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31 依頼殺到
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「ロック殿下は悪戯好きでもあるんですね」
「部下にもよく言われる。城下町へ散策するときだって嫌な顔をしてくるくらいなのだよ」
「でもおかげで私は救われましたから」
「そう言ってもらえるとこちらとしても嬉しい」
楽しい時間というのはあっという間で、すっかり夜も更けてきたので私はそろそろお暇することにした。
「そうだ、シェリルさん。一つ頼みがあるのだが聞いてくれるだろうか?」
「なんでしょうか?」
「今度デザインをしているところを見学しに行きたいのだが。つまり……その……シェリルの家へ訪問したい」
「な!?」
王子の頼みとならばもっと大きいことかと思ったのだが、まさかそんな単純な内容でむしろ驚いてしまった。
「勿論構いませんが……」
「ほう、それは嬉しいぞ。ではスケジュールを調整し、使いの者に連絡を取らせよう」
「あ、明後日仕立屋に納品しに行くので、その時にでも日程を教えていただければ」
「ふむ、ではそうしよう」
♢
パーティーの日から二日後、私は今まで依頼されていたデザイン画を持って王宮にある仕立屋に来たのだが、またとんでもないことを言われてしまった。
「シェリル様、実は一昨日のパーティー以来、貴族からの注目が上がりましてな……今までのデザイン画もこちらで追加生産できないかと」
「なんでですか!?」
「話によれば、ロック殿下が気に入られてたということが噂になりまして、過去のデザインも買いたいとのことです。シェリル様の実家の販売ですら在庫が空っぽになってしまったそうです」
まさかそんなことになっていたとは……。
それにしても売れすぎだろう。
「以前契約していた仕立屋からは、デザイン画は全て回収していますので、追加で製造していただくなら構いませんが」
「有難いです。では後程、デザイン画をお預かりにシェリル様宅へ使いの者に向かわせます」
とんでもないことになった。今までのデザイン画は少なく見積もっても百枚以上はあるはずだ。
全てかどうかはわからないが、再度生産したらとんでもない量になってしまうだろう。
もしかしたら追加分だけで十億以上の売上を出してしまうのではないだろうか。
追加分もいいが、今日の本題を終わらせないといけない。
「ところで、今回のデザイン画ですが、何か不備や修正箇所の確認をお願いしたいのですが」
「えぇと……チェック不要かと思いますが……」
「え……?」
「シェリル様の完璧なデザイン画に物申す方が恐れ多いですよ」
何度も確認はするけれども、完璧ではない。たまに表記ミスをすることもある。
「確認していただけた方が私としても安心できるんですけどね……」
「もしも万が一不明な点があるようでしたらそのときにお伺いするということで。ないと思いますけれどね……」
お父様とやっていたときはもう少し確認する時間があったんだけどな……一度も修正されたことがなかったけど。
結局新しいデザイン画を全て渡してそのまま仕事が終わってしまった。
「部下にもよく言われる。城下町へ散策するときだって嫌な顔をしてくるくらいなのだよ」
「でもおかげで私は救われましたから」
「そう言ってもらえるとこちらとしても嬉しい」
楽しい時間というのはあっという間で、すっかり夜も更けてきたので私はそろそろお暇することにした。
「そうだ、シェリルさん。一つ頼みがあるのだが聞いてくれるだろうか?」
「なんでしょうか?」
「今度デザインをしているところを見学しに行きたいのだが。つまり……その……シェリルの家へ訪問したい」
「な!?」
王子の頼みとならばもっと大きいことかと思ったのだが、まさかそんな単純な内容でむしろ驚いてしまった。
「勿論構いませんが……」
「ほう、それは嬉しいぞ。ではスケジュールを調整し、使いの者に連絡を取らせよう」
「あ、明後日仕立屋に納品しに行くので、その時にでも日程を教えていただければ」
「ふむ、ではそうしよう」
♢
パーティーの日から二日後、私は今まで依頼されていたデザイン画を持って王宮にある仕立屋に来たのだが、またとんでもないことを言われてしまった。
「シェリル様、実は一昨日のパーティー以来、貴族からの注目が上がりましてな……今までのデザイン画もこちらで追加生産できないかと」
「なんでですか!?」
「話によれば、ロック殿下が気に入られてたということが噂になりまして、過去のデザインも買いたいとのことです。シェリル様の実家の販売ですら在庫が空っぽになってしまったそうです」
まさかそんなことになっていたとは……。
それにしても売れすぎだろう。
「以前契約していた仕立屋からは、デザイン画は全て回収していますので、追加で製造していただくなら構いませんが」
「有難いです。では後程、デザイン画をお預かりにシェリル様宅へ使いの者に向かわせます」
とんでもないことになった。今までのデザイン画は少なく見積もっても百枚以上はあるはずだ。
全てかどうかはわからないが、再度生産したらとんでもない量になってしまうだろう。
もしかしたら追加分だけで十億以上の売上を出してしまうのではないだろうか。
追加分もいいが、今日の本題を終わらせないといけない。
「ところで、今回のデザイン画ですが、何か不備や修正箇所の確認をお願いしたいのですが」
「えぇと……チェック不要かと思いますが……」
「え……?」
「シェリル様の完璧なデザイン画に物申す方が恐れ多いですよ」
何度も確認はするけれども、完璧ではない。たまに表記ミスをすることもある。
「確認していただけた方が私としても安心できるんですけどね……」
「もしも万が一不明な点があるようでしたらそのときにお伺いするということで。ないと思いますけれどね……」
お父様とやっていたときはもう少し確認する時間があったんだけどな……一度も修正されたことがなかったけど。
結局新しいデザイン画を全て渡してそのまま仕事が終わってしまった。
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