私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

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16話 私は家庭的なのでございます!

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トントントントントン___________


 私は今、包丁をもってお野菜を切ってます。


「ねぇ、お姉ちゃん…」
「うん、言いたいことはわかるよ? ゴーレムがなんで料理できるかでしょ?」
「うん」


 生まれて始めて料理を作ったんだけど、本当にうまくできるのかな?
 私的感覚では、料理するのは久しぶりって感じなんだけど、一応現世では始めてなんだよね。
 しかも口がないから味見ができないときた。

 あー不安だ。

 でも私がやらなければ誰がやる?

 ロモンちゃんもリンネちゃんも今はソファでへばっていて、MPを回復してる。
 ケル君は論外だ。
 つまり、人の形に近い私が作るしかない。

 あー、でもこの腕本当に料理しにくいなー!
足も短いし、やりにくいったらありゃしない。

 切った野菜と肉を炒めたり、煮たりしてとりあえず何品か作ってみた。


【できました、席についてください】
「うん……わかった……」
「うぅ……ちゃん出来てるかな?」


 二人はそんな愚痴をこぼしながら、食卓につく。


「見た目は……大丈夫だね」


 ロモンちゃんは、私の料理が盛り付けてあるお皿を手に取り、じっくりと顔を近づけて見ている。


「うん、匂いも大丈夫だね」


 鼻をすんすんと近づかせ、リンネちゃんは私の料理の匂いを嗅いだ。


「それじゃあ、食べてみよっか」
「うん、そだね」
「「いただきます、アイリスちゃん」」
【はい、召し上がれ】


 二人は恐る恐る私が作った炒め物をフォークで刺し、口の中にゆっくりと運んだ。
 ゆっくり、ゆっくりと噛み締めている。

 そして、二人は皿の横にフォークを、まるでショッキングなことがあったかのように同時に落とした。


「「おいしい……おいしいよ! アイリスちゃん!」」


 二人は目を輝かせ、私の方を勢いよくむいてそう言った。
 そう、美味しかったのね、なら良かった。

 彼女らはまた皿に顔を向かわせ、私の料理を美味しそうに食べ始めた。


「おいしー!」
「すごい、なんでも出るんだね! アイリスちゃんは!」
「どこでこんなの覚えたんだろうね?」
「さぁ…わかんないよね」


 キャッキャと喜びながら二人は美味しそうにご飯を食べてくれている。
 むふふ、作った甲斐があるってものよ!


「「ごちそうさま!」」
【お粗末様でした】


 相変わらず、食べるのは二人とも早いよね。
 すこし美味しく食べてくれてることに感動したいる間に、もう食べ終わってた…。

 ロモンちゃんとリンネちゃんは座ったままこちらに振り向く。


「どうしてなんでもできるの? アイリスちゃんは」
「そうそう、剣術もぼくより上手だし。これでも9歳くらいから毎日練習してたんだけどなぁ……」
【わかりませぬ。気づいたらできてたとしか。料理作るのも初めてでしたし】


 まあ、すべては前世の記憶のおかげ……だもんね。


「うわぁ…すごいね! 私達なんてお料理ちゃんと作れるようになるのに3ヶ月もかかったのに! ねー」
「ねー」


 ねーって、そうは言われても作れるものは作れるんだから仕方がないよね、こればっかりは。
 別にできることを隠すつもりはないし。


「でも、これでぼく達が冒険者になったとき、アイリスちゃんも料理当番できるね!」
「そうだね」
【おや、お二人とも冒険者になるのですか?】


 これは初耳だね。
 てっきりあんなことがあったから、冒険者なんて嫌いかと思ってた。


「うん、そうだよ! お母さんとお父さんが知り合ったのも冒険者をしてた時だって言ってたよね!」
「そうそう、だからぼく達、14歳になった半年後には城下町に行って冒険者になるの!」


 そっか、二人で決めたるなら私は反対もなにもない。


【そうですか、勿論私もついていきましょう。ロモン様の仲魔ですから】
「うん! お願いね」


◆◆◆


 ご飯を食べたあとは、魔流の気の訓練を再開。
 途中、二人は何回もMP切れを起こすんだけれども、なんとかMPの消費を抑えることに成功し、ロモンちゃんは『魔流波』、リンネちゃんは『魔流波』の取得にも成功した。
 コントロールはもう少し練習が必要だね、これは。

 おじいさんが午後、夕飯時に帰ってきた。
 どうやら、ボブゴブリンが現れたことに対しての村の警戒を強めたんだそうな。
 お疲れ様です。

 私は二人に頼まれて、おじいさんのために夕飯も作ることになってしまった。
 汁物メインの夕飯を作っている最中、ウォルクおじいさんが、ちょくちょく私をじーっと観察してるのが妙に気になったけど、構わないでおこう。

 私が料理を作っている間に、双子姉妹はウォルクおじいさんに今日の修行の成果を見せていた。

 それを聞いたウォルクおじいさんが、必死になにやら分厚い本みたいなのに急いで書き込んでたけど、あれはなんだったんだろう?
 魔物の研究してるって言ってたし、それ関係どよね。

 煮込み料理ができあがったので、全員を食卓に座らせて、料理を机に並べた。


「ほぉ……これがアイリスちゃんが作った料理か…魔物が料理つくるのは本当に珍しい」
「すごいよね! 私達より美味しいんだよ?」
「そうそう、ちょっと嫉妬しちゃうよね」


 二人はホッペたを膨らませながらそんなことを言っていた。可愛らしい。

 
「いただきます」


 おじいさんはそう呟き、私のお手製スープを一口、口の中に放りこんだ。

 そして、何かを試すようにゆっくりと噛みしめる。


「ほぉ……これは驚いた」
「「でしょ!」」
 

 おじいさんは今日は珍しく、姉妹二人よりご飯を食べ終わり、なにやらまた、さっきの本のようなものに書き込んでいた。
 あの書き込む作業は今に始まったことじゃないけど、気にはなるよね。

 後でお風呂でリンネちゃんに聞いてみよっかな。
 まあ、私の予想通り、ただの研究だとは思うけど。

 そうして双子姉妹がスープを食べ終わったので、私とリンネちゃんは一緒に二人でお風呂にはいる。

 いつ見ても、引き締まってて美しい身体。
 いやぁ、眼福眼福。

 私は早速お風呂の中で、リンネちゃんの背中を拭きながらおじいさんのあの行為について聞いてみた。


【あの、リンネ様】
「なぁに?」
【ウォルク様は、私をなにやら観察した後、本のようなものに何かを書き込んでいるみたいなのですが、あれは?】


 リンネちゃんは『なんだそんなことか』と言いたげな顔をした。


「あれね、おじいちゃんは昔々は、元凄腕の魔物使いだったの。それと同時に魔物の研究もしてるんだよ! ケルちゃんもガーナちゃんも、二人とも珍しい魔物らしくって、今まであの二人のこと沢山本みたいのに書いてたけど、おじいちゃんたとってそれよりアイリスちゃんの方が研究意欲っていうの? それをくすぐられてるみたい」


 つまり、研究者の一人として私を観察してるみたいな感じなのかな? 予想通りだったね。
 ご苦労様です。


【そうなのですか】
「うん、そうだよ!」


 私達はいくぶんかお風呂を楽しみ、割と早くでた。
 その後は割となにも変化はなく、明日からは二人の修行に新しく魔流波の訓練が追加されたから、それに付き合う約束をしたくらいだった。

 リンネちゃんのお部屋でこの日は寝かせてもらったんだけど、すごく少女趣味の可愛らしいピンクなお部屋だった。
 お人形さんとか沢山置いてあってね。

 それで、たくさんのお人形たちにもまれつつ、リンネちゃんがまるで抱き枕のように私の身体に絡みついてくるものだから、腕を潰さないように、リンネちゃんの寝顔をガン見しつつ寝た。
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