50 / 378
50話 スキンシップでございます!
しおりを挟む翌朝、私はロモンちゃんとリンネちゃんに起こされた。
「珍しいねー、アイリスちゃんが私達より遅いなんて」
「ねー」
本当にそうだ。初めてかもしれないよ。
まさか疲れた…のかな?
「アイリスちゃん、もしかして疲れてる?」
【えっ…疲れてるように見えますか?】
そう見えてるのかな? だとしたら、やっぱり昨日のが堪えてるのかもしれないね。うーん、魔法の連続使用は疲れるのかな、やっぱり。
MPを消費するだけが魔法じゃなかったんだね。
「まぁね、アイリスちゃんがこの時間まで寝てるのって珍しいからね」
この時間…?
そう言われて慌てて私は時計を見た。既に午前9時。うわぁ、今日の私は寝坊助だなぁ…。
もうこうなったら、最近、丸一日の休みはなかったし休んでもいいかもしれないね。
【お恥ずかしいです……。あの…では…その…今日は一日、おやすみにしましょうか?】
「わかった! そうしようね」
「おやすみかぁ…」
下手に喜んだりしないのね。まぁ、ここ数ヶ月は休まないのが当たり前みたいになってたしね。
【では、私は遅いですが朝ごはんの用意を……】
私がベッドから降りようとすると、ロモンちゃんが引き止める。
「もう、朝ごはん食べたからいいよ」
【おや…そうですか…】
「うん、だからね、それより」
起きていて、すでに着替えている2人はベッドに潜り込んできた。いつも寝ている時のように両脇に。
【おや、またお眠りになるのですか? まぁ、おやすみですから、それも良いでしょうね】
「んふふー、違うよー」
そう言って、寝転がり始めたロモンちゃんとリンネちゃん。…なんと、ロモンちゃんは私の頭を撫で始めた。リンネちゃんは手を握ってくる。
【おや…なんでしょうか?】
「お母さんがねー、仲魔を可愛がるのも大事だって、むかし言ってたの。そういえばアイリスちゃんに、魔物使いらしい事、何もしてあげてないから」
「その次は僕の番だよ? ロモン」
ロモンちゃんの細いくて小さな手で撫でられる…やっぱり良いね。
でも、だんだんとロモンちゃんの手か下がってきて、今度は私の顎にきた。
そこを、まるで犬や猫を撫でる時のように撫で始める。
私に感覚なんてあんまりなかったハズなんだけど、これはすごく気持ちいい。
「ここは初めて撫でるよねー。ここが弱い子が多いってお母さんに教えてもらったんだけど、どうかな?」
【気持ちいでふ】
「ふふー、よかったー」
ロモンちゃんはとても満足気だ。
そうか、今日はこんな風にスキンシップをとってもらえるのかな。
「次はぼくだよ」
今度はリンネちゃんが私の頭を撫でる。
双子だからか、撫で方の癖とか手の大きさとかほぼ同じだけどね。
「どー?」
【いいです、気持ちいです】
「そっか、次はここだね」
今度は顎を撫で始めた。
いいよ、いいよ、これはいい。
美少女2人に撫でられるのは最高の気分だ。
「次はどうするの? ロモン」
「んーとね……次はね、こうするんだよ。アイリスちゃん、ちょっと身体を起こしてくれる?」
【はい】
私が身体を起こすのと一緒に、ロモンちゃんも起き上がり、そして、私に抱きついてきた!
今の私は幼体化でトゥーンゴーレムになってるから、ロモンちゃんとアイリスちゃんより小さい。
大きめの人形くらいで、抱きつきやすいだろう。
「アイリスちゃん、ひんやりしてる」
ロモンちゃんは自分のほっぺたを私に擦り付け、片方の手で私を撫でている。
ひんやりしてるのは、私が鉱物だからだね。
「ロモン、それってアイリスちゃんを可愛がってるって言うより、ロモンが楽しんでるんじゃないの? いいなー」
「違うよ、お姉ちゃん。これはね、可愛がりながら楽しんでるんだよ」
「…………そろそろ代わってね?」
「まだダメー」
そう言うと、さらに身体全体を私に押し付けるように抱きついてくるロモンちゃん。
それをリンネちゃんは比喩ではなく、本当に指を咥えながら恨めしそうにロモンちゃんを見ていた。
「あ~、アイリスちゃんスベスベだよぉ!」
「あーうー……代わってぇ…」
「あとちょっと、あとちょっと」
あとちょっとと言いつつも、どうみたって離れる気のないロモンちゃん。
ふへへへへ、ロモンちゃんもスベスベだよ。
「ローモーンーまだー? ぼくもアイリスちゃんギュッてしたいよー」
「ふぅ……そろそろいいよ」
そう言ってロモンちゃんは私から離れたけど、今度はリンネちゃんが勢いよく抱きついてくる。
「うへへ、スベスベー」
リンネちゃんは私の顎を撫でながら、頬を擦り付けている。
さっきから思ってたんだけど、正直言うと、2人とも私にすごく密着してるから、胸当たる。柔らかい。最高ですよ。
「むふー」
ロモンちゃんと大体同じくらいの時間、私に抱きついていたリンネちゃんが、満足気な顔をしながら離れた。
さて、次は何をしてくれるんだろう…。
「どう?」
【とても良かったです! もっとして欲しいです、もっと!】
「アイリスちゃんがもっとって言うなんて珍しいね」
「じゃあ私達ももっとなでなでするね!」
このあと私は2人がお昼ご飯を食べるまで、スキンシップをとってもらった。
可愛がられるペットってこんな気持ちなのかしらん?
そのあと一緒にお菓子を作ったり、お昼寝したりして過ごした。
また、お風呂はいつもより少し長めに一緒に入って、夕飯も一緒に食べた。
そして、夜中になった。
最近、ロモンちゃんとリンネちゃんの寝ながらお臍を出しちゃう癖はなおりつつあるみたい。
リンネちゃんから抱きつかれてる状態から、惜しみつつも脱出し、私はギルドへと向かった。
そういえば、ランクが上がるんだっけ。今日は休まずに明日休めば良かったかな。
それに、今日からネフラ君が来なくなる可能性がある。一昨日の分、まだ売却し終わってない。
これからだってそうだ。どうしよう、売りに行くの…。
色々とごちゃごちゃ考えながら私はギルドの戸を開いた。
そこには、いつもの面子の冒険者さん達と、酒臭いギルドマスター。それに、ネフラ君と…お姉さんが居た。
「おおっ! あのゴーレムが来たぞ、ジエダちゃん」
いつも何かと私に絡んでくる鎧を着た冒険者が、私に気がついたようで、そのお姉さんにそう言った。
さっきまでギルドマスターと話していた彼女はこちらを振り向いた。
ネフラ君はそれを聞くと、私の方に駆け寄ってくる。
「ゴーレムさん、ゴーレムさん! お姉ちゃんが元気になったんです。本当にありがとうございましたっ」
ネフラ君は元気に御礼を言いながら、私に頭をさげる。
【そうですか、それは良かった】
1日で元気になった…?
それはすごい。この子のお姉ちゃんの回復力が凄いのか、あるいはわたしの回復魔法が凄いのかはわからないけれど。
ネフラ君が頭を下げ終えると、ジエダという名前らしいそのポニーテールの女の子は、私の元にやってきた。
#######
前日、予告していた通りでございます。
次の投稿は、6/16日となります。
この作品を投稿してから1ヶ月の記念日ですね!
0
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる