どうしてこんな拍手喝采

ソラ

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8分の1の生き甲斐

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背に背負った重みに自然と口元が緩んだ。

「家帰って梅ちゃんに自慢するわ!」

明人は黙って頭を撫でてきたが機嫌がいいので放置しておこうと思った。

もう9:30前の真っ暗な校舎を出れば、真っ暗な夜の景色があった。

「もう真っ暗だな~」

「ああ、この時間帯はあぶない、冰澄、あれはお前を迎えに来たやつか?」

明人の言葉で、俺は正門に目を向けた。ちょうどあのヤクザが車から降りてきたところだ。

俺は、冰澄の氷の目を見た。

その目は政宗ではなく、隣の外国人を見ていた。

「うわ」

冰澄の嫌悪の顔に俺はつい吹き出して笑った。

「めっずらしー冰澄が嫌いなやつできるなんて」

「冰澄に嫌いなやつか…」

「俺だって人間ですから」

そう言ったら冰澄は足を進める。俺たちもそれに続いた。
車の前で足を止めるかと思えば、華麗にスルーして歩き続ける。

「え、待って、冰澄」

「なんですか」

「いいのかあれ」

「なんですかあれって」


「ひどーいヒスミ無視はひどーい」

はぁと鬱陶しそうに冰澄のため息が聞こえた。この外国人はヒスミの顔を横から覗き込むとニコニコと笑い出す。

それを冰澄は嫌悪を含んだ氷の目で見つめた。

「何か?」

「んんーマサムネの大切な子っていうだけで興味がね」

「歴代の"大切な子"にもしつこく?」

「……ふふ、いーや。君にだけだよ。まず君が波津ってことに意味がある。ね、君、純日本人じゃないよね。」

さっと冰澄の顔から血の気が引いたのがわかる。俺は冰澄の腕を引っ張って背中に隠した。

「んー?話は邪魔しないでね。大事な話なんだ。」

「てめぇと話してるとどうやら冰澄は気分悪くなっちまうらしい。」

「誰だあんた」

俺と明人の言葉に外国人は小さく笑った。

「名前は諸事情により言えない。ヒスミ、君にとって重大な話だ、出生のね。」

「……先輩、大丈夫です。」

「でも」

「大丈夫です」

強い言葉で俺たちを押しのけると外国人の前に堂々冰澄は立った。

「たしかに俺は純日本人じゃない。でもそれがなんだ?」

外国人はふふと笑うと冰澄の耳元で何かを囁いた。


そう、呟いたのではない。

囁いたのだ。

___まるで悪魔のような笑みを浮かべて。
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