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第11話
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鼓膜を揺らす激しい地鳴りと衝撃が、車内にいる二人にもはっきりと分かった。
爆風によるものだろうか、ドアガラスを突き破っていた暴徒の右腕が二本、運転席のシートに転がっており、確認と同時に、凄まじい威力を誇る砲弾の二発目が発射された。大きなクレーターが二ヶ所、そして一気に濃度を増した錆びのような匂い。砂埃が晴れた先で浩太が見たのは、砲弾を浴びた暴徒達の四肢や、焼け焦げた身体が地面を覆い、流れる血がクレーターへと注がれ、水溜まりを作っているという目を瞑りたくなるような凄惨を極めた現状だった。
「真一、シートに座れ!発進するぞ!」
「くそ、耳の中で除夜の鐘を鳴らされてるみたいだぜ!」
耳を塞いでいなかったのだろう。これでもかというほどに顔をしかめている。
浩太は構わずに続けた。
「奴らの一部がそこら中に散らばってる。これからの衝撃にも備えろ!」
「シートベルトはどうする!着けるべきか!」
「……好きにしろ!」
既にシートベルトへ手を伸ばしていた真一の頓狂な質問に対し、吐き捨てるように返した浩太は、アクセルを限界まで踏み抜く。バックミラーには、ヨロヨロと荷台にしがみつく暴徒が写っていた。風圧と爆音のみとはいえ、この復帰の早さは常軌を逸している。
急激な速度の上昇に、暴徒の身体は、腹部から切断され、体内から漏れだした臓器を路面へ散らせる。
浩太は思わず顔をしかめた。
「う……くそ……」
「どうした?」
「……なんでもねえ!」
視界から断ち切るように顔を真っ直ぐに向け、駐屯地の門へ一直線に突き進む。真一は、浩太の対応に釈然としないものを感じながら大地がいるであろう戦車へ振り返った。
暴徒を四散させた攻撃の中心地だけあり、囲まれてはいないようだ。そして、そのまま視線を一番格納庫に向けた。出撃準備を終えていた二十数台もあるトラックの内、出発出来たのは、僅か六台のみのようだ。合計で何人の自衛官が犠牲になってしまったのだろう。真一は、やるせない気持ちを振り払うように頭を振った。
水飛沫を浴びたように、トラックの両サイドを血で濡らしながら、砂埃を抜けた二人の目の前には、突き崩された門に群がり始めている暴徒達が、潰された声紋を振り絞るような雄叫びをあげ、犬歯を剥き出したまま、こちらに走ってくる光景が広がっていた。浩太が吠える。
「クソッタレがぁぁぁぁぁ!」
一度ペダルから足を離し、更に踏みつける。スピードをあげたトラックは、倒れた門がロイター板の役割を担い、僅かに浮かび上がった。着地と共に数名の暴徒を下敷きにし、二人が乗ったトラックは門を抜ける。
背後では、砲弾の衝撃で千切れた身体の部位にタイヤをとられてしまい、横転してしまったトラックに、餌を見付けた蟻のように暴徒が群がっていた。その脇を通り過ぎるトラックに助けを求める為に窓から伸ばされた腕は、暴徒の一人に噛みつかれ、引摺りだされた自衛官達は身体を乱暴に解体される様子が残された。
小倉駐屯地は、この日一時間にも満たない僅かな時間で壊滅した。
爆風によるものだろうか、ドアガラスを突き破っていた暴徒の右腕が二本、運転席のシートに転がっており、確認と同時に、凄まじい威力を誇る砲弾の二発目が発射された。大きなクレーターが二ヶ所、そして一気に濃度を増した錆びのような匂い。砂埃が晴れた先で浩太が見たのは、砲弾を浴びた暴徒達の四肢や、焼け焦げた身体が地面を覆い、流れる血がクレーターへと注がれ、水溜まりを作っているという目を瞑りたくなるような凄惨を極めた現状だった。
「真一、シートに座れ!発進するぞ!」
「くそ、耳の中で除夜の鐘を鳴らされてるみたいだぜ!」
耳を塞いでいなかったのだろう。これでもかというほどに顔をしかめている。
浩太は構わずに続けた。
「奴らの一部がそこら中に散らばってる。これからの衝撃にも備えろ!」
「シートベルトはどうする!着けるべきか!」
「……好きにしろ!」
既にシートベルトへ手を伸ばしていた真一の頓狂な質問に対し、吐き捨てるように返した浩太は、アクセルを限界まで踏み抜く。バックミラーには、ヨロヨロと荷台にしがみつく暴徒が写っていた。風圧と爆音のみとはいえ、この復帰の早さは常軌を逸している。
急激な速度の上昇に、暴徒の身体は、腹部から切断され、体内から漏れだした臓器を路面へ散らせる。
浩太は思わず顔をしかめた。
「う……くそ……」
「どうした?」
「……なんでもねえ!」
視界から断ち切るように顔を真っ直ぐに向け、駐屯地の門へ一直線に突き進む。真一は、浩太の対応に釈然としないものを感じながら大地がいるであろう戦車へ振り返った。
暴徒を四散させた攻撃の中心地だけあり、囲まれてはいないようだ。そして、そのまま視線を一番格納庫に向けた。出撃準備を終えていた二十数台もあるトラックの内、出発出来たのは、僅か六台のみのようだ。合計で何人の自衛官が犠牲になってしまったのだろう。真一は、やるせない気持ちを振り払うように頭を振った。
水飛沫を浴びたように、トラックの両サイドを血で濡らしながら、砂埃を抜けた二人の目の前には、突き崩された門に群がり始めている暴徒達が、潰された声紋を振り絞るような雄叫びをあげ、犬歯を剥き出したまま、こちらに走ってくる光景が広がっていた。浩太が吠える。
「クソッタレがぁぁぁぁぁ!」
一度ペダルから足を離し、更に踏みつける。スピードをあげたトラックは、倒れた門がロイター板の役割を担い、僅かに浮かび上がった。着地と共に数名の暴徒を下敷きにし、二人が乗ったトラックは門を抜ける。
背後では、砲弾の衝撃で千切れた身体の部位にタイヤをとられてしまい、横転してしまったトラックに、餌を見付けた蟻のように暴徒が群がっていた。その脇を通り過ぎるトラックに助けを求める為に窓から伸ばされた腕は、暴徒の一人に噛みつかれ、引摺りだされた自衛官達は身体を乱暴に解体される様子が残された。
小倉駐屯地は、この日一時間にも満たない僅かな時間で壊滅した。
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