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12 水の精霊 ウンディーネ
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「……誰か声がすると思ったら、ウンディーネでしたか」
部屋の奥から、ひょいっと顔を出したのは——
魔王さまだった。
「あら、誰か? 誰かじゃないわよ!」
ウンディーネ?
聖女様じゃないのか。
ウンディーネと呼ばれた女神様は、ピシャッと水を逆立てて魔王さまに水鉄砲をぶっ放す。
「わはは、相変わらず元気ですね」
魔王様は手をすっと上げて、その水を弾き返す。
それに当たったウンディーネの体が一瞬ぐにゃっと歪んだかと思うと、今度は逆襲の大洪水を魔王様にお見舞いする。
「ちょっ、やめっ……!」
私は台所の隅っこで、びしょ濡れになりながら目を丸くした。なにこれ。神々の遊び??
「ひどい! 二人とも、ひどすぎる!!」
叫んだ瞬間、涙がぶわっとあふれた。
やっと台所綺麗になり始めてたのに!
台所は綺麗なものも汚いものも一緒くたになって水浸し!
「なんでこんな水浸し!?」
私は怒りでぷるぷる肩が震える。
「リンちゃん、ごめん!」
「リン、大人げなかった。すまない」
即座に二人の行動が止まり、周囲を見て反省モードに入る魔王さまとウンディーネ。
すると、魔王さまが慌てて隣の部屋に向かって叫んだ。
「ネズミイ、頼む!」
そして、顔をひょこっと出してきたのは——
「ひっ……!」
また、アイツだった。
鍋から出てきた巨大ネズミ!
いや、あれが“人”扱いなの!?
二足歩行ですけど!
私は、思わず魔王さまにしがみつく。
「大丈夫、大丈夫。この子は敵じゃないから。台所の守り神、ネズミイ。ね、ネズミイ?」
「……今日は最悪だ。お嬢ちゃんに殴られるし、水精霊と魔王の水遊びの後始末までやらされるとはな……」
ネズミイは、私と同じくらいのサイズのネズミ(?)なのに、超ご立腹でモップを運んできた。
魔王さまをギロリと睨みつける姿、ちょっと偉そう。
「いや、トミーがリンに台所掃除をさせるなんて思ってなかったんだよ。ネズミイのこと、ちゃんと説明してなかったね。ごめんね」
と、のんきに笑う魔王さま。
私はネズミイと一緒に叫んでいた。
「こんなのいるって知らなかったら、驚くに決まってるでしょーが!!」
声、ハモる。
「まあまあ、仲良くやってよ。改めて紹介するね」
魔王様は濡れた髪をくしゃっとかき上げながら言った。
「この水の女性はウンディーネ。水の精霊で、我が家の美味しい水を出してくれる頼れる存在。こっちはネズミイ、うちの台所の守り神」
「守り神っていうか、掃除係だろ……。はあ、また台所のカビ増えるわ。瘴気もひどいし……」
ネズミイはモップを押しつつ、ぶつぶつ文句を言ってる。
魔王に文句を言うネズミって、なんか……じわじわくる。
絵面が強すぎる。
「美味しい水を出せって言うなら、もっと早くここの瘴気をなんとかしてほしかったわ。やっとまともに呼吸できたんだから」
ウンディーネも魔石の上で思いっきり背伸びしている。
「あの聖女像は水の精霊……だったんだ。」
思わず、そのそっくり精霊に呟く。
私、てっきり聖女様だと思ってた。
私の呟きにウンディーネが、ぴくっと反応した。
「リンちゃんって、人間……よね? なんで魔界に?」
「それがですね、魔界の門に綻びが出来てしまいまして、向こう側に魔物がちょっと逃げちゃって……」
魔王さまが困った顔で説明を始める。
「で、それを回収してたら、見た向こう側の人間の衛兵が『魔王復活!』って騒ぎ出しちゃったんですよ。その日に偶然、この子が新しい勇者に選ばれちゃって」
「えっ! リンちゃんが今度の勇者!? 勇ましい……!」
ウンディーネが目を輝かせる。
「いや、無理だろ。さっき鍋蓋と箒で暴れてたぜ」
と、ネズミイが真顔で追い打ちをかける。
「そうそう。だから完全に間違いなんだよね。でも、前みたいにもうツノ持って帰ってもらうわけにもいかないし」
魔王さまは、私をちらっと見て、ふわっと笑う。
「だからこの子には、勇者じゃなくて——うちのメイドになってもらうことにしたんだ」
……その笑顔はやさしかったけど。
冷静に考えたらなんだろう??
神官見習いから勇者にされそうになって、魔王に拾われて、今は魔王城でメイドやってます。
これってどう考えてもバグってるでしょ。
部屋の奥から、ひょいっと顔を出したのは——
魔王さまだった。
「あら、誰か? 誰かじゃないわよ!」
ウンディーネ?
聖女様じゃないのか。
ウンディーネと呼ばれた女神様は、ピシャッと水を逆立てて魔王さまに水鉄砲をぶっ放す。
「わはは、相変わらず元気ですね」
魔王様は手をすっと上げて、その水を弾き返す。
それに当たったウンディーネの体が一瞬ぐにゃっと歪んだかと思うと、今度は逆襲の大洪水を魔王様にお見舞いする。
「ちょっ、やめっ……!」
私は台所の隅っこで、びしょ濡れになりながら目を丸くした。なにこれ。神々の遊び??
「ひどい! 二人とも、ひどすぎる!!」
叫んだ瞬間、涙がぶわっとあふれた。
やっと台所綺麗になり始めてたのに!
台所は綺麗なものも汚いものも一緒くたになって水浸し!
「なんでこんな水浸し!?」
私は怒りでぷるぷる肩が震える。
「リンちゃん、ごめん!」
「リン、大人げなかった。すまない」
即座に二人の行動が止まり、周囲を見て反省モードに入る魔王さまとウンディーネ。
すると、魔王さまが慌てて隣の部屋に向かって叫んだ。
「ネズミイ、頼む!」
そして、顔をひょこっと出してきたのは——
「ひっ……!」
また、アイツだった。
鍋から出てきた巨大ネズミ!
いや、あれが“人”扱いなの!?
二足歩行ですけど!
私は、思わず魔王さまにしがみつく。
「大丈夫、大丈夫。この子は敵じゃないから。台所の守り神、ネズミイ。ね、ネズミイ?」
「……今日は最悪だ。お嬢ちゃんに殴られるし、水精霊と魔王の水遊びの後始末までやらされるとはな……」
ネズミイは、私と同じくらいのサイズのネズミ(?)なのに、超ご立腹でモップを運んできた。
魔王さまをギロリと睨みつける姿、ちょっと偉そう。
「いや、トミーがリンに台所掃除をさせるなんて思ってなかったんだよ。ネズミイのこと、ちゃんと説明してなかったね。ごめんね」
と、のんきに笑う魔王さま。
私はネズミイと一緒に叫んでいた。
「こんなのいるって知らなかったら、驚くに決まってるでしょーが!!」
声、ハモる。
「まあまあ、仲良くやってよ。改めて紹介するね」
魔王様は濡れた髪をくしゃっとかき上げながら言った。
「この水の女性はウンディーネ。水の精霊で、我が家の美味しい水を出してくれる頼れる存在。こっちはネズミイ、うちの台所の守り神」
「守り神っていうか、掃除係だろ……。はあ、また台所のカビ増えるわ。瘴気もひどいし……」
ネズミイはモップを押しつつ、ぶつぶつ文句を言ってる。
魔王に文句を言うネズミって、なんか……じわじわくる。
絵面が強すぎる。
「美味しい水を出せって言うなら、もっと早くここの瘴気をなんとかしてほしかったわ。やっとまともに呼吸できたんだから」
ウンディーネも魔石の上で思いっきり背伸びしている。
「あの聖女像は水の精霊……だったんだ。」
思わず、そのそっくり精霊に呟く。
私、てっきり聖女様だと思ってた。
私の呟きにウンディーネが、ぴくっと反応した。
「リンちゃんって、人間……よね? なんで魔界に?」
「それがですね、魔界の門に綻びが出来てしまいまして、向こう側に魔物がちょっと逃げちゃって……」
魔王さまが困った顔で説明を始める。
「で、それを回収してたら、見た向こう側の人間の衛兵が『魔王復活!』って騒ぎ出しちゃったんですよ。その日に偶然、この子が新しい勇者に選ばれちゃって」
「えっ! リンちゃんが今度の勇者!? 勇ましい……!」
ウンディーネが目を輝かせる。
「いや、無理だろ。さっき鍋蓋と箒で暴れてたぜ」
と、ネズミイが真顔で追い打ちをかける。
「そうそう。だから完全に間違いなんだよね。でも、前みたいにもうツノ持って帰ってもらうわけにもいかないし」
魔王さまは、私をちらっと見て、ふわっと笑う。
「だからこの子には、勇者じゃなくて——うちのメイドになってもらうことにしたんだ」
……その笑顔はやさしかったけど。
冷静に考えたらなんだろう??
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これってどう考えてもバグってるでしょ。
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