171 / 419
第13話
しおりを挟む
しばらく誰もが黙然として顔を伏せた。公園の隣、いつもは家族連れやペットの散歩を楽しむ場所が、途方もない程に血濡れになっているような気がして、浩太は目を逸らし口火を切った。
「......良い報告は?」
「ああ、それはな......」
真一に代わり、トラックの荷台から祐介が持ってきたのは大きな鞄だ。どれも、歪に歪んでいる。
さすがだろ、と真一は口角をあげた。鞄の中は銃で満たされている。
「AK74にM16、それにイングラムに加えて手榴弾が七、ベレッタ五挺にサプレッサー二つ......さすがヤクザだな......見栄っ張りが多い」
浩太の皮肉を真一は聞き流すと、ベレッタ一挺をサプレッサー付きで彰一に渡す。
緊張した手つきで受け取った彰一は、銃を握ると深く息を吐いた。
「コレなら銃声もある程度は抑えられるぜ......反応される機会も減る」
「......有り難く受けとるよ」
何に、もしくは誰に、そう断定した言い方をしなかったのは、達也の件が絡んでいるのだろうか。歯にものが挟まったような面持ちの彰一を置いて、その背後に座っていた阿里沙にも、ベレッタを渡す。
「使い方はあとで教える。持っておくだけでも良いから」
真一は、阿里沙ではなく加奈子を横目で見ながら言った。その意図を汲み取った阿里沙は、右手を伸ばして受けとる。祐介には渡さなかった。それは、警察署での会話からだろう。それに対して異論を唱える者はいない。
浩太は自分で武器をとり、動作の確認を行うと残ったイングラムとM16を車の後部座席に鞄ごと投げ入れた。
「真一はAKで良いだろ?イングラムは彰一に持たせる」
「ああ、それで良いぜ。手榴弾は三つ貰う」
「OK」
短い会話をしつつ、武器の振り分けを終えると、阿里沙が本題を切り出した。
「祐介君、実はもう一つ話しておかなきゃいけないことがあるんだけど......」
「ん?なに?」
彰一は歩み寄る祐介の前に立つと、阿里沙の言葉を引き継いだ。
「お前らはここに来る前に妙な音を聞かなかったか?」
「......妙な音?」
祐介が小首を傾げると、武器の整理を終えた浩太が言った。
「妙な音というか、強烈な破壊音だな。爆発したみたいな......」
祐介と真一は、揃って首を振った。
だが、報告が一段落した後に持ってきたということは、この「妙な音」が本質なのだろう。
真一は、浩太から煙草を受け取り火を点けた。
「そりゃ気になる話しだぜ......死者にそんな響く音がだせるとは思えないし......どっかに生き残りの団体があるってことだと思うぜ」
彰一が同意して口を開く。
「俺もそう考えた。それに、ここら一帯は死者の数が極端に少ない。だとしたら......」
「坂本君はどこかに死者が集まってるって思うの?」
「......良い報告は?」
「ああ、それはな......」
真一に代わり、トラックの荷台から祐介が持ってきたのは大きな鞄だ。どれも、歪に歪んでいる。
さすがだろ、と真一は口角をあげた。鞄の中は銃で満たされている。
「AK74にM16、それにイングラムに加えて手榴弾が七、ベレッタ五挺にサプレッサー二つ......さすがヤクザだな......見栄っ張りが多い」
浩太の皮肉を真一は聞き流すと、ベレッタ一挺をサプレッサー付きで彰一に渡す。
緊張した手つきで受け取った彰一は、銃を握ると深く息を吐いた。
「コレなら銃声もある程度は抑えられるぜ......反応される機会も減る」
「......有り難く受けとるよ」
何に、もしくは誰に、そう断定した言い方をしなかったのは、達也の件が絡んでいるのだろうか。歯にものが挟まったような面持ちの彰一を置いて、その背後に座っていた阿里沙にも、ベレッタを渡す。
「使い方はあとで教える。持っておくだけでも良いから」
真一は、阿里沙ではなく加奈子を横目で見ながら言った。その意図を汲み取った阿里沙は、右手を伸ばして受けとる。祐介には渡さなかった。それは、警察署での会話からだろう。それに対して異論を唱える者はいない。
浩太は自分で武器をとり、動作の確認を行うと残ったイングラムとM16を車の後部座席に鞄ごと投げ入れた。
「真一はAKで良いだろ?イングラムは彰一に持たせる」
「ああ、それで良いぜ。手榴弾は三つ貰う」
「OK」
短い会話をしつつ、武器の振り分けを終えると、阿里沙が本題を切り出した。
「祐介君、実はもう一つ話しておかなきゃいけないことがあるんだけど......」
「ん?なに?」
彰一は歩み寄る祐介の前に立つと、阿里沙の言葉を引き継いだ。
「お前らはここに来る前に妙な音を聞かなかったか?」
「......妙な音?」
祐介が小首を傾げると、武器の整理を終えた浩太が言った。
「妙な音というか、強烈な破壊音だな。爆発したみたいな......」
祐介と真一は、揃って首を振った。
だが、報告が一段落した後に持ってきたということは、この「妙な音」が本質なのだろう。
真一は、浩太から煙草を受け取り火を点けた。
「そりゃ気になる話しだぜ......死者にそんな響く音がだせるとは思えないし......どっかに生き残りの団体があるってことだと思うぜ」
彰一が同意して口を開く。
「俺もそう考えた。それに、ここら一帯は死者の数が極端に少ない。だとしたら......」
「坂本君はどこかに死者が集まってるって思うの?」
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
女子切腹同好会
しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。
はたして、彼女の行き着く先は・・・。
この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。
また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。
マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。
世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。
皆さんは呪われました
禰津エソラ
ホラー
あなたは呪いたい相手はいますか?
お勧めの呪いがありますよ。
効果は絶大です。
ぜひ、試してみてください……
その呪いの因果は果てしなく絡みつく。呪いは誰のものになるのか。
最後に残るのは誰だ……
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2026/1/14:『でんしれんじ』の章を追加。2026/1/21の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/13:『こえ』の章を追加。2026/1/20の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/12:『あけてはいけない』の章を追加。2026/1/19の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/11:『みきさー』の章を追加。2026/1/18の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/10:『つかまれる』の章を追加。2026/1/17の朝8時頃より公開開始予定。
2026/1/9:『ゆうじんのかお』の章を追加。2026/1/16の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/8:『ついてきたもの』の章を追加。2026/1/15の朝4時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
終焉列島:ゾンビに沈む国
ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。
最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。
会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる