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僕、ちょっと不思議だったんですよね。
なんで平民と貴族が通う王立学園があるのかが。
そもそも貴族なら、家庭教師つけれますし。
王家ともなれば、第6王子という王位継承権の低い僕にだって、優秀な家庭教師がついてます。
なのになぜ、十代の貴重な時間を学園に通って過ごさなければならないのか。
きっと、リーゼ男爵令嬢の言葉がすべてでしょう。
『この学園でないと、王子と知り合えない』
優秀な平民や王族貴族が集まる学園が無いと、そもそも男爵令嬢のヒロインが攻略対象たちと出会うことがまずないんです。
パーティーはあっても、下級貴族は出る機会も限られてきますからね。
ましてや、男爵令嬢のほうから王子や公爵子息に声をかけるなんて、立場上出来ませんから。
平等をうたう学園というものがないと、乙女ゲームが成立しなかったのでしょう。
「ルペストリス王子、わたしは外国語が苦手なんです! 教えてくださいっ」
ぐいぐいっと、リーゼ男爵令嬢は僕の冷たい視線にもひるまずに、外国語の教科書を僕に押し付けてきます。
そういえば、ゲームでも学校の図書館で一緒に試験勉強をするイベントがあった気がします。
リーゼ男爵令嬢に見つかってしまったのは、そのせいでしょうか。
僕はミーヤと一緒にゆっくり過ごしたかっただけなのに。
「リーゼ男爵令嬢。この際、はっきり言うね?」
「は、はいっ!」
なぜか瞳を輝かせているけれど、僕は見なかったことにします。
「僕が愛しているのはミーヤ公爵令嬢だけです。貴方が付け入る隙はありません。本当に迷惑です。やめていただけますか」
一言一句、はっきり区切るように。
リーゼ男爵令嬢を傷つけるのはわかっています。
でも、僕はミーヤが大好きです。
命がかかっているのもありますが、それを抜きにしても、愛情深く思いやりのある彼女が大好きなんです。
今だって、リーゼ男爵令嬢は婚約者の僕に言い寄る不埒な女なのに、ミーヤが彼女を見る目は心配気です。
決して呪い殺すような眼ではないのです。
僕だったら、ミーヤに言い寄る男性をちょこっとでも見つけたら、二度とミーヤに近づけないようにします。
ミーヤは本当に綺麗ですからね。
美人なだけでなく、どこか愛らしさもあるんです。
教養だって当然。
そんなミーヤにあこがれる男どもは数知れず。
王子の婚約者だとわかっていても、心惹かれてしまうのも頷けます。
だからって許容できるかといえば、絶対に駄目です。
王子の特権使ってでも、排除です。
遠くから見つめるぐらいは、嫌ですけどまぁ、我慢しますが。
「なんで、そんな、酷いことを……?」
リーゼ男爵令嬢が、ピンク色の瞳を驚きに見開いて僕を見上げます。
ヒロインだからでしょうか。
とっても、小柄です。
サイズ感的には、守りたくなるというか、庇護欲をそそる存在なのでしょうね。
性格がアレ過ぎて、欠片も僕は守りたい存在と思えませんが。
ゲーム補正なんかも皆無のようでほっとしています。
ヒロインを見た瞬間、攻略対象の僕は心惹かれたりしてしまうのではという懸念も正直あったんです。
運命というのでしょうか。
でも杞憂でした。
僕の運命の人はミーヤだけですからね。
「あっ、そこの悪役令嬢ですね?! ルペストリス王子は脅されているんじゃないですか? だって彼女は、灰かぶり姫なんだし!」
なんで平民と貴族が通う王立学園があるのかが。
そもそも貴族なら、家庭教師つけれますし。
王家ともなれば、第6王子という王位継承権の低い僕にだって、優秀な家庭教師がついてます。
なのになぜ、十代の貴重な時間を学園に通って過ごさなければならないのか。
きっと、リーゼ男爵令嬢の言葉がすべてでしょう。
『この学園でないと、王子と知り合えない』
優秀な平民や王族貴族が集まる学園が無いと、そもそも男爵令嬢のヒロインが攻略対象たちと出会うことがまずないんです。
パーティーはあっても、下級貴族は出る機会も限られてきますからね。
ましてや、男爵令嬢のほうから王子や公爵子息に声をかけるなんて、立場上出来ませんから。
平等をうたう学園というものがないと、乙女ゲームが成立しなかったのでしょう。
「ルペストリス王子、わたしは外国語が苦手なんです! 教えてくださいっ」
ぐいぐいっと、リーゼ男爵令嬢は僕の冷たい視線にもひるまずに、外国語の教科書を僕に押し付けてきます。
そういえば、ゲームでも学校の図書館で一緒に試験勉強をするイベントがあった気がします。
リーゼ男爵令嬢に見つかってしまったのは、そのせいでしょうか。
僕はミーヤと一緒にゆっくり過ごしたかっただけなのに。
「リーゼ男爵令嬢。この際、はっきり言うね?」
「は、はいっ!」
なぜか瞳を輝かせているけれど、僕は見なかったことにします。
「僕が愛しているのはミーヤ公爵令嬢だけです。貴方が付け入る隙はありません。本当に迷惑です。やめていただけますか」
一言一句、はっきり区切るように。
リーゼ男爵令嬢を傷つけるのはわかっています。
でも、僕はミーヤが大好きです。
命がかかっているのもありますが、それを抜きにしても、愛情深く思いやりのある彼女が大好きなんです。
今だって、リーゼ男爵令嬢は婚約者の僕に言い寄る不埒な女なのに、ミーヤが彼女を見る目は心配気です。
決して呪い殺すような眼ではないのです。
僕だったら、ミーヤに言い寄る男性をちょこっとでも見つけたら、二度とミーヤに近づけないようにします。
ミーヤは本当に綺麗ですからね。
美人なだけでなく、どこか愛らしさもあるんです。
教養だって当然。
そんなミーヤにあこがれる男どもは数知れず。
王子の婚約者だとわかっていても、心惹かれてしまうのも頷けます。
だからって許容できるかといえば、絶対に駄目です。
王子の特権使ってでも、排除です。
遠くから見つめるぐらいは、嫌ですけどまぁ、我慢しますが。
「なんで、そんな、酷いことを……?」
リーゼ男爵令嬢が、ピンク色の瞳を驚きに見開いて僕を見上げます。
ヒロインだからでしょうか。
とっても、小柄です。
サイズ感的には、守りたくなるというか、庇護欲をそそる存在なのでしょうね。
性格がアレ過ぎて、欠片も僕は守りたい存在と思えませんが。
ゲーム補正なんかも皆無のようでほっとしています。
ヒロインを見た瞬間、攻略対象の僕は心惹かれたりしてしまうのではという懸念も正直あったんです。
運命というのでしょうか。
でも杞憂でした。
僕の運命の人はミーヤだけですからね。
「あっ、そこの悪役令嬢ですね?! ルペストリス王子は脅されているんじゃないですか? だって彼女は、灰かぶり姫なんだし!」
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