【完結】新婚生活初日から、旦那の幼馴染も同居するってどういうことですか?

よどら文鳥

文字の大きさ
51 / 58

51 ガルカ視点 計画

しおりを挟む
 流石に俺は犯罪に手を染めるのはどうかと思うのだが。とはいえ、バレなければ無罪だし、そもそも盗んだとはいえレムは現状無罪なのだ。

「盗むというよりも、取り戻すと言った方が今回は正しいと思うの」
「言っていることがよくわからん。詳しく説明してくれるか?」

 ひとまずレムが盗んできたリンゴを受け取ってかじる。
 美味い。
 言葉には出さなかったが、レム、良くやった!

「シェリルの家に大量のお金を運んだっていう噂を聞いたの。多分服の売上だと思う。つまり、私の販売の邪魔をして手に入れたお金だし、私達が受け取る権利だってあるはずなの。そう思わない?」

 こればかりは腕を組みながら少し考えた。

「うーむ……どれくらいの額かわかるか?」
「噂だと百億だって!」
「ひゃく!? バカな!」

 そんなに金を持っているのならば、今すぐにでもシェリルと再婚したいとすら思ってしまう。
 レムのことは幼馴染だし、もちろん愛している。だが、今は愛より金なのだ。

「レムよ、一旦離婚をして、俺がシェリルと再婚する。そのあと離婚してもう一度夫婦になるというのはどうだろうか?」

 そう言うと、レムは物凄い睨みを効かして俺の頬をビンタしてきた。
 勢いでかじってたリンゴが飛んでいってしまった。

「痛いじゃないか!」
「当たり前でしょ! 痛くなるように叩いたんだから!」

 コントじゃないんだから説明はしないでほしい。俺は大真面目なのに。

「そもそも、そんな大金があるのなら、数億盗んだってバレないと思うの。ほら、そのリンゴが良い例よ。そこに一個しかないリンゴがなくなったらすぐに分かる。けれど、百個リンゴがあって、数個無くなってても分からないと思うのよ」

「なるほど……。確かにそうだが」
「それにシェリルの家だったら構造もわかるし、元々無防備だったでしょ?」
「あぁ。使用人がいても家事しかしていなかった気がする」

 だんだんとレムのペースにハマってきた。いや、むしろレムが正論なんだと思う。

「せいぜい離婚の慰謝料と、シェリルのせいで売れなかった代金分は返してもらって良いと思うの」
「確かにな。元はと言えば原因はアイツだ。そうだよな。盗むと言うよりも、返してもらうというのが正しい表現だよな」

 考えがまとまった。俺は間違っていた。だが、レムが俺の考えを正しい道に導いてくれた。

 ありがとうレム。
 愛より金だと思っていたが、借金さえなくなれば愛と金は同じくらいの価値になるだろう。

 散々話し合った結果、お金を回収しに行くのは明日の夜中。

 もしものことを考えて、まだアイツと夫婦だったときにコッソリと作っていた合鍵を今も持っていたのだ。
 これを使えば容易に侵入できる。
 おまけに百億という大金ならば、保管しておく場所など想像ができる。

 これでようやく借金生活が終わると考えるとワクワクしてきた。


--------------------------

【後書き】

長い間読んでいただきありがとうございます。

ここで新作のお知らせです。

新作『愛してきた義妹と婚約者に騙され、全てを奪われましたが、大商人に拾われて幸せになりました』

こちらも宜しくお願い致します。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

(完)貴女は私の全てを奪う妹のふりをする他人ですよね?

青空一夏
恋愛
公爵令嬢の私は婚約者の王太子殿下と優しい家族に、気の合う親友に囲まれ充実した生活を送っていた。それは完璧なバランスがとれた幸せな世界。 けれど、それは一人の女のせいで歪んだ世界になっていくのだった。なぜ私がこんな思いをしなければならないの? 中世ヨーロッパ風異世界。魔道具使用により現代文明のような便利さが普通仕様になっている異世界です。

ほんの少しの仕返し

turarin
恋愛
公爵夫人のアリーは気づいてしまった。夫のイディオンが、離婚して戻ってきた従姉妹フリンと恋をしていることを。 アリーの実家クレバー侯爵家は、王国一の商会を経営している。その財力を頼られての政略結婚であった。 アリーは皇太子マークと幼なじみであり、マークには皇太子妃にと求められていたが、クレバー侯爵家の影響力が大きくなることを恐れた国王が認めなかった。 皇太子妃教育まで終えている、優秀なアリーは、陰に日向にイディオンを支えてきたが、真実を知って、怒りに震えた。侯爵家からの離縁は難しい。 ならば、周りから、離縁を勧めてもらいましょう。日々、ちょっとずつ、仕返ししていけばいいのです。 もうすぐです。 さようなら、イディオン たくさんのお気に入りや♥ありがとうございます。感激しています。

幼馴染を溺愛する旦那様の前からは、もう消えてあげることにします

睡蓮
恋愛
「旦那様、もう幼馴染だけを愛されればいいじゃありませんか。私はいらない存在らしいので、静かにいなくなってあげます」

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

私はあなたの正妻にはなりません。どうぞ愛する人とお幸せに。

火野村志紀
恋愛
王家の血を引くラクール公爵家。両家の取り決めにより、男爵令嬢のアリシアは、ラクール公爵子息のダミアンと婚約した。 しかし、この国では一夫多妻制が認められている。ある伯爵令嬢に一目惚れしたダミアンは、彼女とも結婚すると言い出した。公爵の忠告に聞く耳を持たず、ダミアンは伯爵令嬢を正妻として迎える。そしてアリシアは、側室という扱いを受けることになった。 数年後、公爵が病で亡くなり、生前書き残していた遺言書が開封された。そこに書かれていたのは、ダミアンにとって信じられない内容だった。

あなただけが私を信じてくれたから

樹里
恋愛
王太子殿下の婚約者であるアリシア・トラヴィス侯爵令嬢は、茶会において王女殺害を企てたとして冤罪で投獄される。それは王太子殿下と恋仲であるアリシアの妹が彼女を排除するために計画した犯行だと思われた。 一方、自分を信じてくれるシメオン・バーナード卿の調査の甲斐もなく、アリシアは結局そのまま断罪されてしまう。 しかし彼女が次に目を覚ますと、茶会の日に戻っていた。その日を境に、冤罪をかけられ、断罪されるたびに茶会前に回帰するようになってしまった。 処刑を免れようとそのたびに違った行動を起こしてきたアリシアが、最後に下した決断は。

〖完結〗では、婚約解消いたしましょう。

藍川みいな
恋愛
三年婚約しているオリバー殿下は、最近別の女性とばかり一緒にいる。 学園で行われる年に一度のダンスパーティーにも、私ではなくセシリー様を誘っていた。まるで二人が婚約者同士のように思える。 そのダンスパーティーで、オリバー殿下は私を責め、婚約を考え直すと言い出した。 それなら、婚約を解消いたしましょう。 そしてすぐに、婚約者に立候補したいという人が現れて……!? 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話しです。

言い訳は結構ですよ? 全て見ていましたから。

紗綺
恋愛
私の婚約者は別の女性を好いている。 学園内のこととはいえ、複数の男性を侍らす女性の取り巻きになるなんて名が泣いているわよ? 婚約は破棄します。これは両家でもう決まったことですから。 邪魔な婚約者をサクッと婚約破棄して、かねてから用意していた相手と婚約を結びます。 新しい婚約者は私にとって理想の相手。 私の邪魔をしないという点が素晴らしい。 でもべた惚れしてたとか聞いてないわ。 都合の良い相手でいいなんて……、おかしな人ね。 ◆本編 5話  ◆番外編 2話  番外編1話はちょっと暗めのお話です。 入学初日の婚約破棄~の原型はこんな感じでした。 もったいないのでこちらも投稿してしまいます。 また少し違う男装(?)令嬢を楽しんでもらえたら嬉しいです。

処理中です...