた、今だ!」

「いくぞ、ダリル!」
「拙者も全力で応えよう!」

マスキュラーが再び斬りかかり、ダリルは祈りを詠唱する。

「聖なる光よ、罪を呑み込む淵に降り注げ――《浄罪の祈り》!」

神々しき光が降り注ぎ、悪魔の胴体に埋め込まれた目が焼かれていく。
だが、そのときグレゴールが仮面を外した。

「や、やめろ……われらの長年の目的が……し、仕方ない、これを使うしかないのか」

「なに……!?」

グレゴールは懐からクリスタルの塊を取り出し、それを悪魔に向けて投げた。
「聖女の魂だ。これで完成する、あはははは」

放物線を描いて投げられたそれは、悪魔に届く前に、ある男によって阻止された。
「詰めが甘いんだよ」
情報屋であり、案内人のヴェルトである。

「ナイス、タイミング」

エリーゼが感嘆の声を挙げる。

「うわあああああっ……!!」

それでも悪魔は、全身から異形の力を放ち、結界を打ち破ろうと暴れる。

「真実の精霊、我に再び力を」
アリスターの腕が輝き、精霊の光が悪魔を包む。
「今だ、エリーゼ!」
アリスターが叫ぶ。

「……うん。右腕、金龍《イグドラ》……左足、氷狼《スコル》……」
エリーゼが息を整え、剣を構える。

「わたしは、仲間と共に在る!」

精霊たちの力が一つに統合される。右腕が金の雷光を放ち、左足には蒼白の氷霧がまとわりついた。

「――絶対零度の雷閃、抜刀――《龍狼剣・終の型》!」

放たれた斬撃は、世界を二つに裂くかのようだった。悪魔の中心、かつてグレゴールのいた部分を真っ二つに貫く。

「ぐ、があああああああああああああああああああ!!!」
断末魔が天を裂くように響いた。

ダリルの祈りがその魂を束ね、アリスターの封呪がそれを凍結する。マスキュラーの最後の一撃が、それを地に伏せさせた。

静寂。

いつのまにかグレゴールの姿も消えていた。
ヴェルトが苦々しそうに言葉を吐く。
「ちくしょう!グレゴール、逃げ足の早い奴め」

そして、瓦礫の間に微かな風が吹いた。

「……終わった……のか」
マスキュラーが、剣を地に突き立てて肩で息をする。

「いいえ、まだ」
エリーゼが静かに首を振る。

「まだ、“やり直し”が残ってる。王国も、私たちの未来も……これからだから」

仲間たちはうなずいた。
破壊された城の天井から差し込む朝日が、血に濡れた祭壇を照らし、かつての聖女――セレスティアの亡骸に光の輪を落とした。

それは、まるで“救済”のようだった。

【エリーゼ=アルセリア】

レベル:52

HP:986

MP:587

攻撃:1087【862+剣225】

防御:1300【875+上下425】

早さ:1368【1158+脚210】

幸運:100MAX

スキル:──剣聖──フェンリルの加護 金龍の加護

装備:武器 テオドリック帝国 王家の剣 
   防具 上半身 剣聖のドレスチェスト
      下半身 剣聖のレッドプリーツ
      脚   剣聖のブレイズブーツ
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