神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空

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新たな仲間

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 二日酔いで朦朧とするガルディとゲルダが店にいた。
 エルンはその前で朝礼を始める。
「今日からこの店で働いてもらうことになりました。ゲルダさんです」
「わかってる」とガルディ。
「形式的にもけじめは必要だと思うんですよね。ではゲルダさん、一言お願いします」
「ゲルダです、よろしくお願いします」
 …………
「ガルディさん、ちゃんと仕事のことを教えてあげてください」
「俺がか?」
「そうですよ。僕、これから学校に行かなきゃならないんです。いいですか」
「できるところまでということで……」
「……それでいいです」
——また、失敗かな——
 きっとゲルダは逃げ出すだろう。そうなったらそれでいいやと思った。
 ガルディにも追わなくていいからって言っておこうと思った。

 学校から帰ると店に人だかりができていた。店が人でいっぱいだ。
 咄嗟にエルンはガルディかゲルダが何か仕出かしたんだと思った。
 エルンは恐る恐る店を覗き込む。
 エルンは目を疑った。
——客だ。あれは間違いなくお客様だ——
 店がお客様でいっぱいなのだ。
「おいエルン、そんなところで見てないで手伝え」
「はっ、はい。でもどうして……?」
「見ての通り、客だ。あいつのせいだ」と指さした先にはゲルダいた。
 身振り手振りを交え、笑顔で接客している。客も頷きながら聞き入っている。
「あいつ、さすが詐欺師だ。お前のような専門職をも騙す術を身につけているとみえて、素人を騙すのは造作もないようだ」
「まさか、嘘を言って売っているんじゃないでしょうね」
「さあ、どうだか……」
 するとゲルダがこちらを向いて「お客様、お買い上げです。ガルディさんよろしく」と。
 そして、すぐにまた別の客に対して説明を始める。
「ゲルダさん、魔道具のこと分かってるのかな?」
「エルンが作った商品リストの説明を結構真剣に読んでたぜ」
「それを全部覚えちゃったってことですか?」
「そうかもしれねえな」

 エルンは閉店後聞いてみた。
「ゲルダさん、商品の説明はどうしたの? まさか嘘の説明をしているんじゃないでしょうね」
「冗談じゃないわよ。エルンが作った商品リストを覚えただけよ。それが間違っていたら知らないわよ」
「だって、商品リストには三百以上あるんだよ」
「それくらいなら半日で覚わるわよ」
——えー、すごいじゃん——
 今日一日だけで三十三万五千デリラの売り上げだ。ここ一カ月の売り上げに等しい。
 ゲルダは口がうまい。人が何を求めているのか、人がどんな性格なのか瞬時に読み取る能力があるらしい。明るい口調で丁寧な接客は客を呼び、客が客を呼ぶわけだ。
 人が入っていればきっといい店に違いない、おもしろい店に違いないという心理から、通りがかりの人まで入ってくる。その原理で店が客で溢れるわけだ。
「そんなにここが嫌なの? だから早く出て行こうとしているの?」
「いいえ、結構おもしろいわ、しばらくいさせてもらうわ。でも、これっぽっちの商品じゃ、すぐに品切れになっちゃうわね。もっと仕入れないと」
「そうだね。じゃあ買い取りのチラシを作るよ」
「ガルディさんも手伝って」
「俺は、忙しいのは……ちょっとな。もし、ゲルダがここに居つくのなら、俺は辞めようと思う」
 何だかガルディはこの仕事は気に入ってないよう。
 せっかく一緒に立ち上げたのに……
「辞めてどうするんですか?」
「バウンティーハンターに戻ろうと思う。俺にはそっちの方が向いていそうだ」
「そうですか。でも今すぐじゃないわけですよね」
「ああ、でも、早い方がいいと思うんで、そのつもりでいてくれ」
「……わかりました」
 なんだか寂しい気持ちになった。
 それにゲルダがここに居ついてくれるとは、まだ決まったことではないのだ。
 うまくやっていけるか不安ばかりだ。
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