【完結】婚約者にウンザリしていたら、幼馴染が婚約者を奪ってくれた

よどら文鳥

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69 大舞踏会2

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「ライアンさんも色々と大変ね……」
「もうこれっきりだと思っていますので大丈夫です」
「それってどういう──」

 マーレット様と話している最中、今度はオズマが会話の邪魔をするように入ってきた。

「ライアンよ……、話がある」
「ちょ……今マーレット様と大事な話をしていたんだけど!」
「すまない。だが、どうしても言いたいことがあるんだ」

 前回会ったときと同じように、オズマが神妙な表情をしながら私に訴えようとしている。
 さすがにマーレット様も一緒にいるのだから変なことは言わないはずだし、仕方なく聞くことにした。

「なに?」
「実は今ミーナと喧嘩をしている。故にあいつとは別行動をしているんだ」
「そう……」
「この大舞踏会が終わり次第、状況次第では離婚を考えている」
「元々離婚する気だったでしょう?」
「そうなんだが、もしもミーナに会ったら言って欲しい」

 ミーナから伝言を預かっているが、一旦オズマの伝言を聞いてから伝えることにしておくか。
 私は無言で話を聞いた。

「この大舞踏会が終わったら離婚する。それくらい俺は怒っているんだ。嫌だったらミーナもガミガミ言わずに己自身でも働けと言っておいてくれ。俺は既に投資の準備を始めていると」

 横で聞いていたマーレット様は今にも笑いを我慢できないような表情をしていて、両手で口を抑えていた。
 私も呆れすぎていて思わずフッと苦笑いをしてしまった。

「伝えておくけど……でも──」
「よろしく頼む。ライアンとの話はその後だ。俺はまだ諦めていない」

 そう言ってオズマはそのまま消えてしまった。
 マーレット様はゲラゲラと笑っている。

「なんなのですかあの二人は。これって何かのコント?」
「いえ、多分ガチのやつです」
「改めて思いましたけれど、ある意味お似合い夫婦に見えますけれどね」

 マーレット様はまだ知らないから笑っていられるのだろう。
 おそらく、この大舞踏会の最中にオズマたちは制裁を受けることになる。

 大舞踏会とは、前半は楽しく交流をしたり表彰をするが、中盤で貴族社会の見せしめとして誰かが何かをしでかしたときに堂々と公開される。
 そして後半では気を取り直してダンスパーティーが始まり、全員が良き社会を作っていこうと誓う儀式のようなイベントなのだ。

 特設ステージに陛下が登ったので、これからが大舞踏会の始まりか。
 マーレット様が私の腕をギュッと握ってきた。
 そうとう緊張しているようなので、私もそっとマーレット様の手を重ねておいた。

「まずはマーレット=サイレイス殿、それからオービット=サイファー殿よ、ステージへ」

 いきなりマーレット様が呼ばれてしまった。
 ステージのそばまでは一緒についていくことにした。
 どうせ私もあとで呼ばれるのだろうし。

 マーレット様とオービット様がステージに上がり、婚約関係になったことを二人が宣言した。
 サイファー様は伯爵家の末っ子とはいえ、名の知られたお方だ。
 マーレット様との婚約にどよめきがおこる。
 だが、マーレットは緊張しながらもとても幸せそうな表情を浮かべていた。
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