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フェルディナとの対決(2)
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「過去の時代とは?」
ゾフィーが聞く。
「想像つくでしょ。こんなことができない時代」
フェルディナは巨大な光源を放った。
「逃げろ、エルン」
光源はエルンとゾフィーの間に落ち、爆発した。
砂塵が舞い上がり、巨大な穴が形成された。
「エルン、皆を避難させろ」
エルンは皆に逃げるように叫んだ。
「皆、離れて」
ガルディもガンツもアルも、そして御者も馬もちりぢりになって逃げた。
ゾフィーとフェルディナの一騎打ちとなった。
フェルディナの攻撃は洗練された無駄のないものだ。戦い慣れている。
ゾフィーはそれを必死に避け、防御し、その合間に攻撃を仕掛ける。
「ゾフィー先生、大丈夫かな?」
遠くの岩陰で見ていたアルが不安げに呟いた。
「僕が行っても邪魔になるだけだし、どうしよう」
ゾフィーは劣勢だったが、しばらくは耐えた。
「へー、この時代の魔法使いもなかなかやるもんだわね。堕落した時代の魔法使いなんてもっとあっけないものだと思ってたわ。嬉しいわ。でも大丈夫かしら、もう魔力もあんまり残ってないようだけど。私にとってはほんのプロローグよ。これからが本番よ。魔法隆盛期最強の力を見せてごらんにいれましょうか」
「確かに、お前の力は凄まじい。なぜそれを悪に使う?」
「悪とか善とか、そんなものは立場の違いでしかないのよ。私から見たら、お前たちが悪でしかないのよ」
フェルディナは呪文を唱えた。すると砂と岩が動き出し、みるみる人の形を作った。
「こんなものなら一〇〇や二〇〇、あっという間に作ってさしあげますわ。とりあえず一つね。一つで十分でしょ」
——あれがゴーレム? 初めて見た——
人の三倍の背丈があろうかというゴーレムはゾフィーに向かって動き出す。
痛みも恐怖も感じないゴーレムに手加減はない。
「先生、逃げて」
エルンは思わず飛び出し、ゴーレムに向かってブランド・ブリッツを発動した。
しかし、フェルディナはゴーレムに当たる直前に反射魔法で防御する。
ブランド・ブリッツはあらぬ方向へと弾かれ、岩山へと飛んだ。岩肌が爆発し大きく崩れた。
「あらあら、この攻撃はなかなかのものですわね。この攻撃魔法はなんていうのかしら。この時代の魔法使いにしては珍しく強力ね。誰に教わったのかしら」
「誰でもいいでしょ。僕が目当てだったら僕が相手をします」
エルンはゾフィーの前に立ちはだかった。
「何度も言うけど、美しき師弟関係ね。羨ましいわ。では二人まとめて」
「だけど、僕を殺しても、また別の人が託されてやってきますよ」
「わかってるわよ。その時は、私が始末する。次も、その次も……で、鍵はどこにあるの?」
「言えるわけないでしょ。なぜフェルディナさんが鍵をほしがるのですか? あなたには必要ないでしょ」
「私には必要ないものよ。でも、……だってそうでしょ、あなたが死んでも誰かがその鍵を手にすれば柩を探し求めるかもしれないじゃない。反逆者はあなただけじゃないのよ。その者に鍵が渡れば大変でしょ」
——僕はどうすればいいの?——
ゴーレムは二人に向かって歩み出した。
「ゴーレム、その二人を踏み潰し、その大地にその血を吸わせてあげなさい」
「先生逃げて。ここは僕が……」
「先生、もう動けない。エルン、私に構わず逃げなさい。そして自分の信念に基づいて行動しなさい」
エルンにはその言葉は聞こえなかった。
エルンは渾身のブランド・ブリッツをゴーレムに放った。
この位置ならフェルディナの反射魔法は使えないと思った。
しかし、無駄だった。
呆気なく跳ね返された。フェルディナの魔法はエルンの想像を超える魔法だ。
——とても無理だ。格が違いすぎる。僕は終わりなんだ——
「あらあら、お二人さん。お困りのようね。私でよければお手伝いしましょうか?」
ゾフィーが聞く。
「想像つくでしょ。こんなことができない時代」
フェルディナは巨大な光源を放った。
「逃げろ、エルン」
光源はエルンとゾフィーの間に落ち、爆発した。
砂塵が舞い上がり、巨大な穴が形成された。
「エルン、皆を避難させろ」
エルンは皆に逃げるように叫んだ。
「皆、離れて」
ガルディもガンツもアルも、そして御者も馬もちりぢりになって逃げた。
ゾフィーとフェルディナの一騎打ちとなった。
フェルディナの攻撃は洗練された無駄のないものだ。戦い慣れている。
ゾフィーはそれを必死に避け、防御し、その合間に攻撃を仕掛ける。
「ゾフィー先生、大丈夫かな?」
遠くの岩陰で見ていたアルが不安げに呟いた。
「僕が行っても邪魔になるだけだし、どうしよう」
ゾフィーは劣勢だったが、しばらくは耐えた。
「へー、この時代の魔法使いもなかなかやるもんだわね。堕落した時代の魔法使いなんてもっとあっけないものだと思ってたわ。嬉しいわ。でも大丈夫かしら、もう魔力もあんまり残ってないようだけど。私にとってはほんのプロローグよ。これからが本番よ。魔法隆盛期最強の力を見せてごらんにいれましょうか」
「確かに、お前の力は凄まじい。なぜそれを悪に使う?」
「悪とか善とか、そんなものは立場の違いでしかないのよ。私から見たら、お前たちが悪でしかないのよ」
フェルディナは呪文を唱えた。すると砂と岩が動き出し、みるみる人の形を作った。
「こんなものなら一〇〇や二〇〇、あっという間に作ってさしあげますわ。とりあえず一つね。一つで十分でしょ」
——あれがゴーレム? 初めて見た——
人の三倍の背丈があろうかというゴーレムはゾフィーに向かって動き出す。
痛みも恐怖も感じないゴーレムに手加減はない。
「先生、逃げて」
エルンは思わず飛び出し、ゴーレムに向かってブランド・ブリッツを発動した。
しかし、フェルディナはゴーレムに当たる直前に反射魔法で防御する。
ブランド・ブリッツはあらぬ方向へと弾かれ、岩山へと飛んだ。岩肌が爆発し大きく崩れた。
「あらあら、この攻撃はなかなかのものですわね。この攻撃魔法はなんていうのかしら。この時代の魔法使いにしては珍しく強力ね。誰に教わったのかしら」
「誰でもいいでしょ。僕が目当てだったら僕が相手をします」
エルンはゾフィーの前に立ちはだかった。
「何度も言うけど、美しき師弟関係ね。羨ましいわ。では二人まとめて」
「だけど、僕を殺しても、また別の人が託されてやってきますよ」
「わかってるわよ。その時は、私が始末する。次も、その次も……で、鍵はどこにあるの?」
「言えるわけないでしょ。なぜフェルディナさんが鍵をほしがるのですか? あなたには必要ないでしょ」
「私には必要ないものよ。でも、……だってそうでしょ、あなたが死んでも誰かがその鍵を手にすれば柩を探し求めるかもしれないじゃない。反逆者はあなただけじゃないのよ。その者に鍵が渡れば大変でしょ」
——僕はどうすればいいの?——
ゴーレムは二人に向かって歩み出した。
「ゴーレム、その二人を踏み潰し、その大地にその血を吸わせてあげなさい」
「先生逃げて。ここは僕が……」
「先生、もう動けない。エルン、私に構わず逃げなさい。そして自分の信念に基づいて行動しなさい」
エルンにはその言葉は聞こえなかった。
エルンは渾身のブランド・ブリッツをゴーレムに放った。
この位置ならフェルディナの反射魔法は使えないと思った。
しかし、無駄だった。
呆気なく跳ね返された。フェルディナの魔法はエルンの想像を超える魔法だ。
——とても無理だ。格が違いすぎる。僕は終わりなんだ——
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