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卵の中
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(なに……を言っているんだ?)
ふわふわと優しく撫でられたてあろう部分から、じんわりと温もりが広がっていく。
「おお! やはり腹が減っていたようだな。わしの魔力をぐんぐん吸っておるぞ! こいつは将来大物になるな!」
「ええ、アナタと私の子ですもの。きっと元気な子が生まれるわ」
——魔力?
まるでファンタジーみたいな単語が、当たり前のように飛び交っている。
撫でられるたびに、身体の奥へゆるゆると温かさが流れ込み、抗えない眠気がまた押し寄せてきた。
(……ああ、そうか。シチュボを聴きながら寝落ちしたせいで、こんな夢を見てるんだな。
最近忙しかったし、疲れてたんだ。
妙に感覚がリアルなのも、きっと夢だから。そうだ、きっとそう。
また目を開ければ、いつもの見慣れた天井があるはずだ。
(もういいや……このまま……二度寝しよう……)
「坊や、お前はきっと良い戦士になるわ」
「いずれ一族を率いる強い長になるだろう。……生まれるのが楽しみだ」
「そうね、早く顔が見たいわ。私たちの坊や」
——。
あれから数日。
結論として、この現状は夢でも何でもなく、正真正銘の現実だった。
何度寝ても、何度目を覚ましても状況は変わらない。
周囲の会話や気配から察するに——どうやら俺は、本当に卵の中にいるらしい。
最初はもちろん混乱した。
だが案外、困ってはいない。
両親(?)から日々魔力を与えられ、甘やかされ、ぬくぬくと温かい殻の中で過ごしている。
外の景色は見えないが、足音や声の響きで巣の近くの様子は何となくわかるようになった。
ここ数日で理解したことがいくつかある。
俺を坊やと呼ぶ二人は、俺の両親で、ハーピーという魔族の長とその番だということ。
ここはどこかの山の上にある、ハーピーたちの巣ということ。
……俺は今、異世界転生してハーピーの子になっているということだ。
ふわふわと優しく撫でられたてあろう部分から、じんわりと温もりが広がっていく。
「おお! やはり腹が減っていたようだな。わしの魔力をぐんぐん吸っておるぞ! こいつは将来大物になるな!」
「ええ、アナタと私の子ですもの。きっと元気な子が生まれるわ」
——魔力?
まるでファンタジーみたいな単語が、当たり前のように飛び交っている。
撫でられるたびに、身体の奥へゆるゆると温かさが流れ込み、抗えない眠気がまた押し寄せてきた。
(……ああ、そうか。シチュボを聴きながら寝落ちしたせいで、こんな夢を見てるんだな。
最近忙しかったし、疲れてたんだ。
妙に感覚がリアルなのも、きっと夢だから。そうだ、きっとそう。
また目を開ければ、いつもの見慣れた天井があるはずだ。
(もういいや……このまま……二度寝しよう……)
「坊や、お前はきっと良い戦士になるわ」
「いずれ一族を率いる強い長になるだろう。……生まれるのが楽しみだ」
「そうね、早く顔が見たいわ。私たちの坊や」
——。
あれから数日。
結論として、この現状は夢でも何でもなく、正真正銘の現実だった。
何度寝ても、何度目を覚ましても状況は変わらない。
周囲の会話や気配から察するに——どうやら俺は、本当に卵の中にいるらしい。
最初はもちろん混乱した。
だが案外、困ってはいない。
両親(?)から日々魔力を与えられ、甘やかされ、ぬくぬくと温かい殻の中で過ごしている。
外の景色は見えないが、足音や声の響きで巣の近くの様子は何となくわかるようになった。
ここ数日で理解したことがいくつかある。
俺を坊やと呼ぶ二人は、俺の両親で、ハーピーという魔族の長とその番だということ。
ここはどこかの山の上にある、ハーピーたちの巣ということ。
……俺は今、異世界転生してハーピーの子になっているということだ。
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