私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

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20話 全ては運次第でございます…

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 目的の場所に着いた。


「ここって……」


 ロモンちゃんはキョロキョロと首を動かし、周りを見渡している。


「私とアイリスちゃんが初めて会った場所だよね?」
【はい、そうです】


 返事しながら、みんなの方を振り向かずに、私は一番近くにあった、大きくて頑丈そうな木のそばまで行く。


【ウォルク様、お願いします】
「わかった…本当にいいんじゃな?」
【はい】


 おじいさんは私を、身動きがとれないように、その木にロープで頑丈に頑丈に縛り付ける。
 何重にも…何重にも。


「おじいちゃん……なんでアイリスちゃんを縛り付けてるの?」
「そうだよ! もうそろそろ教えてくれたっていいじゃない!」


 そうは言いつつも二人はおじいさんを止めようとしない。
 この私とおじいさんの哀しげな雰囲気に圧倒されているのだと思う。
 なにがなにやら分からず、二人は相当焦っているみたい。

 そろそろ、ワケを話してもいいよね。


【私は……これから進化します】


 ロモンちゃんとリンネちゃんは互いに顔を見合わせる。


「め……めでたいことだよ……ね? なんでこんなことする必要ある…の?」
「そうだよ! 病気じゃなかったんでしょ!?」


 その言葉を聞いたウォルクおじいさんは『はぁ…』と溜息を吐いてこう言った。


「……まだ、病気の方がよかったのかもしれん」


 その言葉に二人は唖然とする。
 一方は全く訳が分からず、もう一方はその訳がわかったからか…。


「おじいちゃん……もしかしてアイリスちゃん……魔王種になる可能性がある…の?」
「えっ!? 嘘……そんなの伝説上の話じゃ……」


 魔王の話はロモンちゃんは詳しく知っていたのか、今にも泣きそうな顔をしている。
 リンネちゃんは未だに信じられないみたいだ。


「確かに伝説的な話じゃ。だが、今まさにアイリスちゃんはその問題に直面している…現実でのことなんじゃよ。縛り付けている理由がわかったか……二人とも」


 おじいさんは今までにないくらいに厳しさと現実味を帯びた顔立ちで二人を諭す。
 
 ____双子の姉妹はついに溢れ出る感情が抑えきれなかったのか、泣き出してしまった。


「いやだ! アイリスちゃんはアイリスちゃんだもん! 私を助けてくれたの! 魔王なんかになるはずがないよ!」
「そうだよ、アイリスちゃんはぼく達の仲魔だよっ……魔王なんかじゃないよぉ………」


 滝のように涙を流す二人に、私は声をかける。


【二人とも、私はこの一週間とても楽しかった。本当に。なにもここで私が絶対死ぬワケではないんです。極至種になる可能性だって高いんです。ですが、仮に魔王になった場合、私は世界の敵となります。大好きなあなた方だって殺してしまいます。それは、絶対嫌だから、私が魔王になったらその"爆発するように改造した棍棒"をウォルク様に投げてもらい死ぬつもりです。ですが、極至種になった場合……また、一緒に過ごしましょう】


 二人は涙が流れ出ているまま、無理に笑顔をつくってこう言った。


「うん……一緒に」
「絶対、極至種になってね!」


 首を傾け、頷きつつ言葉を返す。


【はい、勿論です】


 そしてもう一度姿勢を正し、いよいよ進化することにした。


【それでは……進化します、もし魔王になったらすぐに……】


 おじいさんさんは静かに頷く。


「あぁ、わかっておる」


 ……さあ、これで準備はできた…進化しよう。
 そう、私はそう進化する旨を頭の中でイメージする。

 すると、こんな表示が出た。



【進化します
結果予測:それぞれ16.6%の確率

トゥーンゴーレム→リトルメタルゴーレム
        →リトルフレアゴーレム
        →リトルスピーディゴーレム
        →リトルヘビーゴーレム 
        →リトルリペアゴーレム
        →リトルホワイトゴーレム

 以上からランダムです。

 特別な進化です。
 魔極進化→魔王種:58%
      極至種:42%     】



 魔王になる確率は58%ね…でも、私は諦めない。

 進化すると意思を強く心の中で決めた。
 その途端、私の身体はまばゆく、温かい未知の光に包まれる。
 この光包まれると、なにやら安心できるような気がする。

 そして、私の頭の中には、【進化中】というもじと、なにかの割合が表示された。


【進化中……31%】

 この割合が増える度に、私を包む光はだんだんと強くなっていく。

【進化中……63%】

 数がどんどん増えていく。

【進化中……74%】

 さぁ……どっちだろうか?
 私は死ぬの?
 それともまた、あの娘たちと過ごせるの?

【進化中……86%】

 ……。

【進化中……98%】


 そして、私の頭の中に今までも感じたことのないような感覚が駆け巡り__________





























【100%
 進化が完了しました。
 結果 ランクD→
 リトルリペアゴーレム〈極至種〉】

【レベルが1に戻ります。人間と関わった進化のため、ステータスに今後、ランクと契約した人間が表示されます】

【回復魔法『リペア』が『リペアム』に上がりました!】
【回復魔法『スペア』が『スペアラ』に上がりました!】


【特技『念話』が『無限念話』に上がりました!】
【特技『探知』が『大探知』に上がりました!】

【特殊特技『極みに至る知能』を習得しました!】
【特殊特技『極みに至る身体再生』を習得しました!】
【特殊特技『極みに至る補助・回復の凌駕』を習得しました!】
【特殊特技『極みに至る自然治癒」を習得しました!】

【種族特技『手腕完璧操作』を習得しました!】

【ユニーク特技『小石視点』を特別に習得しました!】
【ユニーク特技『習得の叡知』を特別に習得しました!】
【ユニーク特技『教授の凌駕』を特別に習得しました!】


◆◆◆


 私を包んでいた光が晴れ、シャットアウトされていた意識を取り戻す。

 私はロープに縛られていたはずなんだけど、身体が大きくなったからかな?
 無理に千切れたようにロープは切れていた。

 少し遠くで、ウォルクおじいさんが私に棍棒を構えながら、手の平もこちらに向けている。
 その手のひらもなにやらオレンジ色に光っていた。…あれは、ステータスを見るときのやつだ。

 ロモンちゃんとリンネちゃんは、私とおじいさんを、泣きはらした後の真っ赤な目で心配した顔で交互に見ている。

 しばらくしておじいさんは、手のひらをスッとさげた。
 それと同時に棍棒を構えるのをやめた。

 そして、こう言ったんだ。


「進化、おめでとう! アイリスちゃん」


 と。

 そしてその言葉を聞いた二人は、この上ないくらいの大はしゃぎをしつつ、私の元に駆け寄ってきた。
 


「やったぁぁぁぁぁっ! やった! アイリスちゃんっ」
「よかったよぉ……アイリスちゃん! アイリスちゃん!」


 私は二人を迎えるためそっと立ち上あがり、思わず、寄ってきた二人を、進化して発達したその長い腕と、二人と少ししか違わない身長をうまく使い、力を加減しながら抱きしめる。



【ご迷惑おかけしました。……これからも私、アイリスをよろしくお願いします】
「「うん!!」」
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