8 / 58
8 ポップスさん何者!?
しおりを挟む
「こんな感じですかねぇ」
「おおおぉぉぉ……これも素晴らしい!」
折角なので、国王陛下や王族からの依頼を受けたら描こうと思っていたデザインにしてみた。
念のために、デザイン画の横にはしっかりと私の名前を入れておいたが。
さすがに初対面相手に絶対的信用などできないし、これならば流出される心配もまずないだろう。
「この絵をもらっても!?」
「えぇ、これは差し上げますわ。ですが、このデザインで商品化させるようなことはしないで欲しいです」
「それはもちろんだ。命に変えても約束しよう。だが、これを一着だけ作って俺自身が着るというのは良いだろうか?」
「それなら構いませんけど……」
その後の言葉は伏せておいた。このデザインだとかなりの費用がかかってしまうし、そんなお金持っているとは思えなかったのだ。
「ありがとう、また君に会えることを願うよ」
「しばらくこの公園でデザイン画を描くと思いますので、また声かけてください」
「わかった。必ず」
ポップスさんはデザイン画を持って笑顔で去っていった。
変な人だったけど、こんなに喜んでくれたことがとても嬉しかった。
溜まっていたストレスも自然と消えていたので、私が彼に感謝するべきかもしれない。
♦︎
「今日も外でデザイン描いているのかい?」
「ひゃっ!」
描くのに夢中で、正面から人が近づいてきたことに気がつかなかった。
つい驚いてしまって変な声が出てしまう。
「え!? ポップスさん!?」
誰かと思って顔を上げると、そこには前と同じくマスクと色眼鏡と帽子を装備した男がいた。
だが、服装が著しく違うのだ。
「似合うだろう?」
「どうして私のデザインした服を着ているのですか!?」
「君に許可を貰えたから、知人の仕立て屋に作ってもらったのだ。無論、販売はしていないし俺が着ている一着だけだが」
「そ……そうですか」
最初会ったときの印象ではとてもじゃないがこのような服を作れる環境があるとは思えなかった。
私は心の中で彼に謝っておいた。人を見た目だけで判断してはいけないという良い教訓にもなった。
「そんなに驚かなくても良いだろう。俺はシェリルさんに作ってもらったデザインを着れて満足しているんだし。おっと、今日はこのデザイン料として報酬を持ってきたのだった」
懐から一萬紙幣の札束が五つも出てきた。
「いやいやいや!! これは多過ぎです! それに、そのデザインはお金を貰うために作ったわけじゃないですから」
「律儀なんだな」
そういう問題じゃないだろう。
どんだけボンボンな生活をしているのだ。
「おおおぉぉぉ……これも素晴らしい!」
折角なので、国王陛下や王族からの依頼を受けたら描こうと思っていたデザインにしてみた。
念のために、デザイン画の横にはしっかりと私の名前を入れておいたが。
さすがに初対面相手に絶対的信用などできないし、これならば流出される心配もまずないだろう。
「この絵をもらっても!?」
「えぇ、これは差し上げますわ。ですが、このデザインで商品化させるようなことはしないで欲しいです」
「それはもちろんだ。命に変えても約束しよう。だが、これを一着だけ作って俺自身が着るというのは良いだろうか?」
「それなら構いませんけど……」
その後の言葉は伏せておいた。このデザインだとかなりの費用がかかってしまうし、そんなお金持っているとは思えなかったのだ。
「ありがとう、また君に会えることを願うよ」
「しばらくこの公園でデザイン画を描くと思いますので、また声かけてください」
「わかった。必ず」
ポップスさんはデザイン画を持って笑顔で去っていった。
変な人だったけど、こんなに喜んでくれたことがとても嬉しかった。
溜まっていたストレスも自然と消えていたので、私が彼に感謝するべきかもしれない。
♦︎
「今日も外でデザイン描いているのかい?」
「ひゃっ!」
描くのに夢中で、正面から人が近づいてきたことに気がつかなかった。
つい驚いてしまって変な声が出てしまう。
「え!? ポップスさん!?」
誰かと思って顔を上げると、そこには前と同じくマスクと色眼鏡と帽子を装備した男がいた。
だが、服装が著しく違うのだ。
「似合うだろう?」
「どうして私のデザインした服を着ているのですか!?」
「君に許可を貰えたから、知人の仕立て屋に作ってもらったのだ。無論、販売はしていないし俺が着ている一着だけだが」
「そ……そうですか」
最初会ったときの印象ではとてもじゃないがこのような服を作れる環境があるとは思えなかった。
私は心の中で彼に謝っておいた。人を見た目だけで判断してはいけないという良い教訓にもなった。
「そんなに驚かなくても良いだろう。俺はシェリルさんに作ってもらったデザインを着れて満足しているんだし。おっと、今日はこのデザイン料として報酬を持ってきたのだった」
懐から一萬紙幣の札束が五つも出てきた。
「いやいやいや!! これは多過ぎです! それに、そのデザインはお金を貰うために作ったわけじゃないですから」
「律儀なんだな」
そういう問題じゃないだろう。
どんだけボンボンな生活をしているのだ。
64
あなたにおすすめの小説
(完)貴女は私の全てを奪う妹のふりをする他人ですよね?
青空一夏
恋愛
公爵令嬢の私は婚約者の王太子殿下と優しい家族に、気の合う親友に囲まれ充実した生活を送っていた。それは完璧なバランスがとれた幸せな世界。
けれど、それは一人の女のせいで歪んだ世界になっていくのだった。なぜ私がこんな思いをしなければならないの?
中世ヨーロッパ風異世界。魔道具使用により現代文明のような便利さが普通仕様になっている異世界です。
ほんの少しの仕返し
turarin
恋愛
公爵夫人のアリーは気づいてしまった。夫のイディオンが、離婚して戻ってきた従姉妹フリンと恋をしていることを。
アリーの実家クレバー侯爵家は、王国一の商会を経営している。その財力を頼られての政略結婚であった。
アリーは皇太子マークと幼なじみであり、マークには皇太子妃にと求められていたが、クレバー侯爵家の影響力が大きくなることを恐れた国王が認めなかった。
皇太子妃教育まで終えている、優秀なアリーは、陰に日向にイディオンを支えてきたが、真実を知って、怒りに震えた。侯爵家からの離縁は難しい。
ならば、周りから、離縁を勧めてもらいましょう。日々、ちょっとずつ、仕返ししていけばいいのです。
もうすぐです。
さようなら、イディオン
たくさんのお気に入りや♥ありがとうございます。感激しています。
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。
私はあなたの正妻にはなりません。どうぞ愛する人とお幸せに。
火野村志紀
恋愛
王家の血を引くラクール公爵家。両家の取り決めにより、男爵令嬢のアリシアは、ラクール公爵子息のダミアンと婚約した。
しかし、この国では一夫多妻制が認められている。ある伯爵令嬢に一目惚れしたダミアンは、彼女とも結婚すると言い出した。公爵の忠告に聞く耳を持たず、ダミアンは伯爵令嬢を正妻として迎える。そしてアリシアは、側室という扱いを受けることになった。
数年後、公爵が病で亡くなり、生前書き残していた遺言書が開封された。そこに書かれていたのは、ダミアンにとって信じられない内容だった。
あなただけが私を信じてくれたから
樹里
恋愛
王太子殿下の婚約者であるアリシア・トラヴィス侯爵令嬢は、茶会において王女殺害を企てたとして冤罪で投獄される。それは王太子殿下と恋仲であるアリシアの妹が彼女を排除するために計画した犯行だと思われた。
一方、自分を信じてくれるシメオン・バーナード卿の調査の甲斐もなく、アリシアは結局そのまま断罪されてしまう。
しかし彼女が次に目を覚ますと、茶会の日に戻っていた。その日を境に、冤罪をかけられ、断罪されるたびに茶会前に回帰するようになってしまった。
処刑を免れようとそのたびに違った行動を起こしてきたアリシアが、最後に下した決断は。
〖完結〗では、婚約解消いたしましょう。
藍川みいな
恋愛
三年婚約しているオリバー殿下は、最近別の女性とばかり一緒にいる。
学園で行われる年に一度のダンスパーティーにも、私ではなくセシリー様を誘っていた。まるで二人が婚約者同士のように思える。
そのダンスパーティーで、オリバー殿下は私を責め、婚約を考え直すと言い出した。
それなら、婚約を解消いたしましょう。
そしてすぐに、婚約者に立候補したいという人が現れて……!?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話しです。
言い訳は結構ですよ? 全て見ていましたから。
紗綺
恋愛
私の婚約者は別の女性を好いている。
学園内のこととはいえ、複数の男性を侍らす女性の取り巻きになるなんて名が泣いているわよ?
婚約は破棄します。これは両家でもう決まったことですから。
邪魔な婚約者をサクッと婚約破棄して、かねてから用意していた相手と婚約を結びます。
新しい婚約者は私にとって理想の相手。
私の邪魔をしないという点が素晴らしい。
でもべた惚れしてたとか聞いてないわ。
都合の良い相手でいいなんて……、おかしな人ね。
◆本編 5話
◆番外編 2話
番外編1話はちょっと暗めのお話です。
入学初日の婚約破棄~の原型はこんな感じでした。
もったいないのでこちらも投稿してしまいます。
また少し違う男装(?)令嬢を楽しんでもらえたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる