【完結】聖女レイチェルは国外追放されて植物たちと仲良く辺境地でサバイバル生活します〜あれ、いつのまにかみんな集まってきた。あの国は大丈夫かな

よどら文鳥

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1話 プロローグ レイチェルは追放される

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「元聖女レイチェルは国外追放と処す」
「陛下のご命令とあれば、異論はありませんが……、追放の理由をお聞きしてもよろしいですか?」
「聖女としてまるで役に立たぬレイチェルなど不要である。金がかかる雑草はいるだけ迷惑だ」

 まず最初に、ザッソウのことを悪く言わないでほしい。
 私の友達だ。

 そして陛下は勘違いしている。
 私は今まで聖なる力で王都にたくさんの友達を連れてきた。
 ザッソウ、ヒマワリ、カシノキ、バラ、ジュモク……、言い出したらキリがない。

「異議ありというような顔をしておるな」
「私の力は――」
「先日の報酬で満足できないからと言って雨ばかり降らせて嫌がらせをしおって……。国に害を作るゴミなどとっとと消えるが良い」

 まるで私の話を聞こうともしてくれない。
 そもそも私は天候など操れない。
 私は植物たちに力を与えることができるだけの聖女なのだから。

 それをどういうわけか陛下が勝手に妙な認識をするようになってしまった。
 報酬といっても、植物たちへのおやつ代にすることすらできない額だ。
 扱いも雑だし、無理に説明しなくても良いか。
 ここはおとなしく追放されてしまおう。
 そのほうが楽しそうだし。

「陛下の望みどおり国を出ていくことにします。でも……、良いのですね?」

 念のために聞いておく。
 すると陛下はものすごく嫌そうな表情を浮かべた。

「レイチェルが視界に入るだけで不愉快だ。なにも開拓されていない辺境地にでも行ってしまうが良い。馬車は用意してやるから二度と戻ってくるでないぞ!」
「ありがとうございます」

 辺境地とはどのような場所かはわからない。
 どんなところへ行けるのか、むしろ楽しみである。
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