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11 水の聖女像
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私は、とりあえず出せるものは一度外に出すことにした。
床も壁も、どこもかも汚くて、ここでご飯は作れないよ!
棚に無理やり押し込まれてた、大きな金属鍋。
埃まみれで使いものにならなそうに見えるけど……
意外としっかりしてる。
古そうだけど、丈夫。
「……よいしょっ」
む?重いな!
中に何か入ってる??
そーっと...
ちょっと慎重に鍋蓋を持ち上げた、そのとき——
ぬっ……と、中から“なにか”が動いた
「……ネズミ?」
反射的にそう思ったけど、すぐに違うって気づいた。
思わず後ずさりする。
ぎゃあああああ!!!
目が合った。
しかも、三つ。
つぶら……とは言いづらい、ぎらっと鋭い三つの目。
灰色のモサモサした毛に丸っこいフォルム。
ぱっと見ネズミ?と思わせるけど……
明らかにおかしい。ていうか——
「サイズがおかしいーーーッ!!」
私と同じくらいの大きさなんて、ネズミじゃなくて熊でしょ
それ!?
パニックで思わず叫ぶより先に、体が勝手に動いてた。
そのまま、手元の鍋蓋を、即席の盾に。
箒を握りしめて構える!
戦闘態勢、元勇者完了!
「くっ、来ないでぇええっ!!」
ネズミ(?)は、バタバタと意味不明な動きで突進してきた。
なんか……前足っぽいのを持ち上げて、叫んだ。
「ガオーッ!!」
……って、おまえ絶対ネズミじゃないし!
ネズミはガオーッて言わない!
反射で、鍋蓋で頭をガツン!!
続けて、箒をブンッ!!
当たらない!
当たらない!
当ったれーー!
ひるんだ、でも粘ってくる……しぶとい!
こっちだって引くわけにいかない!
玄関まで一直線に追い立てる!
「出ろ出ろ出ろ出てけえぇぇぇぇ!!」
私は、まさかの巨大ネズミを箒アタックラッシュで押し出した。
「シュッ」
そのまま押し出してドアを出たその瞬間、霧みたいにスーッと、そいつは消えた。
……え、なにそれ?
空気すら揺れないほどの静けさ。
まるで夢でも見てたみたい。
「……魔界なら、ありなの??」
自分に言い聞かせるように言ってみる。
足はまだ震えている。足ガクガク。
「ありなのよ、きっと!」
そう自分に言い聞かせながら、なんとか部屋に戻る。
後で魔王さまに報告しよう
恐る恐る、いろんな鍋の蓋を開けまわる。
いろんな棚も開けまくる。
だが、埃やカビぐらいであの巨大ネズミはもういなかった。
ほっとする。
「あのサイズのネズミは勘弁かも...」
さすが魔界だよ。
サイズが人間界と格が違うというか。
引き続き埃をはらってたら……空気が変わった?
完全に紫の淀みが晴れ、石造りのシンクが現れる。
「またなんか出てきたけど、これ……シンク、だよね?」
私の目はキラキラ光る。
だって、やっと台所っぽくなってきたよ!
水出るのかな?
蛇口を回すものがない。
目の前には濁った魔石?
「これかな?」
それに手をかざす
人間界でよくあるフリーハンドみたい。
やっぱりそうだ。
少しづつ液体が出始める。
でも、ぬるっ……水じゃない!
紫の液体がひたすら蛇口から出てくる。
「ぎゃっ、なにこれっ!?」
ドロドロドロドロ...紫の塊がで続ける。
でも、なぜか目が離せなくて。
「み、水は??」
ついでに濁っている魔石を拭くと、それもだんだん光が——
そして、ドロドロ水もキラキラと薄紫の水に...
さらさらさらっ……透明な水が流れ出す。
「……きれい……!」
これはもうちゃんとした水だ!!
ドロドロはない。
「石を綺麗にするべきだったんだね。かつての
嬉しくなって、さらに魔石を磨き上げる。
その後、汚くなっている皿を洗っていたら、少しずつ臭いも和らぎ、ふわっと声がする。
「まあ、久しぶりに澄んだ空気ね」
洗っている皿から目を離すと、目の前の魔石が、水で作られた人の形に変わっていた。
「……しゃべった!? ていうか人!?」
水の精霊みたいな女の人が、優しく微笑んだ。
「今日から、ここに?」
「は、はいっ。リンっていいます……!」
「ふふ、よろしくね、リンちゃん」
思わずその女の人に触る。
「え?やっぱり水?」
形が崩れる水だけど、ちゃんと動き話す。
でも??どこかで見た顔だ、と思った。
そう。教会にあった、聖女の像——
……この人、聖女様……?
でも、まだ聞けなかった。
聖女...のそっくりさん?
聖女様は水だった?
ただ、きれいな水の音が流れていた。
でも、聖女様は魔王討伐で国を助けたって話だから何か関係あるのかも。
魔王さまや狐のトミーさんや熊サイズのネズミ。
これに聖女様に似た水の人が出てももう驚かない!
むしろ興味深々だった。
床も壁も、どこもかも汚くて、ここでご飯は作れないよ!
棚に無理やり押し込まれてた、大きな金属鍋。
埃まみれで使いものにならなそうに見えるけど……
意外としっかりしてる。
古そうだけど、丈夫。
「……よいしょっ」
む?重いな!
中に何か入ってる??
そーっと...
ちょっと慎重に鍋蓋を持ち上げた、そのとき——
ぬっ……と、中から“なにか”が動いた
「……ネズミ?」
反射的にそう思ったけど、すぐに違うって気づいた。
思わず後ずさりする。
ぎゃあああああ!!!
目が合った。
しかも、三つ。
つぶら……とは言いづらい、ぎらっと鋭い三つの目。
灰色のモサモサした毛に丸っこいフォルム。
ぱっと見ネズミ?と思わせるけど……
明らかにおかしい。ていうか——
「サイズがおかしいーーーッ!!」
私と同じくらいの大きさなんて、ネズミじゃなくて熊でしょ
それ!?
パニックで思わず叫ぶより先に、体が勝手に動いてた。
そのまま、手元の鍋蓋を、即席の盾に。
箒を握りしめて構える!
戦闘態勢、元勇者完了!
「くっ、来ないでぇええっ!!」
ネズミ(?)は、バタバタと意味不明な動きで突進してきた。
なんか……前足っぽいのを持ち上げて、叫んだ。
「ガオーッ!!」
……って、おまえ絶対ネズミじゃないし!
ネズミはガオーッて言わない!
反射で、鍋蓋で頭をガツン!!
続けて、箒をブンッ!!
当たらない!
当たらない!
当ったれーー!
ひるんだ、でも粘ってくる……しぶとい!
こっちだって引くわけにいかない!
玄関まで一直線に追い立てる!
「出ろ出ろ出ろ出てけえぇぇぇぇ!!」
私は、まさかの巨大ネズミを箒アタックラッシュで押し出した。
「シュッ」
そのまま押し出してドアを出たその瞬間、霧みたいにスーッと、そいつは消えた。
……え、なにそれ?
空気すら揺れないほどの静けさ。
まるで夢でも見てたみたい。
「……魔界なら、ありなの??」
自分に言い聞かせるように言ってみる。
足はまだ震えている。足ガクガク。
「ありなのよ、きっと!」
そう自分に言い聞かせながら、なんとか部屋に戻る。
後で魔王さまに報告しよう
恐る恐る、いろんな鍋の蓋を開けまわる。
いろんな棚も開けまくる。
だが、埃やカビぐらいであの巨大ネズミはもういなかった。
ほっとする。
「あのサイズのネズミは勘弁かも...」
さすが魔界だよ。
サイズが人間界と格が違うというか。
引き続き埃をはらってたら……空気が変わった?
完全に紫の淀みが晴れ、石造りのシンクが現れる。
「またなんか出てきたけど、これ……シンク、だよね?」
私の目はキラキラ光る。
だって、やっと台所っぽくなってきたよ!
水出るのかな?
蛇口を回すものがない。
目の前には濁った魔石?
「これかな?」
それに手をかざす
人間界でよくあるフリーハンドみたい。
やっぱりそうだ。
少しづつ液体が出始める。
でも、ぬるっ……水じゃない!
紫の液体がひたすら蛇口から出てくる。
「ぎゃっ、なにこれっ!?」
ドロドロドロドロ...紫の塊がで続ける。
でも、なぜか目が離せなくて。
「み、水は??」
ついでに濁っている魔石を拭くと、それもだんだん光が——
そして、ドロドロ水もキラキラと薄紫の水に...
さらさらさらっ……透明な水が流れ出す。
「……きれい……!」
これはもうちゃんとした水だ!!
ドロドロはない。
「石を綺麗にするべきだったんだね。かつての
嬉しくなって、さらに魔石を磨き上げる。
その後、汚くなっている皿を洗っていたら、少しずつ臭いも和らぎ、ふわっと声がする。
「まあ、久しぶりに澄んだ空気ね」
洗っている皿から目を離すと、目の前の魔石が、水で作られた人の形に変わっていた。
「……しゃべった!? ていうか人!?」
水の精霊みたいな女の人が、優しく微笑んだ。
「今日から、ここに?」
「は、はいっ。リンっていいます……!」
「ふふ、よろしくね、リンちゃん」
思わずその女の人に触る。
「え?やっぱり水?」
形が崩れる水だけど、ちゃんと動き話す。
でも??どこかで見た顔だ、と思った。
そう。教会にあった、聖女の像——
……この人、聖女様……?
でも、まだ聞けなかった。
聖女...のそっくりさん?
聖女様は水だった?
ただ、きれいな水の音が流れていた。
でも、聖女様は魔王討伐で国を助けたって話だから何か関係あるのかも。
魔王さまや狐のトミーさんや熊サイズのネズミ。
これに聖女様に似た水の人が出てももう驚かない!
むしろ興味深々だった。
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