137 / 419
第9話
しおりを挟む
小金井は眉を寄せる。緊張から思考が追い付いていないのもあるが、それ以上に東から感じる気配が逸脱しすぎていた。何かが違う。いつも以上に、空気が重い。
「ネクロフィリアはアクトモロフィリアを併せ持つと思われているが、俺はさ、根本が違うと思うんだよ......お前はどう思う?」
「さあ......どうなんでしょうね......」
小金井は、東が一歩進むと一歩下がる。
達也が潜んでいる位置まで誘導し、二人掛かりで東を仕留める算段だった。達也もそのつもりなのか、ぐっと両手に力を込めた。出来るだけ引き寄せ、一気に攻め切り安部と東を完全に離す。
「それこそが違いなんだよ。日本でも少年をバラバラにして、ホルマリンで満たされた金魚鉢に入れて、毎晩、眺めていた男の話しまで残っている。それは、アクトモロフィリアだよな」
視線を離す訳にはいかない小金井は、聞きたくない東の講釈に、必死に耳を傾けた。何かに集中しなければ、足の震えを隠せそうになかった。
小金井が、これまで東と交わした会話の内容はテレビやニュースで集めた、聞き齧りの知識だけだった。それを拡大解釈し、自分のなかで理解し、どうにか二人に近づいたにすぎない。世界は広い、そういう嗜好の人間もいるんだろうな、ぞんざいな言い方をすれば、そんな感想した抱いてこなかったのだ。
ネクロフィリア、アクトモロフィリア、そんな言葉を用いられても、なんのことかさっぱり理解出来なかった。
それは達也も同じだが、両者の見解はここで一致した。達也は、ここを逃せば、二人の距離が離れているというこんな絶好の機会は失われると思った。それだけは避けなければならない状況下では、逆に耳を寄せるべきだ。小金井は返答をする為に、東の話しへ意識を向けるしかない。それだけ東を注意を払うのだから、見付かるわけにもいかない現状、立ち上がれない達也は、小金井の背中に変化が現れないかを見ているだけで良い。
一階から吹き抜けているモール内、二階は円形になっている為、壁の裏側に隠れるように移動できる上に、すぐに駆け付けることも可能だ。
小金井がまた一歩下がる。
「ネクロフィリアは、まあ、よほど死体が腐り始めたりしない限りは、傷付けることを嫌う傾向にある。ヴェラ・レンツィ、ヴィクトル・アルディッソン、FBIの膨大なプロファイリングにすら当てはまらなかったデニス・ニセルンですら、死体の処理をする時にのみ傷をつけるだけだった」
「ネクロフィリアはアクトモロフィリアを併せ持つと思われているが、俺はさ、根本が違うと思うんだよ......お前はどう思う?」
「さあ......どうなんでしょうね......」
小金井は、東が一歩進むと一歩下がる。
達也が潜んでいる位置まで誘導し、二人掛かりで東を仕留める算段だった。達也もそのつもりなのか、ぐっと両手に力を込めた。出来るだけ引き寄せ、一気に攻め切り安部と東を完全に離す。
「それこそが違いなんだよ。日本でも少年をバラバラにして、ホルマリンで満たされた金魚鉢に入れて、毎晩、眺めていた男の話しまで残っている。それは、アクトモロフィリアだよな」
視線を離す訳にはいかない小金井は、聞きたくない東の講釈に、必死に耳を傾けた。何かに集中しなければ、足の震えを隠せそうになかった。
小金井が、これまで東と交わした会話の内容はテレビやニュースで集めた、聞き齧りの知識だけだった。それを拡大解釈し、自分のなかで理解し、どうにか二人に近づいたにすぎない。世界は広い、そういう嗜好の人間もいるんだろうな、ぞんざいな言い方をすれば、そんな感想した抱いてこなかったのだ。
ネクロフィリア、アクトモロフィリア、そんな言葉を用いられても、なんのことかさっぱり理解出来なかった。
それは達也も同じだが、両者の見解はここで一致した。達也は、ここを逃せば、二人の距離が離れているというこんな絶好の機会は失われると思った。それだけは避けなければならない状況下では、逆に耳を寄せるべきだ。小金井は返答をする為に、東の話しへ意識を向けるしかない。それだけ東を注意を払うのだから、見付かるわけにもいかない現状、立ち上がれない達也は、小金井の背中に変化が現れないかを見ているだけで良い。
一階から吹き抜けているモール内、二階は円形になっている為、壁の裏側に隠れるように移動できる上に、すぐに駆け付けることも可能だ。
小金井がまた一歩下がる。
「ネクロフィリアは、まあ、よほど死体が腐り始めたりしない限りは、傷付けることを嫌う傾向にある。ヴェラ・レンツィ、ヴィクトル・アルディッソン、FBIの膨大なプロファイリングにすら当てはまらなかったデニス・ニセルンですら、死体の処理をする時にのみ傷をつけるだけだった」
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
皆さんは呪われました
禰津エソラ
ホラー
あなたは呪いたい相手はいますか?
お勧めの呪いがありますよ。
効果は絶大です。
ぜひ、試してみてください……
その呪いの因果は果てしなく絡みつく。呪いは誰のものになるのか。
最後に残るのは誰だ……
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2026/1/14:『でんしれんじ』の章を追加。2026/1/21の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/13:『こえ』の章を追加。2026/1/20の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/12:『あけてはいけない』の章を追加。2026/1/19の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/11:『みきさー』の章を追加。2026/1/18の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/10:『つかまれる』の章を追加。2026/1/17の朝8時頃より公開開始予定。
2026/1/9:『ゆうじんのかお』の章を追加。2026/1/16の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/8:『ついてきたもの』の章を追加。2026/1/15の朝4時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
終焉列島:ゾンビに沈む国
ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。
最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。
会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる