苺の誘惑 ~御曹司副社長の甘い計略~

泉南佳那

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第2章 麗しき副社長

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 へっ?

 え、ええっ、 恋人⁉︎
 なんで???
 なんで、見ず知らずのイケメン大王にいきなり求愛されるの?
 ど、どゆこと⁉

 わたしは思わずコーヒーを吹き出しそうになり、あわてて飲みこんだ。

 驚いて目を白黒させているわたしを面白そうな顔をして眺めながら
「もちろん、恋人といっても、〝フリ〟をしてほしいって話ですがね」

「そ、そりゃ、そうですよね。ああ、びっくりした」
 わたしはもう一度、コーヒーを口にした。

 なんだか、やたらと喉が乾く。
「もう少し詳しい事情をお話したいのですが……よろしければ、これから自宅のほうまでご足労願えますか。ちょっとここでは話しづらいので」

「はい、もちろん構いませんけど」

 いや、そりゃ行きますって。
 ここで詳細を聞かずに帰ったら、楽しみに観てきた連続ドラマの最終回だけを見逃すようなものだし。

 ただ、心のなかでは、いくらなんでも無理な話だと思っていた。

 この人とわたしでは、あまりにも住む世界が違いすぎる。
 彼とわたしはまさしく月とスッポン。
 そんな人と、いくら〝フリ〟とはいえ恋人なんて。
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