神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空

文字の大きさ
114 / 117

フェルディナとの対決(2)

しおりを挟む
「過去の時代とは?」
 ゾフィーが聞く。
「想像つくでしょ。こんなことができない時代」
 フェルディナは巨大な光源を放った。
「逃げろ、エルン」
 光源はエルンとゾフィーの間に落ち、爆発した。
 砂塵が舞い上がり、巨大な穴が形成された。
「エルン、皆を避難させろ」
 エルンは皆に逃げるように叫んだ。
「皆、離れて」
 ガルディもガンツもアルも、そして御者も馬もちりぢりになって逃げた。
 ゾフィーとフェルディナの一騎打ちとなった。
 フェルディナの攻撃は洗練された無駄のないものだ。戦い慣れている。
 ゾフィーはそれを必死に避け、防御し、その合間に攻撃を仕掛ける。
「ゾフィー先生、大丈夫かな?」
 遠くの岩陰で見ていたアルが不安げに呟いた。
「僕が行っても邪魔になるだけだし、どうしよう」
 ゾフィーは劣勢だったが、しばらくは耐えた。
「へー、この時代の魔法使いもなかなかやるもんだわね。堕落した時代の魔法使いなんてもっとあっけないものだと思ってたわ。嬉しいわ。でも大丈夫かしら、もう魔力もあんまり残ってないようだけど。私にとってはほんのプロローグよ。これからが本番よ。魔法隆盛期最強の力を見せてごらんにいれましょうか」
「確かに、お前の力は凄まじい。なぜそれを悪に使う?」
「悪とか善とか、そんなものは立場の違いでしかないのよ。私から見たら、お前たちが悪でしかないのよ」
 フェルディナは呪文を唱えた。すると砂と岩が動き出し、みるみる人の形を作った。
「こんなものなら一〇〇や二〇〇、あっという間に作ってさしあげますわ。とりあえず一つね。一つで十分でしょ」
——あれがゴーレム? 初めて見た——
 人の三倍の背丈があろうかというゴーレムはゾフィーに向かって動き出す。
 痛みも恐怖も感じないゴーレムに手加減はない。
「先生、逃げて」
 エルンは思わず飛び出し、ゴーレムに向かってブランド・ブリッツを発動した。
 しかし、フェルディナはゴーレムに当たる直前に反射魔法で防御する。
 ブランド・ブリッツはあらぬ方向へと弾かれ、岩山へと飛んだ。岩肌が爆発し大きく崩れた。
「あらあら、この攻撃はなかなかのものですわね。この攻撃魔法はなんていうのかしら。この時代の魔法使いにしては珍しく強力ね。誰に教わったのかしら」
「誰でもいいでしょ。僕が目当てだったら僕が相手をします」
 エルンはゾフィーの前に立ちはだかった。
「何度も言うけど、美しき師弟関係ね。羨ましいわ。では二人まとめて」
「だけど、僕を殺しても、また別の人が託されてやってきますよ」
「わかってるわよ。その時は、私が始末する。次も、その次も……で、鍵はどこにあるの?」
「言えるわけないでしょ。なぜフェルディナさんが鍵をほしがるのですか? あなたには必要ないでしょ」
「私には必要ないものよ。でも、……だってそうでしょ、あなたが死んでも誰かがその鍵を手にすれば柩を探し求めるかもしれないじゃない。反逆者はあなただけじゃないのよ。その者に鍵が渡れば大変でしょ」
——僕はどうすればいいの?——
 ゴーレムは二人に向かって歩み出した。
「ゴーレム、その二人を踏み潰し、その大地にその血を吸わせてあげなさい」
「先生逃げて。ここは僕が……」
「先生、もう動けない。エルン、私に構わず逃げなさい。そして自分の信念に基づいて行動しなさい」
 エルンにはその言葉は聞こえなかった。
 エルンは渾身のブランド・ブリッツをゴーレムに放った。
 この位置ならフェルディナの反射魔法は使えないと思った。
 しかし、無駄だった。
 呆気なく跳ね返された。フェルディナの魔法はエルンの想像を超える魔法だ。
——とても無理だ。格が違いすぎる。僕は終わりなんだ——
「あらあら、お二人さん。お困りのようね。私でよければお手伝いしましょうか?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う

シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。 当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。 そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。 その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。

病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】 普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます) 【まじめなあらすじ】  主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、 「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」  転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。  魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。  友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、 「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」 「「「違う、そうじゃない!!」」」  これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。 ※他サイトにも投稿中 ※旧タイトル 病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?

山咲莉亜
ファンタジー
 ある日、高校二年生だった桜井渚は魔法を扱うことができ、世界最強とされる精霊王に転生した。家族で海に遊びに行ったが遊んでいる最中に溺れた幼い弟を助け、代わりに自分が死んでしまったのだ。  だけど正直、俺は精霊王の立場に興味はない。精霊らしく、のんびり気楽に生きてみせるよ。  趣味の寝ることと読書だけをしてマイペースに生きるつもりだったナギサだが、優しく仲間思いな性格が災いして次々とトラブルに巻き込まれていく。果たしてナギサはそれらを乗り越えていくことができるのか。そして彼の行動原理とは……?  ロマンス、コメディ、シリアス───これは物語が進むにつれて露わになるナギサの闇やトラブルを共に乗り越えていく仲間達の物語。 ※HOT男性ランキング最高6位でした。ありがとうございました!

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

処理中です...