11 / 28
ルリナはニルワームにお願いしてみる
しおりを挟む
「まずは一番簡単なスプーンから使ってみよう」
「はーい。って……ひよぉえぇぇええ!?」
スプーンの持ち方を超至近距離で教えてくれた。
しかもニルが私の手に触れ、スプーンの正しい持ち方をおしえてくれたのだ。
「す……すまない。やはり私が実技をしてみて覚えたほうが良いか?」
「すみませんビックリしちゃって……。でもこのほうが覚えやすいから続けて欲しいです」
「そうか。では、このままスプーンでスープをすくい口に入れる。このように……」
「ひえっ!!」
スープが思っていたよりも温かくて変な声を出してしまった。
今まで食べたことがあるスープって冷たいものばかりだった。
こんなに温かくて身体がポカポカしてきそうなごちそうは初めてなのである。
「大丈夫か? 試しに自分でやってみるか」
「はい。えぇと、こうやって……」
スプーンでスープをすくって口の中へ入れる。
そして飲み込む。
美味しい。
「どうですか?」
「完璧だ。やればできるではないか」
「ありがとうございます」
「続けてフォークの使い方を教えよう。もし上手くいくようならナイフもチャレンジしてみようか」
美味しいご飯を食べながら、ニルの指導は続いた。
持ち方をスプーンのように直接教えてもらうたびに、私の心臓の鼓動も早くなっていった気がした。
ご飯は美味しいし、ニルから教えてもらったおかげでより美味しく食べられた気もする。
「ふむ……。まさか一度教えただけでここまでしっかりと使いこなせるようになるとは……」
「教え方が上手だからです。ありがとうございます」
「細かい部分はまた追々教えるとして、きみなら飲み込みも早いし数日もあればマスターできるだろう」
覚えるのに必死だけど、なるべく一度で覚えられるようにしたかった。
ところで、ニルに対してひとつだけ気になることをぶつけてみた。
「ニルと呼ばせていただいているので、どうか私のこともルリナと呼んでいただけませんか?」
「な!? 良いのか!?」
「もちろんですよー! ツバキさんも私のことは名前で呼んでくださっていますよ」
私はなにげなく言ったことだった。
だが、なぜかニルの顔が真っ赤に変わっていく。
「で……では、ルリナよ。よろしく頼む……」
「はーい、ニル♪」
王子に対して友達という類で言ってしまうのは失礼かもしれない。
だが私は、ニルとさっきまでよりも仲良くなれたような気がしていた。
人同士で仲良くなれることが嬉し過ぎて、今日はなかなか眠れる気がしない。
と思っていたのだが、前言撤回。
ベッドのふかふかにはどんな心境も敵わないようで、すぐにグッスリと眠りにつけた。
ぐぅ~。
「はーい。って……ひよぉえぇぇええ!?」
スプーンの持ち方を超至近距離で教えてくれた。
しかもニルが私の手に触れ、スプーンの正しい持ち方をおしえてくれたのだ。
「す……すまない。やはり私が実技をしてみて覚えたほうが良いか?」
「すみませんビックリしちゃって……。でもこのほうが覚えやすいから続けて欲しいです」
「そうか。では、このままスプーンでスープをすくい口に入れる。このように……」
「ひえっ!!」
スープが思っていたよりも温かくて変な声を出してしまった。
今まで食べたことがあるスープって冷たいものばかりだった。
こんなに温かくて身体がポカポカしてきそうなごちそうは初めてなのである。
「大丈夫か? 試しに自分でやってみるか」
「はい。えぇと、こうやって……」
スプーンでスープをすくって口の中へ入れる。
そして飲み込む。
美味しい。
「どうですか?」
「完璧だ。やればできるではないか」
「ありがとうございます」
「続けてフォークの使い方を教えよう。もし上手くいくようならナイフもチャレンジしてみようか」
美味しいご飯を食べながら、ニルの指導は続いた。
持ち方をスプーンのように直接教えてもらうたびに、私の心臓の鼓動も早くなっていった気がした。
ご飯は美味しいし、ニルから教えてもらったおかげでより美味しく食べられた気もする。
「ふむ……。まさか一度教えただけでここまでしっかりと使いこなせるようになるとは……」
「教え方が上手だからです。ありがとうございます」
「細かい部分はまた追々教えるとして、きみなら飲み込みも早いし数日もあればマスターできるだろう」
覚えるのに必死だけど、なるべく一度で覚えられるようにしたかった。
ところで、ニルに対してひとつだけ気になることをぶつけてみた。
「ニルと呼ばせていただいているので、どうか私のこともルリナと呼んでいただけませんか?」
「な!? 良いのか!?」
「もちろんですよー! ツバキさんも私のことは名前で呼んでくださっていますよ」
私はなにげなく言ったことだった。
だが、なぜかニルの顔が真っ赤に変わっていく。
「で……では、ルリナよ。よろしく頼む……」
「はーい、ニル♪」
王子に対して友達という類で言ってしまうのは失礼かもしれない。
だが私は、ニルとさっきまでよりも仲良くなれたような気がしていた。
人同士で仲良くなれることが嬉し過ぎて、今日はなかなか眠れる気がしない。
と思っていたのだが、前言撤回。
ベッドのふかふかにはどんな心境も敵わないようで、すぐにグッスリと眠りにつけた。
ぐぅ~。
32
あなたにおすすめの小説
聖女の任期終了後、婚活を始めてみたら六歳の可愛い男児が立候補してきた!
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
23歳のメルリラは、聖女の任期を終えたばかり。結婚適齢期を少し過ぎた彼女は、幸せな結婚を夢見て婚活に励むが、なかなか相手が見つからない。原因は「元聖女」という肩書にあった。聖女を務めた女性は慣例として専属聖騎士と結婚することが多く、メルリラもまた、かつての専属聖騎士フェイビアンと結ばれるものと世間から思われているのだ。しかし、メルリラとフェイビアンは口げんかが絶えない関係で、恋愛感情など皆無。彼を結婚相手として考えたことなどなかった。それでも世間の誤解は解けず、婚活は難航する。そんなある日、聖女を辞めて半年が経った頃、メルリラの婚活を知った公爵子息ハリソン(6歳)がやって来て――。
【短編】追放された聖女は王都でちゃっかり暮らしてる「新聖女が王子の子を身ごもった?」結界を守るために元聖女たちが立ち上がる
みねバイヤーン
恋愛
「ジョセフィーヌ、聖なる力を失い、新聖女コレットの力を奪おうとした罪で、そなたを辺境の修道院に追放いたす」謁見の間にルーカス第三王子の声が朗々と響き渡る。
「異議あり!」ジョセフィーヌは間髪を入れず意義を唱え、証言を述べる。
「証言一、とある元聖女マデリーン。殿下は十代の聖女しか興味がない。証言二、とある元聖女ノエミ。殿下は背が高く、ほっそりしてるのに出るとこ出てるのが好き。証言三、とある元聖女オードリー。殿下は、手は出さない、見てるだけ」
「ええーい、やめーい。不敬罪で追放」
追放された元聖女ジョセフィーヌはさっさと王都に戻って、魚屋で働いてる。そんな中、聖女コレットがルーカス殿下の子を身ごもったという噂が。王国の結界を守るため、元聖女たちは立ち上がった。
【本編完結・番外編追記】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。
As-me.com
恋愛
ある日、偶然に「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言する婚約者を見つけてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃりますが……そんな婚約者様はとんでもない問題児でした。
愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私は他の女性を愛するあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄します!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
番外編追記しました。
スピンオフ作品「幼なじみの年下王太子は取り扱い注意!」は、番外編のその後の話です。大人になったルゥナの話です。こちらもよろしくお願いします!
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』のリメイク版です。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定などを書き直してあります。
*元作品は都合により削除致しました。
自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?
長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。
王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、
「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」
あることないこと言われて、我慢の限界!
絶対にあなたなんかに王子様は渡さない!
これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー!
*旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。
*小説家になろうでも掲載しています。
虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。
ラディ
恋愛
一つ違いの姉と比べられる為に、愚かであることを強制され矯正されて育った妹。
家族からだけではなく、侍女や使用人からも虐げられ弄ばれ続けてきた。
劣悪こそが彼女と標準となっていたある日。
一人の男が現れる。
彼女の人生は彼の登場により一変する。
この機を逃さぬよう、彼女は。
幸せになることに、決めた。
■完結しました! 現在はルビ振りを調整中です!
■第14回恋愛小説大賞99位でした! 応援ありがとうございました!
■感想や御要望などお気軽にどうぞ!
■エールやいいねも励みになります!
■こちらの他にいくつか話を書いてますのでよろしければ、登録コンテンツから是非に。
※一部サブタイトルが文字化けで表示されているのは演出上の仕様です。お使いの端末、表示されているページは正常です。
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
傷物の大聖女は盲目の皇子に見染められ祖国を捨てる~失ったことで滅びに瀕する祖国。今更求められても遅すぎです~
たらふくごん
恋愛
聖女の力に目覚めたフィアリーナ。
彼女には人に言えない過去があった。
淑女としてのデビューを祝うデビュタントの日、そこはまさに断罪の場へと様相を変えてしまう。
実父がいきなり暴露するフィアリーナの過去。
彼女いきなり不幸のどん底へと落とされる。
やがて絶望し命を自ら断つ彼女。
しかし運命の出会いにより彼女は命を取り留めた。
そして出会う盲目の皇子アレリッド。
心を通わせ二人は恋に落ちていく。
【完結】聖女と結婚ですか? どうぞご自由に 〜婚約破棄後の私は魔王の溺愛を受ける〜
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
「アゼリア・フォン・ホーヘーマイヤー、俺はお前との婚約を破棄する!」
「王太子殿下、我が家名はヘーファーマイアーですわ」
公爵令嬢アゼリアは、婚約者である王太子ヨーゼフに婚約破棄を突きつけられた。それも家名の間違い付きで。
理由は聖女エルザと結婚するためだという。人々の視線が集まる夜会でやらかした王太子に、彼女は満面の笑みで婚約関係を解消した。
王太子殿下――あなたが選んだ聖女様の意味をご存知なの? 美しいアゼリアを手放したことで、国は傾いていくが、王太子はいつ己の失態に気づけるのか。自由に羽ばたくアゼリアは、魔王の溺愛の中で幸せを掴む!
頭のゆるい王太子をぎゃふんと言わせる「ざまぁ」展開ありの、ハッピーエンド。
※2022/05/10 「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過
※2021/08/16 「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過
※2021/01/30 完結
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる