病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで

あだち

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第三章 波乱の新婚生活

32 『もしかしたら』と『まさか』の交差

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 そんな娘のあからさまな機嫌の悪さを物ともせず、ジーナは長椅子の隣に腰を下ろした。

「それで要件は? あのタレ目くんと何かあった?」

 落ち着きを取り戻しても、心はささくれだったままだ。話す態度は自然と不機嫌なものになる。

「ちょっと調べ物で、書庫に入りたいの。フランチェスカはいる?」

「……書庫に入るだけでいいの? 誰かに何か、話したそうに見えるけど」

 肩を抱かれ、額が触れ合うほど近くまで迫られる。フェリータが受け継いだ赤い目が、見透かすように覗き込んできていた。

「……ロレンツィオに、好きだったって言われましたの」

 気づけば、フェリータは言う気のなかった言葉を吐き出していた。
 ジーナの赤い目が見開かれ、そしてすぐに「なるほどねぇ」と納得するようにうなずいた。

「披露宴でかたくなに嫁をほっとく割りに、ずーっと気にしてたのはそういうことかぁ」

「気にしてた……? されてませんわ」

「してたよ。貴族のお嬢様の目にはわからなくても下町の占い師の千里眼にはわかるのよ。で、若奥様は旦那からの求愛に照れて、実家に逃げてきちゃったの?」

「きゅっ……千里眼、節穴のようですけれど!? それこそされてませんし、照れて逃げるほど幼稚じゃなくてよ!」

 どうかな、と呟く母から顔を背ける。やっぱり余計なことを言わなければよかった。

「はいはい。それじゃなんでそんなに不満げなの? 愛の無い成り行き婚だと思ってたら実は夫に溺愛されてたなんて、喜ばしい話じゃない」

 フェリータは母の能天気さを恨んだ。

「相手が善人でないのなら、かえって悲劇かもしれませんわね」

「言い切るじゃない。好かれてたのも知らなかったあんたが、そんなにロレンツィオくんのこと知ってるの?」

「ま、ママこそ何がわかるの!?」

 火は消えていても火種は残っていた。ささやかな売り言葉で、フェリータは簡単に我を忘れた。 

「そうよ、どうせ知らないわ! みんなあの男のことを良い風に言うけれど、わたくしはあの男の意地悪で酷薄なところしか知らない! リカルドすら手のひら返してかばうけど、わたくしにはあいつがいい男だなんてぜんっぜん、これっぽっちも思えない!」

「うんうん」

 母の知ったようなうなずきに、さらに怒りが加速する。カーテンの端がぴり、と音を立てて避けていった。

「あんなのどうせ顔だけ、王子様方が重用するのは王妃様の実家と懇意だからなだけ、そう思ってたのに、それはわたくしだけのおろかな勘違いだったの!? リカルドはもちろん、チェステ家のヴァレンティノ様だって、フランチェスカに求婚しておきながらちゃっかりロレンツィオ本人と交友関係深めてるのなんてペルラに対する裏切りですわ! なによ、みんなわたくしの立場になってみたらあの男のこと『このクソ野郎死に晒せ』って思うに決まってるのに!」

「う~んアウトな語彙だけど続けて続けて」

「だいたい、好きとか言っても理由が低俗ですのよ! 結局顔! この顔! あと髪とむ、……目! ママ似の真っ赤な目、珍しいですものねこの島では!」

「むめ? まあいいそれでそれで?」

「そんな老いたらおわりの浅はかなものきっかけに好きとか言われても嬉しくありませんし、結局いつもわたくしに示してたあの態度がすべて! それで何が好きよ、嫌いだけど渋々結婚したからお前を殺して寡夫になるって言葉と剣先突きつけられたほうがまだ理解できますわ! それに、もしかしたらあの男……!」

 ガシャン、と大きな音がして、頭上のシャンデリアが揺れた。
 その音で我に返ったフェリータは、いつからそうしていたのか、隣の母が苦笑を浮かべて自分を見ているのに気がついた。

「……そうだね、もっと教えてほしいよね」

「えっ?」

「夫になった人が自分を好きだと言うけれど、自分は相手の一面しか知らない、相手も自分のどこをどういうふうに好きなのかわからないんじゃ、不安になるってものよね」

「ママ?」

「他の人たちが彼のいいところを自分より知ってるっていうんじゃ、疎外感もひとしおだしね」

「ママっ、そういうことじゃなくてわたくしは、」

 言い返そうとして、言葉が続かなかった。
 鋭く睨んでいたはずの目を泳がせ、ややあってから降参するようにしょんぼりと眉と肩を下げる。

 占い師の母にそう言われると、なんだかそうな気がしてくる。
 見透かされているのか、はたまた誘導されているのか。

「……そうやってお客さんを惑わせて占いを信じ込ませていたんですのね。あこぎな商売して」

 今回は、多分前者だ。悔しくて気恥ずかしいから認めないが。

「まあ人聞きの悪い。予知能力を授かった選ばれし乙女に過ぎませんことよ」

 認めないが、どうせお見通しなのだ、この母には。
 わざとらしく頬に手を当てて笑う母に、フェリータは「何が乙女です」とぷくぷくむくれた。

「まあまあ。少しはスッキリした? なら、さっさと書庫で調べ物とやらをして、あなたも自分の家へ帰りなさい。ほら、運河の波も高くなってきたから……あれ、気のせいか」

「ママったら適当言って。今日は風もろくにない、いい天気を通り越して禍々しいくらい晴れた日ですわ」

 磨かれた窓の向こうに向けて目を眇める母とともに、フェリータは応接間を出た。





 渋面のフランチェスカだったが、『お姉ちゃん、宮廷付きの仕事で必要なんだって』と母が頼めば、不服そうながらも書庫の鍵を開けてくれた。

 ただ、去り際に『グィード、この人が本を読む以外の行動を起こそうとしたら止めなさい。殴ってもいいですから』と、かつての護衛騎士を書庫の中に残していったのは想定外だった。

「グィード、出ておいき。宮廷付きの仕事に関わることです」

 厳しい顔でフェリータか凄んでも、騎士はへの忠誠を曲げない。

「申し訳ございませんお嬢様。それは出来かねます」

 口での攻防戦が膠着こうちゃくし、こうなれば力づくよと廊下に押し出そうとしたのを“本を読む以外の行動”と取られて抑え込まれる。
 関節が軋んだとき、フェリータは観念した。

「なるべく、離れて、見張っていなさい……」と肩をさすりながら言いつければ、寡黙な騎士は壁際で人形のように動きを止めた。

 そうしてようやく、フェリータは目当ての書物を引き出して、字を追っていくのに没頭した。

(……懐かしいですわ)

 癖のある字。書物はフェリータが幼いころに亡くなった祖父が残したぺルラ家の記録だった。
 フェリータは魔術のほとんどを父から習ったが、ごくわずかに祖父からも習った。

 ――ペルラ家を継ぐお前にだけ、特別に。
 他の人間には、絶対教えてはいけないぞ。

「……ていっても、よく覚えてないのよね。おじい様の教えは文書で残されなかったから」

 ぼやくフェリータの脳裏に浮かぶ、白髪の祖父の顔。

 ――カヴァリエリには、遅れをとるな。

「……」

 遅れをとるどころか、家督も手放して妻になってしまった。

 なってしまったからには仕方ない。敵対するにも和解するにも、相手を知らないことには始まらない。

 ああ、だけどもしかしたら。
 その考えにたどり着くたび、フェリータは恐ろしくなる。自分が、とても罪深いもののように思えてくる。

 フェリータは雑念を払い、手元に集中しようと努めた。
 書物は日記のような主観に基づくものではなく、淡々と事実だけを羅列したもの。

 分厚いそれのページをめくっていく。風も通らない薄暗い部屋の中、時間は静かに過ぎていった。


 ***


(まさか)

 ロレンツィオは石畳の街を駆けた。

 鬼気迫る顔の原因は、オルテンシアを引きずるように王宮に送り届けたからではない。
 帰るなり玄関で“友人”たちと鉢合わせたからだけではない。応接間で使用人が鎖で拘束されていたことや、妻が再び脱走したことだけでもない。

(まさか、まさか)

 頭を占める三文字。一年前、国王の目の前で行われた術比べでも、同じようにロレンツィオは戸惑った。

 けれどその後、職場ではなんら不自然なところはなく、自分の勘違いかもしれないと思い直した。ただ、特定の家へ優先的に振られる大きな仕事を、どうにか他の宮廷付きにも分担させるよう上申だけは続けた。

 功名心や対抗心で、一抹の疑念を覆い隠したまま。

(まさか、この一年全然そんな気配無かった)

 昨夜、自分に負けた彼女は、明らかに魔力切れを起こしていた。
 魔力は体力や精神力と密接に結びついているから、連日の多忙が勝負の前から彼女の肉体と精神を追い詰めていた。おそらく、中庭で起きたリカルドたちとのやり取りでも。

 最低限のルールもない殺し合いならいざ知らず、持久力を問う勝負をすれば、魔術の勝負であっても体が大きく騎士として鍛錬したロレンツィオの方が有利なのだ。
 それなのに、一年前の彼女は勝った。違和感に勝負の手をひっこめたロレンツィオの気も知らずに。

 だが二度目昨夜は違った。負ければ家を乗っ取るとまで言われて、ロレンツィオが退かなかった。最初から魔力を強く放出して術をかけ、一回一回を重くした。

 リカルドとともに戻ってきた彼女を前に、余裕がなかったのは事実。けれど同時に、この勝負は長く続けさせてはいけないのだと直感していたのも、また事実。

 その感覚はおそらく、当たっていた。

 魔力を魔術に精製するフェリータのレリカリオが壊れたのは、ただの劣化による偶然ではなかったのかもしれない。
 魔力以外のものを受け止めさせられたがゆえの、自壊だったのかもしれない。

 極めつけに、フェリータはその状態からオルテンシアを助けたのだ。レリカリオもなく魔力も乏しい中、助けることができたのだ。

 できるはずないのに。

(――まさか)

 逸る思考と鼓動とともに、ロレンツィオはぺルラ家に到着した。

 出迎えた執事に開口一番「フェリータは?」と凄めば、視線がわずかに横へと逸れた。使い魔に探索させたからには、隠しようもないのだ。

「話がある。すぐに呼んでくれ。宮廷付きの仕事に関わることだ」

「申し訳ございません。今は伯爵もフランチェスカ様も不在なものですから」

「書庫にいるわよ、あっちの」

 耐え忍ぼうとする執事の防壁を、内側から突き崩したのはジーナ・ぺルラだった。奥様、と執事の慌てた声を背後に、ロレンツィオは走った。

「ちゃんと仲直りしてよね~。さ、ブルーノはあたしとチェスするのよ!」

 指さされた方向に走りながら、指先から使い魔を呼び出す。影の中から生まれたキツネに似た魔物は、探索特化の性能を発揮するべくロレンツィオの先を走った。

 脳裏にキツネの見る視界が映し出される。書庫は最奥の目立たない扉の先だった。

 たどりつき、ノブに手をかける。施錠を覚悟して体重をかければ、存外簡単に開いた。

「フェリ、っ!」

 出入り口のすぐ脇に立っていた護衛騎士が、ロレンツィオの眼の前を鞘ごとの剣で遮って進行を阻む。剣を持ち歩かないロレンツィオは反射的に、その鞘を掴んで中の得物を奪おうとした。

「いいわ、グィード」

 それを、しんと冴えた女の声が止めた。

「通しなさい。その人、わたくしに話があるみたいだから」

「しかし、お嬢様」

 剣の握り手を奪われないよう一歩後退った騎士が、不服そうに声を漏らすが。

「お退き。ニ度言わせないで」

 支配者然としたその一声に、騎士はもう歯向かわなかった。

 声の方向に目を凝らせば、書架のはざまでストロベリーブロンドが淡く光を放っている。
 近づいていくと、女も誘うように奥へと進んだ。

「いい加減、あいつにお嬢様って呼ぶのを改めさせろ」

 靴音とともにロレンツィオが吐き捨てたのは、挨拶にもならない苦言。

 フェリータは無言だった。何も言わずに、振り返った。

 その目と合って、ロレンツィオの背中に冷たいものが伝う。

 敵意だ。

「なんのつもりだ」

 フェリータから、敵意を感じた。苛立ちに溢れた昨夜とは違う、冷静な害意。
 ロレンツィオは懐に忍ばせたいつもの懐中時計を指先で探った。

 無意識に態勢を整えた。

 最低限のルールもない殺し合いなら、彼女にも十分利があったから。





 
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