【完結】婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた

よどら文鳥

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67 陛下からの相談

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【前書き】
お久しぶりになってしまいまして、申し訳ありません。
新作再開&本日商業デビューに伴い、当作品も完結まで更新を再開します。
尚、当作品は今後は7月以降毎週金曜日の18:30に更新となります。(予約投稿済みです)

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「陛下がライアンに会いたいそうで、私とのデートが終わったら一度来てくれないかと伝言を預かっている」

 サバスの部屋でいつものように楽しくおしゃべりをしていた。
 あぁ、今日も帰る時間か……、と思っていたらサバスからいきなりそう言われた。

「どうしてそんなに大事なことを、会ったときにすぐおしえてくれないんですかぁぁぁあ!?」
「すまん。ライアンとせっかく一緒に入れる時間が潰れたらと思うと言い出せなかった」
「かわいい……」

 サバスったら、そんなに私との時間を大事にしてくれていたのか。
 いやいや、だからと言って国の王様からの伝言を黙っているのは問題だろう。

「私はずっとサバスのそばにいるのですから、陛下からの言付けは今度からは先に教えてくださいね」
「そばにいてくれることはわかった」
「そっちじゃなくて、陛下からの言付けです!」
「考えておこう。たとえ陛下が相手でもライアンとの時間を奪われるのはシャクなのでな」
「今度から王宮でサバスと会う前に、陛下の元へ挨拶してから伺うことになりますが……」
「陛下から言付けがあった場合、早急にライアンに伝えよう!!」

 サバスと様をつけないで呼び合うような仲になってから、サバスと私の上下関係が逆転してきた気がする。
 今まで貴族界の交流が少なかったからなのか、時々サバス様の天然さが目立つようになってきたのだ。
 だが、これもサバス様のいいところで、むしろ私はそれだけサバス様のことを知れたのだと思っている。

 帰り際にサバス様とギュッとハグをしてから、私は王室へと向かった。



「遅くなって申しわけありません。陛下は何用で私を?」

 王室へ入り、すぐに片足を床につけ挨拶の体制をとった。

「そう固くならなくともよい。今回呼んだ理由はライアン殿の幼馴染に対してのことだ」
「オズマとミーナのことですか!?」
「さよう。窃盗容疑で処罰することは確定しているのだが……」

 陛下は首を傾げていた。
 私は幸運なことに陛下と何度もお会いして話をよくするようになった。
 だからこそ……こういった仕草をしている場合、なんとなく理解ができるようになっている。
 間違いなく、私にとっては厄介ごとだ!

「どうしたら良いと思う?」
「はいっ!?」

 それを私に聞かないでよ。
 つい、勢いで高い声で聞き返してしまった。

「すまぬ。私はこれでも悪人や犯罪者に関しては、ただ捕らえて処罰するわけではないのだよ」
「はぁ……」
「罪を償った後、その者の人生をやり直せるようにしたいのだよ。一度きりしかない人生で何度も牢獄に入らぬように更生させたいと思っている」
「陛下は優しいのですね」
「ありがとう。ライアン殿を呼んだのは、どのようにすれば二人を更生させることができるかアドバイスが欲しかったのだよ」

 陛下の考えがよく理解できたので、私も力になれればと思うようになった。
 だが、難易度は最高レベルと言っても過言ではない。
 一度言って更生できるくらいの相手ならば、すでに変化しているはずだ。

「うーん……」
「うーん……」

 私は必死になって考えた。
 どのくらいの処罰なのかは聞かなくても概ね理解はしている。
 更生させると言っているくらいだから極刑や死刑の類ではないはずだ。

「わかりません」
「な!?」

 無理なものは無理だ。
 私はそれをしっかりと説明した。

「そもそも、今まで彼らにあらゆる手を尽くしてきたので……。それで今の状況だったり、盗人のようなことまでするとなれば、余程の罰でないと変えられない気もします。それに、私が陛下からいただいたアリアのコンサートチケットもミーナに盗まれそうになりましたし」

「なんと!? コンサートは見れなかったのかね!?」
「いえ、事前に策をうっていたので阻止はしましたよ」
「むむう……、それも踏まえ罰を考えねばならぬということか」

 陛下がどうしてそこまでして更生させたいと真剣なのかは私にはわからない。
 だが私としても、もしも真人間な幼馴染として戻ってきてくれるのならばそれを望む。
 可能性は無に等しいけど。

「どちらにしても、オズマたちのことですから、捕まったときですら言い訳を繰り広げるかと思いますが」
「ふむ……。概ねのことは理解した。ならば……」
「ならば?」
「いや、すまぬ。独り言だ。忘れてくれたまえ」

 いやいや、ここまで連れてきておいてそれはないでしょう。
 とはいえ、相手は陛下だし、あまり深掘りして聞けるような相手ではない。

「ライアン殿、ありがとう。内容は今は明かせぬが、策は閃いた。そなたの幼馴染たちには出来る限り更生の余地を与えられるよう尽くす」
「そうですか……。お役に立てたのなら何よりです」

 はぁ、オズマとミーナが幼馴染というだけで疲れてしまう……。
 私はそう思うようになってしまった。
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