私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

文字の大きさ
193 / 378

192話 騎士さん達と常駐でございます!

しおりを挟む
「……と、言うわけでもう皆、知ってると思うが私の娘達がこの部隊に常駐することになった。よろしく頼む」
「「「よろしくお願いします!」」」
【よろしくなんだゾ!】


 それなりの人数の前でちょっとした自己紹介。半分以上の人が何かしら一緒にお仕事してあるから今更って感じはあったけどね。
 そんなことより驚かれたのがやっぱりケル君。
 まだスムーズに念話を話すことしか披露してないけれど、それだけでも十分みたい。

 
「な、ところでリンネとロモンにお願いがあるんだが」


 紹介が終わった後、私たちを小屋の裏に呼びだしてお父さんが手を合わせる。なんなんでしょうか。


「なぁに? なんでも言ってよ!」
「そうだよ!」
「あー、いやその、な。食料は限られているから食事の時はあまり本気を出さないで欲しいんだ」
「なんだー、そんなことか」
「わかったよ」


 大食いは食料を一気に減少させるものね。大食いで生活していけるほど食べるこの二人が本気になったら、たった数日で残りの食料がなくなってしまうでしょう。


「どうしてもお腹がすいたら、食べられる魔物を森の中で探してくるよ」
「えっ…。い、いいが、私に許可をとってからな」
「「わかってるって!」」
「助かる。……そういえばケルは?」
「あれ?」


 私達は周りをキョロキョロと見回した。
 必ず私たちにべったりとついてくるケル君が、たった一匹でどこかに行くなどあり得ないんだけどな。


【ゾー、なでなで嬉しいぞ!】


 あ、居た。
 なんだ、女性隊員が控えているところに行ってたんだ。 
 念話が聞こえて方から私たちが様子を見に行くと、5、6人の女性隊員からもてはやされてる姿が見えた。

 ちなみに今まではずっと封書の中に入れたりしてたので、ケル君を初めて見る隊員さんも多いはずよ。


「ね、ね、ドッグ君」
【オイラの名前はケルなんだゾ!】
「人の言葉がわかるの? すごーい!」
「さすがはあの団長お二人の、娘さんの仲魔よねっ」
「じゃあケル君、この干し肉食べる?」
【くれるの? ありがとうなんだゾ!】
「「かーわいいーっ!!」」


 もらった干し肉をかなりお行儀よく食べている。いつの間にか幼体化していることからも、ケル君って実は自分の可愛さに気がついてるんじゃないかしら?
 
 べ、別に羨ましかったりはしない。 
 私が好きなのはあくまで、ロモンちゃんやリンネちゃんぐらいの歳の女の子なんだから。
 ……あのうち一人の大きな胸、柔らかそうだなぁ。


「ケルはあのままでも大丈夫そうだね」
「これからまた訓練しようと思ってたけど……まあ、今日は別にいいか」
「……なあ実はパパ、今日やるべき事は終わってるんだ。剣を教えてやろうか?」
「ほんと? やったぁ!」


 リンネちゃんはジャンプして喜びを表しながら、お父さんに抱きついた。そして私たち二人に自由に過ごしてるように言うと、広い場所へと行ってしまった。
 ふむ、ということは私はロモンちゃんと二人になりますな。


「さてロモンちゃん。久しぶりに二人っきりですね。隊員さん達から話しかけられたらそうもいきませんが」
「えへへ、そうだね」
【……では、甘えさせてくださいねっ!】


◆◆◆


 むふー、満喫した。
 久しぶりに念入りに手入れしてもらったし。何も仕事してないけど、1日目ならこんなものかしらね。


【ふー、たくさんナデナデしてもらったんだゾ!】
「あ、おかえり、ケル」
【ただいまなんだゾ!】
「どうでしたか?」
【どうでした…って、何がなんだゾ? とりあえずここにいる人達の全員のニオイは覚えたんだゾ!】


 可愛がってもらいながらそんなことしてたのか。やはり賢い。別のニオイが入ってきたら即座にわかるってことね。蜘蛛人間を探すのに役立つかもしれない。


「あ、3人ともいるねぇ! ね、ね、聞いてよ! お父さんがね、前よりもさらに強くなったって! 素早さも上がってるってさ」
「良かったですね」
「あとケル、明日からまた訓練するからねーっ」
【よろしくなんだゾ! あ、中には練習に付き合ってくれるっていう団員さんも居たんだぞ、オイラ、もっと強くなるゾ!】


 実戦経験がかなりあるこの部隊の人たちに練習を付き合ってもらうのは、天才のケル君にとって大きな発展になるでしょうね。
 この騒動が終わる頃には、どれほどの強さになってるのかしら。

  
「そういえばお父さんが、ここの隊員達は自己鍛錬に励んだり、さらに高みを目指す精神の人が多いから、練習を付き合ってくれるように頼んできたりするし、逆に頼んだらまず断らないだろうってさ! なにか練習したいことがあるなら良いんじゃないかな?」
「そうですか、覚えておきますね」


 と言っても私が覚えたいことなんて今はそんなにないんだけどね。剣術をもっと練度を上げ、武術も鈍らないようにするとか? それくらいかな。
 

「それよりそろそろご飯だよ!」
「私たちは手伝わなくて良かったのですかね?」
「さあ、当番制で一気に作っちゃうらしいから…もしかしたらボク達の番の日もあるかもしれないね」


 私たち三人と一匹は、あてがわれたスペーカウ皮製の立派なテントの中から出て食堂テントへと向かう。
 テントには人がぎっしりで、私たちは女の人が固まってる場所に手招きされたの。


「よろしいのですか?」
「うんうん、女の子だからね」
「では、お邪魔しますね」


 この部隊はまるで学校のように男女が分かれる。つまり、明確に男女を分けてるわけじゃないけど、自然と分断するのね。
 かと言って男性と女性が仲悪いかといえば、やはり学校のようにそんなことはない。
 付き合っているのか、二人でくっつきあって食べている人もいるほどだし。


「それにしてもいーなー、前々から思ってたけど、三人ともすごく美人さん」
「そ、そうです…かね?」
「グライド団長とノア団長の娘でしょ? 当たり前じゃない?」
「ねー、その二人さ、普段はどんな感じなの?」


 ロモンちゃんとリンネちゃんはあの二人が家ではラブラブしてることを話した。
 いたずら合戦をしたり、かと思えば抱きつきあったり頭を撫であったり。
 普通だったら意外だとか言われるようなことばかりだけど、女隊員さん達の反応は普通だった。


「やっぱり、家でもそんな感じなんだね」
「……まさか、職場でもですか?」
「うん、今回も数日に一回しか帰れない上に、ノア団長も忙しいから会えるタイミングが合わないって、日に日に弱っていくようだったのよ」
「貴女たちが来るようになってからよ? いつもの元気でかっこいい団長に戻ったの」


 仕事先でもお母さんといちゃついてる上に、会えなくなると目に見えてしょんぼりするだなんて……全くの予想通りね。うん。


「上から三人がここに来るって聞いた時の団長の顔ったら、ね!」
「もー、すごーくにこやかで」


 それは一体どんな顔をしてたんだろ。凹んでる時のを見てみたい気もする。
 

「そういえば、三人とも気をつけてね」
「えっ?」
「ほら、美人だからさぁ…。いいよってくるアホとか居るかもしれないけど、ほら、蔑ろにしちゃっていいから」
「えぇ……そうですか?」
 

 私に言い寄ってくる人なんているのかしらね? 酒場じゃ結構居るけど、あれはお酒が入ってるが故のネタみたいなものだろうし。
 ま、来たら来たで……本気だったらやっぱり顔で決めようかしらね。
 少なくともそうね、ガーベラさんとか同等かそれ以上じゃないとダメね。
 

#####

次の投稿は12/6です!
しおりを挟む
感想 142

あなたにおすすめの小説

神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか

佐藤醤油
ファンタジー
 主人公を神様が転生させたが上手くいかない。  最初は生まれる前に死亡。次は生まれた直後に親に捨てられ死亡。ネズミにかじられ死亡。毒キノコを食べて死亡。何度も何度も転生を繰り返すのだが成功しない。 「神様、もう少し暮らしぶりの良いところに転生できないのですか」  そうして転生を続け、ようやく王家に生まれる事ができた。  さあ、この転生は成功するのか?  注:ギャグ小説ではありません。 最後まで投稿して公開設定もしたので、完結にしたら公開前に完結になった。 なんで?  坊、投稿サイトは公開まで完結にならないのに。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...