一葉のコンチェルト

碧いろは

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漣編

【漣編】30:xx15年10月18日

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 『コンクールの予備選考、通りました』
 『おめでとう。お前の見たいものが、見えるといいな』

CORDアプリのチャットルーム。
以前送ったメッセージの返信を見て、乃亜は胸のあたたかさを感じる。
けれどその次に続くメッセージが書けない。
乃亜は熱い吐息をこぼした。



9月末に実施された全国模試も無事終了した。
中間試験前に行われたその試験は、夏にどれだけ努力したかが目に見えてわかる試験だ。
志望校の合格基準をベースに、それぞれ判定をもらう形だが
乃亜はひとまず、A判定をいただき、ひとつ安堵の息を吐いた。

だが乃亜が目指すのは一般入試ではなく、より狭き門である特待生としての入学。
勿論ある程度全国模試の成績も、判断材料となるらしいので無視はできないが。
そして先週、中間試験が行われた。
とりあえず大きなミスはしていないと思われる程度の手ごたえは感じている。
特待生を目指す乃亜にとっては、二学期の試験ひとつひとつが非常に重要だ。
明日の月曜以降、教科ごとに返却があるはずだ。

また、乃亜にとって大切なのは学業だけではない。
コンクールまであと一か月を切っているのだ。
2曲を仕上げていく中で、水野からガラコンサート用の曲も提案された。

それはある海外映画の挿入歌のアレンジだった。
様々な事情や思いを抱えた人たちが、それでも、「これが私」と叫び、
まるで戦いに行くかのような気迫を感じさせる曲である。
音楽を楽しむというイベントのガラコンサートにふさわしいというのは乃亜も理解できる。
しかし今まで弾いたことがない曲調で、少し戸惑いを覚えはした。
なにより、そのあまりにも強い歌詞に、
どこか圧倒されそうになっているというのが正直だ。
こんなに強い心はとても持てない。
果たして自分にこの曲を奏でられるだろうか。
そんな不安を抱いて委縮してしまったが、結局採用されることになった。

中間試験の結果が返ってくるということ。
新しい、それも経験のないような強い曲への挑戦。

いずれも乃亜にとって緊張を覚えることであるが、
10月18日、22:00現在。
乃亜の頭を悩ませているのは、全く別のことである。

夕食を終え、その後の兄との団らんの時間も終わり、
入浴も済ませて自室へと入った。
本来であれば軽く翌日の予習をして、そろそろベッドに入ろうかという時間帯だ。
しかし、ベッドの上に座り込み、膝を抱え、スマートフォンを手放せないでいる。

 「……どうしよう」

心の内に抑えが利かず、思わず口から漏れ出た苦悩。
乃亜は深くため息を吐いた。

ちらとスマートフォンの上部に表示されている日時を確認する。
10/18 22:03、カリフォルニアでは10/18の朝6:00頃。
この日は煉矢の誕生日だった。

煉矢には本当にいつも相談に乗ってもらっている。
かといってまだ子供の自分にはそれに対する礼ができない。
せめて誕生日のお祝いにメッセージを送るくらいはしたい。
先日からそう考えていた。
16時間の時差を考慮して日本時間の今くらいの時間に送ろうと思った。
そしてCORDアプリを立ち上げ、いざメッセージを打とうとしたのだ。

"お誕生日おめでとうございます。"
そう入力して送信しようかと思ったが、
今まで煉矢に相談に乗ってもらっていたことなど数え知れない。
本当にその一文だけでいいのだろうか。
そう考えたら送信ボタンをタップしようとする手が止まった。
先のコンクールに関する相談だけではないのだ。
去年、ましろが大病を患った時も支えてくれた。
優しい声で、あたたかな言葉で、通話で、言葉で。
そのひとつひとつを思いだしていたら、とても、おめでとうでは合わない。
入力したメッセージを消した。

"いつも支えてくれてありがとうございます。"
そう入力したが、これは誕生日の祝いじゃない。
また全文消した。

"お誕生日おめでとうございます。
いつも、支えてくれてありがとうございます。"
これならいいかと思ったが、やはり言葉が足りない。
返す返す思い返して、胸の奥からあふれるなにかが、
そのたった二行にはどうにも収まりきっている気もしない。
やはり、全部削除した。

これでは埒が明かない。
一人ではどうにも答えが出る気がしない。

この時間、すでに寝ているか気づかないかもしれないが、
頼りになる友人の名前をCORDアプリで引っ張り出した。

 『ましろ、もし起きていたら、少し相談したいです……』

せめてなにか取っ掛かりというか、ヒントが欲しい。
乃亜は半ばすがるようにメッセージを送った。
2,3分ほど経ってから既読が付いた。

 『どうしたの?』
 『寝るところでしたか?』
 『お風呂から出たところだから大丈夫。それで、相談?』
 『今日、というか、10/18が煉矢さんの誕生日なんです』
 『うん』
 『なんてメッセージ送ったらいいか分からなくなって……』
 『え、誕生日おめでとうとかじゃダメなの?』
 『ダメじゃないと思うんですけど……
  いつも本当にお世話になってて、それだけでいいのかと……』
 『んん?』

ましろも困惑しているようだ。
自分でもそう思う。正直いくらか困惑している。
おめでとうでも、ありがとうでも、足りないような気がしている。
この気持ちをどう伝えるべきなのか分からない。

 『いつもありがとうございます、でも、乃亜的にはダメなんだ?』
 『なにか、足りないというか、収まりきらないというか……』
 『ほほう?』

こっちは割と真剣に困っているのだが、その気の抜けた返信はなんだ。
唇を少しとがらせて文句を書き込もうとしたが、その前に返信があった。

 『あのさ、ちょっと聞くけど、煉矢さんのこと思い出すと、
  ついぼんやりしちゃうような時ってない?』
 『はい?』
 『いいから』

相談からズレている気がしないでもないが、思い返してみる。

 『ない、とは言わないですけど……』
 『たまらなく、会いたくなったりとか?』
 『あります……』
 『でも留学してるんだよね?会えなくて、悲しい、会いたいって思ったり、
  その人の声や言葉や、姿を思い出すと、胸があったかい気持ちになったり』
 『……ありますけど、なんですか、もう』
 『乃亜、煉矢さんに恋してるんだよ』

全身が硬直した。
どきりと強く心臓が跳ねた気がする。
まるで今までずっと隠れ続けていたなにかが飛び出してきたかのようだ。

 『煉矢さんのことが好きだから、おめでとうやありがとうっていう
  短い言葉じゃ、伝えきれないって感じてるんじゃない?』

好き。
恋をしてる。

今までに感じたことのないほどの衝撃に目を大きく見開き、
それと同時に頬が一気に熱くなってくるのを感じた。
途端、再会してから今日までの、彼との交流が脳内に駆け巡っていく。

施設から出るときの車の中で、こちらにどこか安心したような様子で笑いかけてくれた。
ここでの生活が始まって以降も、兄を支えながら、こちらのことも気にしてくれて。
誕生日には兄への贈り物の相談に乗ってくれたばかりか、自分にまで贈り物をくれた。
去年のましろが入院したときは、不安にさいなまれ
つい連絡をしてしまったら、他愛ない話をしてくれたり、
手術の時には、電話までくれた。
ヴァイオリン教室の帰り、車で迎えに来てくれたこともあった。
その時に自分にとって救済とも呼べるような言葉をくれた。

   " お前が、「悪い子」だったことなど一度もない "

その言葉は自分にとって今でも大きな支えであるし、
先日のコンクールへの出場を決めるときもそうだ。
いつでも、優しい赤い色の瞳を細めて、微笑んでくれて。

 「……っ!!」

頬の熱さが尋常ではない。
乃亜は思わず口元に手の甲をあてがった。
そうでもしなければ心臓が口から飛び出しそうだ。

まさか、そんなこと。
否定の声が出ない。
乃亜は代わりにCORDに返信を入れた。

 『そんなことないです』
 『どうして?』
 『どうしてって、煉矢さんは、私にとって、もうひとりの兄さんみたいな人です。
  それに、煉矢さんだって、私のこと、妹みたいなものだと思ってます』

そう自分で書いていて、指先が震えた。
きゅっとなにか胸が痛んだ気がするが、気のせいに違いない。

 『それに、煉矢さんとは6つ離れてます』
 『私も静とは5つ離れてるけど?』

大変に綺麗なカウンターを受けた。
兄とましろの仲睦まじさはよくよく見ている。
それは付き合う前も後も同じだ。
だが自分と煉矢は違う。違うはずだ。
無性に泣きそうになってくる。目元がじんわりとしてきた。

 『乃亜、人を好きになることは悪いことじゃない。
  と、いうか、逃げられないんだよ』
 『逃げられない?』
 『そう。人はね、人を好きになったり、好かれたりすることから逃げられないよ。
  しようとおもって出来ることじゃないし、しないようにってすることも出来ない』

そんなことをあっさりと言わないでほしい。
否定したい。
好き?
そんなこと、まさか、だって。
言葉にならない言い訳があふれ、視界が揺れた。

 『その気持ちを、今後どうするかはもちろん、乃亜次第。
  でもね、私は恋をして、後悔したことは一度もないよ。
  知ってるでしょ?
  去年、私がどうだったか。
  それを、どうして、乗り越えられたか』

その言葉にはっとする。
去年のましろの様子は思い出そうとしなくとも、
まだ鮮烈に覚えていることだ。
大変な病気と分かって、一時は本当に落ち込んでいたようだけれど
それでも乗り越えて、前向きになってからは一度も、
弱音も諦めもしなかった。
その理由を、ましろは、静に返事をするため、と言っていた。

静への想いで、乗り越えた。

 『今、乃亜が、どう考えているかは分からないけど、
  きっとその想いは、乃亜にとって、信じられないくらい大きな力になるよ』

乃亜はそれを最後にスマートフォンから顔を上げた。
壁に頭を寄りかからせ、天井を見上げる。
LEDの明かりが眩しい。
力なくベッドにそのまま倒れこんだ。
スプリングのきしむ音が響き、身体が揺れて、乃亜はただぼんやりと正面を見る。

恋をしている。

ましろに指摘されたことが頭から離れない。
そんなこと、と思うのに、同時に次々と、彼のことを思い出して、消えない。
じんわりと目元が潤んでくる。
何故かはわからない。わからないが、無性に胸がざわついて仕方ない。
知らずうちにロックがかかっていたスマートフォンのロックを解除して
再度CORDアプリを起動する。
ましろからの新しいメッセージはない。
連絡先一覧に戻り、ましろの名前よりいくつか下にある、かの人の名前を見つめた。

 「……煉矢さん……」

呟いた名前は、やけに熱い吐息と共に掠れていた。



はっと気が付いて目を開けた。
天井の電気はついたまま、カーテンの隙間からは明るい光が差し込んでいた。
少し肌寒さを感じて時計を見ると、時刻はAM 5:30と出ていた。
枕元には充電器に刺さっていない状態のスマートフォン。

気付いたら眠っていたらしい。
眠る前のことをぼんやりとした頭で思い返す。

 『恋してるんだよ』

ましろのメッセージを思い返して再び頬に熱がこもった。
そしてふるふると頭を振って、朝の身支度をすべく身体を動かした。
月曜日なのだ。
そんなことをしている、あり得ないことを考えている場合ではない。

洗面所へ向かって顔を洗う。
鏡の前に立つと、少し頬が赤かった。
その赤さの原因に再度首を振って冷たい水で顔を洗う。
今はその冷たさが心地よかった。
歯磨きなども済ませて、一度自室に向かい、着替えを済ませる。
簡単に髪を梳かして首の後ろで一つに結ぶ。
キッチンへ向かい、昼食用の弁当を作らなければならない。
いつもと同じように手順を進めていく。

そうして手を動かしているときはいい。
けれど、手が止まる、調理の最中の待ち時間になると、どうしても考えてしまう。
あの人の、優しい眼差し。
撫でてくれる大きな手。

 「乃亜、はやいな?」
 「っ?!!」

心臓が正しく飛び跳ねたような気がする。
どきどきと心臓が騒がしい中、兄は目を丸くしてこちらを見ていた。

 「え、えと、お、おはようこざいます……」
 「ああ、おはよう……?どうした?」
 「い、いえ、別に、ちょ、ちょっと考え事してたので……驚いただけです……」

嘘ではない。
ただいまだかつてないほどに驚いたけれど。

静はそんな乃亜の様子に怪訝そうな顔を見せた。

 「顔が赤いぞ?」
 「え」
 「熱でもあるんじゃないか?」
 「あ、え、いや、大丈夫です、そんな寒気とかもないですから……!
  さっき、顔あらったので、冷たかったからかも、しれないです……」
 「……本当か?」
 「本当ですよ、本当に、具合悪いとか、ないので……!」
 「……ならいいが、無理するなよ」

心底納得できない、という様子だったが、気づかぬふりをした。

その後なんとかいつもの様に弁当を作り終え、
兄とともに朝食も作って食べた。
当初、兄は訝し気だったが、朝食づくりから食事のときまでの間、
色々と話をしつつ気を紛らわせることが出来ていたので
余計なことも考えることなく、普通に過ごせたこともあり
最終的には懸念はだいぶ薄くなっていたようだった。
先に出ていくにあたり、念押しで体調について確認はされたが。

兄を見送り、乃亜は朝食の後片付けを済ませる。
改めて髪型などを整えて、時刻を確認すると7:30だった。

一人になり、充電器に差しておいたスマートフォンを手に取る。
CORDアプリを立ち上げた。

 「……あちらは、15:30くらい、ですかね……」

そもそもの発端は、煉矢に誕生日の祝いのメッセージを送りたかっただけだ。
けれど、どうしても、納得できる内容にならず、
どうしようもなくなってましろに相談したのが発端だ。

そして昨日、とんでもないことを指摘された。

 『恋してるんだよ』
 『煉矢さんが好きだから』

頬がかっと熱くなる。
そんなまさか、と叫びたくなる。
けれどどうしても、それが喉でつかえる。
叫ぶ代わりに、溜息が漏れた。

誕生日おめでとうございます、と短くメッセージだけ送ろう。
そう思い、CORDアプリから煉矢の名前をタップしようとする。
しかし、手がとまった。
どきどきと心臓がひどくまた騒ぐ。
こんなに騒ぐことなどあるのだろうか。
学校の体育で運動した後でもこんなに煩いことなんてない。
頬どころか顔中が熱い。

 「……むりです、もう……」

熱くなった額を抱え、乃亜はもう一度ため息を吐き出すしかできなかった。

結局、家を出る時間になってもメッセージを送るどころか、
少し前まで気軽に開けていたチャットルームさえ開けなかった。
そしてそれは昼休みも同様、さらに、帰る時間になっても。

結局、短いメッセージひとつ送ることができず、彼の誕生日は過ぎていった。

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