私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

文字の大きさ
171 / 378

170話 紹介されたダンジョン探索でございます!

しおりを挟む
「それでは行ってきます」
「うん、行ってらっしゃい」

 
 お昼ご飯を食べ終わったので、私達はオーニキスさんから紹介されたダンジョンへと行ってみることにした。リンネちゃんと一緒にね。
 ロモンちゃんにはケル君の魔流の気の様子をみるためにお留守番してもらうの。


「どんなダンジョンだろうね」
「わかりませんね、こればっかりは」


 街の外に出て私はゴーレムの姿になる。
 空を自由に飛べるようになったからこその移動手段。
 手を乗り易いように形作り、ロモンちゃんを安全に座らせた。


「アイリスちゃんのゴーレムの時の手って、本当に自由自在だよね」
【ええ、まあ。でもそれがないと私以外は空飛べませんし】
「前に手に入れたあの盾を使えば飛べるよ、ぼく達でも」
【そういえばそうでしたね】


 でもここからそのダンジョンに移動するのは多分これっきり。転移魔法陣を貼っちゃうから次から簡単に行き来できる。
 

「うー、でもちょっとお尻冷たいな…」
【まあ、身体はミスリルと何かの合金ですからね】


 そういえばこの状況ってリンネちゃんのお尻に公認でお触りできてるんじゃないだろうか。そう考えるとなんだか得した気分になるわね…。ふひひ。


「……? アイリスちゃん、どしたの?」
【い、いえなんでもありません。行きましょう】


 質量のないレーザービームを固めた作ったような緑の羽根を広げ、私は空を飛んだ。
 ただの小石からゴーレムへ…そして空中移動型への移行。よく考えたらすごい進化ね。
 そもそもこの手を使えば前々から空は飛べてたわけだけど。

 20分間の空の旅。
 鳥や鳥の魔物にぶつからないようにうまく身体と手をコントロールしなきゃいけない。


「すごーい! 風が気持ちいい!」
【そうですか、良かったです】


 風になびくリンネちゃんのショートカット。
 ううん、長さ的にショートボブって言った方がいいかしら。いやぁ…なかなか色っぽいわ。
 自分に色気や可愛さが無いとかリンネちゃんは考えてるみたいだけど、リンネちゃんにそれらが無かったとしたら他の人たちはどうなるのかしらねー。私なんて見るにも耐えないなんてことになりそうね。


【ここら辺のはずですが…】


 地図で書き示してある地点に着いたけど、森の中だから木が邪魔でさっぱり見えない。


「ぼくがここから見て探すよ!」
【お願いします】


 視力がいいリンネちゃんは魔流の気でさらにそれを高めながら森の中をのぞいた。あまりに身を乗り出すものだから落ちちゃいそうで怖い。
 まあ…リンネちゃん自身、空中を蹴って少しなら移動できるから落ちても自力でなんとかできるんだけど。


「あったよ! ここからもう少しだけ、ぼくから見て左上かな!」
【ありがとうございます…では、そこで降りましょう】


 私はゆっくりと地面に降りた。
 木の枝に引っかかってリンネちゃんが傷つかないように、がっちりガードしながら丁寧に。
 
 大きなもの音を立てずに着地に成功!
 これだ周りに魔物がいても気づかれてめんどくさいことになったりしないはず。一応、隠密の特技も使ってるしね。


「ここら辺…あったあった、あれだよね?」
【ええ、あれですね】


 地面からせり出ている土の隆起、それに横穴がポカリと空いていた。周りの魔力をある程度吸って光り続けるランプが置いてあり、薄暗い森の中のこの洞窟を少しだけ照らしている。
 きっと国の人か発見者が置いてってくれたのね。
 それ以外に手が加えられたようなところは見られないけど。
 私は人間の姿に戻った。


「では魔法陣を貼りましょう。私が貼りますね」
「はいよー」


 ダンジョンの入り口から数メートルだけ離れたところに転移魔法陣を置く。これで準備は完了かな。
 本格的に冒険することになったらこれを剥がして中まで持って行き、ダンジョンの中の中断したいところで貼れば、またそこから再スタートできる。
 ほんと便利よ、これは。


「入っちゃいます?」
「そうしようか。今回はどういうダンジョンか知るだけでもしようね」
「ええ」


 リンネちゃんは双剣がきちんと腰についているか確認する。私は杖剣、あとはロモンちゃんから借りた天道虫の盾も背中に背負っていつでも構えられるようにしておく。


「じゃ、レッツゴー!」
「ゴー! です」


 ダンジョンの中は必ず明るい。それ故に敵が来たら素早く対応するだけでいいと、リンネちゃんが先頭を行くの。私が背中をしっかり守る。
 さて、このダンジョンの名前は何がいいかしら、まだ名前が決められてないみたいだったし、私達が決めちゃっていいのかしらね。
 ふふふ、歩く魔物辞典と何回か言われたことがあるこの私が見定めてやろうじゃないの。

 あー、あと適正ランクとかも必要なら報告するのかしらね。
 天の道のダンジョンはEからDランクの魔物ばっかりが出るかと思いきやBランクやCランク亜種とかもでたから……仮に決めるとしたら途中までDランク適正で、そのあとはBランク適正ってところだったかな。

 まあボスはAランクの亜種以上(さらにダンジョン補正で強化されてる)って相場が決まってるからどんなダンジョンでもどっちみちAランクの冒険者パーティかSランクの冒険者しか挑戦できないんだけど。
 
 ……あれは野良ダンジョンだったし私達は実力が足りてたからクリアできたのよ! ここはどうなのかしらね。
 道中が弱くても、もしボスがSランクの超越種だなんてことになればまず勝てないもの。


「最初に出た魔物が肝心ですよね」
「うん、だね。それでこのダンジョンの特徴が決まると言っても_________! っと!」


 何かに気がついたリンネちゃんはバックステップ、その後に魔流斬を連続して飛ばした。
 この一連の動作がすばやすぎて目だ追えない。もう最初に会った時とは見違えるほど強くなっちゃって…とっても嬉しい。
 ……でも探知を消したままダンジョン入っちゃうなんて私ったら不注意だね…よくないわ。しっかりつけておこう。


「何が出ました?」
「んーと、ヒュージリザード…かな」
「どうやらそのようですね。リザードですか」


 ということはここはリザード系の魔物の出るダンジョンなのかしら。


「おっと」
「石が飛んで来ましたね」
「だ…ねっ!」


 石が飛んで来た方向にリンネちゃんはまた斬撃を飛ばす。すぐさま私達はそっちの方向に確認しに行った。
 そこには小さな手足が生えた何かのマスコットキャラみたいな2頭身の人型のリザードマンが。


「今度はトゥーンリザードマンですか。どうやらリザード系二系統が出るようですね」
「うわぁ…リザードマンもか…めんどくさそうだね…」


 リザードには主な系統が二つある。
 ヒュージ系統とリザードマン系統。違いは明確でヒュージ系がでかいトカゲの魔物。リザードマンはトカゲ人間。
 ぶっちゃけ猿と人間くらい違うけど一応どちらもリザード系ってことにはなってる。
 野生での生まれ方もだいぶ違うし、もはや別の魔物なのにね。

 リザードマンがめんどくさい理由としては知性があったり、武器を使ったりするからね。仕事の時に一回遭遇したきりだけど、あの時はあまり強くないランクのやつらだったし楽勝だった。
 でもBランクのリザードマン系になってくると本当にめんどくさい。


「ここのダンジョンはなんて命名したら良いと思いますか?」
「そうだね…トカゲの魔物はドラゴンの祖先とか言われてるから、劣化竜のダンジョン…でもそれはワイバーンが居るし…双種蜥蜴のダンジョンってのは単純かな」
「いや、私もそれしか思い浮かびません。とりあえずそれでいきましょう」


 何かいい名前ないかなー。考えるのって案外めんどくさいのね。天の道のダンジョンだなんて考えた人のセンスはすごいわ。


「とりあえずもう少し探索する?」
「そうですね、そうしましょう」



#####

次の投稿は9/9です!


まこの作品もファンタジー大賞の方に応募しております! 是非とも投票お願いします。
しおりを挟む
感想 142

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

処理中です...