【完結】婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた

よどら文鳥

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68 大舞踏会1

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 いよいよ大舞踏会の日がやってきた。
 光栄にも今回私は大舞踏会で提供するお菓子を用意させていただいた。
 初めてのお菓子を作ってみたのだが、事前にサバスに味見をしてもらっているので大丈夫だとは思う。

 ひとまず私の任務は終わったので、早速会場にいるはずのマーレット様を探すことにした。
 だが、人が多くてなかなか見つけられずにいる。

「ライアンさん~!」

 私の後方からマーレット様の声が聞こえたので、すぐに振り返った。

「マーレット様ー、よかった! 探していましたがなかなか見つけられなくて……」
「この人数じゃ仕方ありませんわよ。偶然にも見かけたので良かったですわ」

 おそらくこの国の貴族全員が集結するイベントだし、王宮の中庭全て使っても人だかりなのだ。
 間違ってもオズマたちを先に発見しなくてホッとしているのは黙っておく。

「それにしても、こんな大勢の中で私たちそれぞれの婚約発表されるなんて緊張しますわね」
「私は二回目だからそんなに緊張はしていませんけれど、むしろ余計な心配がありますね」
「あぁ……サバス様ったら、また素顔で現れて会場をパニックにするつもりでしょうか。前回は婚約発表も中途半端になってしまったからこそ、今回改めて公開すると聞きましたが」

 前回の舞踏会ではサバス様の素顔を突然公の場で公開してしまい大パニックになってしまった。
 結局私たちの婚約について、あれはユメでもみていたのではないかなどの意見まででてしまうほどの状態で終わってしまった。
 だから、今回の大舞踏会で改めて発表をすることになったわけなのだが……。

「サバス様は今回、最初から素顔で出てきますよ」
「えっ!? 大丈夫なのです!?」

 マーレット様がひどく心配してくれているようだ。

「自分の容姿に対しては鈍感ですからね……。あらかじめ対策として救護班を準備しておきました。今回は失神者が多数発生してしまってもなんとか……」
「それって対策っていうのかしら……」

 私が考えたわけではない。
 サバスの両親が言い出したことである。

 それに、今回の大舞踏会ではもう一つ心配事があるのだ。

「あら~、ライアンじゃないの! 偶然ね」
「ミーナ……。あれ、オズマは一緒じゃないの?」
「オズマね……。喧嘩している最中だし、あんな男とは別行動よ!」

 会いたくなかった二人のうち一人と遭遇してしまった。
 どうしてミーナもオズマも、私が会いたくないタイミングでちょこちょこ姿を表してくるのだろうか。
 だが、もうこれっきり暫く会うことはないと思っているので、作り笑顔で接した。

「では、私はこの辺で」
「ちょっと待ちなさいよ。オズマに会ったら言っておいて頂戴。この大舞踏会が終わったら離婚するって! それくらい私は怒っているわよ。嫌だったらしっかりと仕事を探すって意欲を見せなさいって言っておいて」
「え、えぇ……伝えとく」
「よろしくね。じゃあね~」

 ミーナはスッキリした表情で消えていった。
 横でずっと聞いてくれていたマーレット様は大きくため息をはいた。
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